【2020.4】ベンチャー企業が抱える資金調達の問題を解決するために

2019/02/04
Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on Twitter

どのような企業にとっても、資金をどのように調達するかという悩みは共通しています。企業経営を始めるにあたり、資金調達の予定を立てておくことはとても重要です。円滑に資金調達を行うのならどのような資金の準備方法があるのか、ベンチャー企業に適した方法の種類など知っておくことが必要です。

企業経営において資金調達は常に必要な問題であると留意しておき、ベンチャーなど実績のない企業でも安心して利用できる方法を把握しておきましょう。

そこで、ベンチャー企業が資金調達を行うときに何が問題になりやすいのが、円滑に調達するために何に注意すればよいのかをご説明します。

 

ベンチャー企業とはどのような経営形態?

そもそも、ベンチャー企業やベンチャービジネスという言葉は一般的に使用されていますが、明確にその意味を説明できる方は少ないかもしれません。

ベンチャービジネスは、産業構造が素材産業を中心とするものから自動車や電機など組立加工型産業へと転換された40~50年ほど前に、自動車や電機メーカー周辺に研究開発型新興企業が多く誕生したことがきっかけで生まれた和製英語です。

その当時、数多く誕生したベンチャー企業を支援する法制度や資金調達を行うためのインフラも整備されていませんでした。そのため、先がけとなり誕生した当時のハイテクベンチャーは今ではほとんど残っていない状況です。80~90年代になるとその環境も整備され、現在に至っています。

 

日本はベンチャーに甘くない?

世界で活躍したベンチャー企業と耳にすると、米国のGoogleなど短期間で急成長を遂げて大企業の仲間入りをあっという間に果たすことができるイメージを持つ方もいるようです。

しかし、日本国内でのベンチャー企業はそのようなイメージとは異なり、急成長から市場を席巻する企業はほとんどありません。せっかく有望な技術やノウハウを持っているのに、どのように資金調達を行って生き残っていけばよいのか頭を抱えているのが現状です。

これは、国内のベンチャー企業が成長できるための資金調達インフラが整備されていないことが要因となっていると考えられます。

 

ベンチャーにとって資金調達は大きな壁

企業が資金調達を考えるときには、会社の成長に合わせてどの手法を用いるか考え活用するべきです。そのためベンチャー企業は、ベンチャー企業に合う資金調達の方法を選ばなければ成長の糧にすることはできません。

創業してまもないベンチャー企業の場合、ビジネスを推進していくための資金が不足してしまう傾向がみられます。

販路拡大や研究開発、人材確保など様々な課題に取り組み、あとは資金繰りの推移という段階でまだ十分な実績が出ていなければ社会的信頼性が低いことで調達元からリスクと捉えられてしまいます。結果として資金調達という壁を越えられないこともあるのです。

 

ベンチャー企業が資金を調達しやすい環境に

銀行など金融機関に融資を申し込んでも、独立し会社を設立したばかりで社会的信頼性が築けておらず、金融機関の借入審査が通らずない可能性も否定できません。

そのため創業したばかりのベンチャー企業の多くは、オーナー自身や家族からの資金をもとに経営することが多くなるようですが、近年ではベンチャーキャピタルやベンチャー企業でも活用できる融資制度などを活用できるケースも増えています。

新しい技術・製品の開発、サービスやビジネスに革新性があると認められた場合、次世代を担う産業の創出を目指すための支援を行ってくれる融資制度なども設けられるようになりました。

ベンチャー企業を応援してくれる調達元はいろいろありますが、この場合もやはり会社の成長過程に応じてどこから資金を調達するのか検討していくことが必要となります。

銀行融資以外にもどのような資金調達元があるのか確認し、今、自社が置かれている状況や流れに合った資金調達の方法を選択するようにしましょう。

 

日本政策金融公庫から融資を受ける

日本にある政府系金融機関の1つである日本政策金融公庫の国民生活事業では、小規模事業者や創業企業に対する事業資金融資を行っています。

新しく事業を始めたいときや、まだ創業して間もない場合でも、無担保・無保証人で利用できる新創業融資制度の取り扱いがあるのでベンチャー企業にはもってこいの借入金といえるでしょう。

なお、新創業融資制度を利用しお金を借りて増やすことができるのは、次の要件すべてに該当する方です。

  • ・新たに事業を始める方、もしくは事業開始後、税務申告を2期終えていない
  • ・雇用の創出を伴う事業を開始する、または現在勤務している企業と同業種の事業を開始するなどの一定要件に該当する方
  • ・新たに事業を始める方や事業開始後の税務申告を1期終えていない方は、創業時における創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方

借入れた資金は事業開始のとき、または事業開始後に必要となる事業資金として使用することができます。

借入金の融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)ですが、実際には1件あたり300万円を平均として融資されている傾向がみられます。

利率は融資期間や担保の有無などで異なりますが、たとえば税務申告を2期終えてない状況で担保や保証人を付けない融資を希望する場合の基本利率は、2.26~2.75%(平成31年1月17日現在)となっています。

審査が順調に進めば、最短で2週間程で借入れができる上に、通常の銀行融資よりも審査のハードルは低めです。

比較的ベンチャー企業が利用しやすい融資制度といえますが、借入の申し込みの際に提出する事業計画書の作成は綿密に行うことが必要ですし、一定の自己資金も増やす準備が必要であることは理解しておきましょう。

 

ベンチャーキャピタルから出資を受ける

金融機関などからお金を借りるのではなく、投資してもらい返済不要の資金を増やす方法の1つがベンチャーキャピタルから出資してもらう方法です。

ハイリターンを狙って積極的な投資を行う投資会社をベンチャーキャピタルといいますが、投資家の集合体であるファンドのことです。高い成長率が見込める未上場企業に対して投資を行い、その資金も投下します。

ベンチャーキャピタルは金利を目的として資金を投下するのではなく、投資した企業が株式公開したときに、その株式を売却・譲渡することで収益を得ることが目的です。

あくまでも投資という形で資金を得ることができるため、ベンチャーキャピタルから得た資金は返済義務がありません。

ベンチャー企業側からすれば、ビジネスで勝負する環境を整備しつつ、仮に会社経営に失敗しても責任を負うことがないメリットがあります。それに対しベンチャーキャピタル側としては、投資に成功すれば数百倍といったお金を得ることができる点がメリットです。

 

ベンチャーキャピタルからの出資で成功した最近の事例

大きなリターンを狙ってくるため、ベンチャー企業が株式公開できるまで投資も積極的ですし、コンサルティングなども行ってもらえます。

最近の成功事例では、フリマサイトであるメルカリの上場です。メルカリが上場する前に資金を提供していたユナイテッド株式会社は、莫大な利益をあげることに成功しました。

しかし実際にはこのようなケースは非常に稀であり、投資しても倒産してしまう、または相乗効果が見込めず手放されるといったケースもあります。

 

ベンチャーキャピタルから出資してもらうメリット

資金を投下する以上は、会社経営が円滑に進み株式公開まで辿りつけるように、経営に役立つコンサルティングなどを実施していくことが多くみられます。

それによって会社の経営状態が良化する可能性もありますし、それに加え事業の提携先を紹介してくれるなど会社を成長させる期待が持てます。

ベンチャーキャピタルの幹部が資金提供先である会社の打ち合わせなどに参加し、人材や扱う商品・マーケティング・ブランディングなど、数ある選択肢から資金をどのように使うべきかアドバイスも行ってもらえることもあります。

ベンチャー企業から大規模な企業に成長させたいと考える場合、ベンチャーキャピタルは強い味方となるはずです。

 

ベンチャーキャピタルから出資を受ける場合の問題点

問題となるのは決定権は経営者にあるとしても、ベンチャーキャピタルでは出資者の意向を重視する傾向があるという点です。それにより、経営者の意向が会社経営において重視されなくなり様々な規制がかかる可能性も考えられます。

さらにベンチャーキャピタルのアドバイスが、結果として会社を悪い方向に進ませてしまう可能性も否定できません。

第三者割当増資による資金調達を検討する場合、株主であるか否かは問わずに特定の第三者に新株を引き受ける権利を与えて増資することになります。

株式数が増えて株式を引き受けることになった方に株式が割り当てられると、経営者の持つ株式保有率=経営権を低下させることに留意し、保有する株式の割合にも注意しておくことが必要です。

 

ベンチャーキャピタルから出資してもらうなら

継続率より倒産率のほうが高いことを理解しておく必要もありますし、そもそも株式公開を希望していないのなら利用できない資金調達方法といえます。また、希望していても株式公開まで辿りつける可能性が見込めない企業には投資してもらえないでしょう。

ベンチャーキャピタルはハイリターンを狙って動くため、具体的な事業計画を持たないベンチャー企業の場合、資金調達は難しい方法です。ベンチャー起業とベンチャーキャピタル、どちらにもメリットがあると判断されてはじめて資金の提供が行われると理解しておく必要があります。

 

エンジェル投資家に出資してもらう

エンジェル投資家とは、創業して間もない企業に対し資金の提供を行う裕福な個人投資家です。

投資を受けた企業は、見返りとして社債や株式の提供を行うため、ベンチャーキャピタルと似ている印象を受けるかもしれません。ベンチャーキャピタルは投資ファンドで他人のお金を投資しているのに対し、エンジェル投資家は自らの資金を直接投資してくれます。

元々は実業家や起業家、経営者として事業を成功させた方がエンジェル投資家になることが多いため、ビジネスに関する知識も豊富です。単なる資金提供で終わらず、よきアドバイザーとなってくれることもあるようです。

またベンチャーキャピタルと異なる点は、エンジェル投資家は必ずしも利益を第一に考えているわけではないということです。

投資額はベンチャーキャピタルや金融機関からの融資よりも少額になりますが、新たな起業家を育成していくことを重視している傾向が見られます。斬新なアイディアやユニークなビジネスプラン・情熱などが買われ、投資してもらえることもありますし、何より銀行など金融機関からお金を借りるのとは異なり返済不要の資金を得ることができます。

さらに最近ではエンジェル投資家向けのエンジェル税制が実施されていることで、よりベンチャー企業に対する投資が促進されているといえるでしょう。

 

エンジェル税制とは

ベンチャー企業に対する投資を促進するため、ベンチャー企業に投資を行った個人投資家に対し、投資と売却、どちらのタイミングでも税制上の優遇措置を受けることを可能とする制度です。

 

エンジェル投資家から出資してもらう上での問題点

ただ、すべてのエンジェル投資家が善意で投資を行うわけではなく、中には必要以上に経営に介入してくる投資家もいます。経営者と相性が合わなければ、経営が停滞するリスクもはらむため注意が必要になるでしょう。

さらにエンジェル投資家が保有する株式比率が高くなれば、経営者の経営権が脅かされることも考えられますので、株式比率はそれらも踏まえた検討が必要です。

 

クラウドファンディングで出資を募る

不特定多数の方がインターネットなどを経由し、人や組織に対して財源の協力や提供を行うことをクラウドファンディングといいます。一般人からインターネット経由で返済不要の資金を調達できる新しい方法ともいえでしょう。

最近ではいろいろな事業を展開するために積極的に行われていることもあり、その成果で事業が実現させることができたというケースも少なくありません。

不確実性の高いベンチャー企業などの場合、これまではリスクを負いながらも自己資金を投入する、または実績を作って銀行などから融資を受けるしか資金調達の選択肢はありませんでした。

しかし、クラウドファンディングを有効活用することで、賛同してもらえた出資者から資金を集め、事業を開始することができます。

 

クラウドファンディングで出資を募る問題点

ただし、一般の方が投資を行うため、集めることができる資金にはある程度、限界があります。事業が成功しなければ、企業に対するイメージは急降下することもあるといった部分もデメリットとして挙げられるでしょう。

さらに、実現していないアイディアをインターネット上で公開することとなるため、そのアイディアが盗まれる可能性があります。新規で開発を進めている途中なのに、すでに特許を申請されるなど、アイディアをどのように守るのか決めておかなければなりません。

 

ファクタリングもベンチャー企業の資金調達方法の1つ

このように、ベンチャー企業が行うことができる資金調達の方法はいろいろありますが、どの方法もメリットもあれば問題となる部分もあります。何らかの方法でベンチャー企業として事業をスタートさせることができた後も、継続して資金を調達できるとも限りません。

そのような場合、ファクタリングという方法も資金調達の手法の1つとして頭に入れておくとよいでしょう。

ファクタリングとは、保有している売掛金などの売掛債権を、専門業者に売却し、その代金を早期に現金化して資金を調達する方法です。

融資を受ければ返済義務を負うこととなり、投資をしてもらえば経営権を脅かされたり結果を出さなければならないというプレッシャーが負担となります。

しかし、売掛金はそもそも将来的に自社に入金される予定のお金を支払い期日より先に現金に換えるという方法のため、返済義務などの負担を負うことはありません。

社歴の浅いベンチャー企業の場合でも、売掛先企業が優れていれば短時間での資金調達を可能とする手法ですので、検討してみる価値はあるでしょう。

 

まとめ

ベンチャー企業として新たに事業をスタートさせようと考えている場合や、創業して間もないベンチャー企業にとって、実践できる資金調達の方法は限られているように思うかもしれません。

しかし、現在は昔よりもベンチャー企業が資金調達しやすい環境が整備されてきました。企業の成長段階に応じて、どの資金調達方法が最も適しているか、将来事業をどのように継続していきたいかなども踏まえた上で一番よい方法を選択するようにしましょう。

金融機関からの貸付制度や投資を受ける方法、売掛金売却などどのような方法があるか一覧表など作成し、今会社がどの段階にあるのか把握した上で適切な資金調達の方法を選んでいくようにするとよいでしょう。

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on Twitter