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3種類の資金調達の特徴|それぞれのメリット・デメリット

資金調達2019/01/31

会社を経営する上で必要な運転資金が、常に手元にあって収益だけで事業の運営ができていれば何の問題もないでしょう。

しかし、実際にはほとんどの会社で、何らかの方法を用いて資金を調達し、運転資金に充てています。

そこで、会社を経営する上でどのような資金調達の方法があるのか、それぞれどのようなメリットやデメリットが生じるのかご紹介します。

 

一般的な資金調達の方法は3種類

資金を調達する方法として、まずデットファイナンスエクイティファイナンスアセットファイナンスという3つの種類があることを理解しておきましょう。

言葉だけ耳にすると、何だか難しそうと思うかもしれませんが、簡単にいえばデットファイナンスは借入金、エクイティファイナンスは新株発行、アセットファイナンスは資産を用いた資金調達の方法です。

 

デットファイナンスとは

会社で資金を調達することを考えるとき、最も一般的な方法がデットファイナンスです。

返済義務のある資金のことを指すため、お金を借りて資金を調達する方法のことをいいます。

金融機関や投資家からの借入れ、社債や私募債の発行などを総称した言葉と理解しておきましょう。

 

デットファイナンスのメリット

融資を受けても、返済をしっかりと行えば会社の経営方針に口を出されることもなく、融資を行った債権者に経営権が渡ることはありません。

また、利息を負担しなければならないのでコストは増えますが、支払った利息は会計上、損金に算入できます。そのため、課税対象額を低減させ納税額を減らすことに繋がるといえるでしょう。

銀行などから融資を受け、完済すれば取引実績を1つ作ることに繋がり、金融機関からの信頼を勝ち取ることができれば追加融資も期待できる可能性が広がります。

 

デットファイナンスのデメリット

融資を受ければ返済義務が生じますので、増えた返済の負担により資金繰りが圧迫される可能性もあります。

また、借りた金額が大きいほど負担する利息も増えます。利息分だけを返済し、元金がほとんど増えない状態が続けば、完済するまで長引く可能性もあることを理解しておくことも必要です。

会計上は負債として計上されることになるため、自己資本比率が低下することも否めません。財務面で安全性に不安が生じることとなり、外部の債権者に対する債務(他人資本)に依存した経営は傾きやすいことも知っておく必要があるでしょう。

自己資本比率が低下した状態で銀行に追加融資を申し込んでも、銀行からの評価は下がり希望が通らなくなる可能性も否定できません。

 

エクイティファイナンスとは

 

新株発行を伴った資金調達の方法を指しており、会社の株主資本の増加をもたらす方法のことです。

デットファイナンスは他人資本を利用し、負債を増やす資金調達の方法ですが、エクイティファイナンスは自己資本を利用し、資本を増やすところに違いがあります。

 

エクイティファイナンスのメリット

株券を発行する手法のため、株主に発行した株券を購入してもらう形となり、投資をしてもらうことになります。

原則として、返済義務が発生することはなく、財務体質を強固する効果が期待できます。

得た資金は自由に活用できるので、会社の成長に役立つ投資が可能です。

また、得た資金は自己資本に計上されることになるため、自己資本比率を向上させることができます。それにより財務面での評価が上がれば、金融機関からの評価も上がり銀行融資などで資金調達を検討しやすくなるでしょう。

 

エクイティファイナンスのデメリット

ただし、株主に投資を受けた資金の返済義務はありませんが、購入済み株式数に応じた株主総会での議決権を渡すこととなり、経営者が望む形で経営ができなくなる可能性もあります。

議決権は会社の経営権に相当するため、株主の持株数が増えれば株主に経営権が渡り、会社を乗っ取られてしまう危険もあります。

また、株式を発行し過ぎれば株式自体の価値が低下することも考えられるため、発行済株式数との兼ね合いなど考慮しながら検討する必要があるでしょう。

 

アセットファイナンスとは

資産の信用力を用いた資金調達の方法です。不動産や動産、知的財産権、債権など、資産が持つ信用力に基づき、流動化することで資金調達に役立てます。

一般的には不動産などが利用されることが多くみられますが、近年では保有する売掛金を専門業者に売却し、売掛代金が入金される予定期日の前に現金化するファクタリングが中小企業に注目されつつあります。

 

アセットファイナンスのメリット

通常では価値がつかないと考えられる資産も資金調達に利用することができます。たとえば、不動産や動産、知的財産権、売掛債権などの債権などの資産はすべて利用できますし、上手くいけば経営改善に役立つでしょう。資金調達の多様化や、保有する資産のオフバランス化、それに伴う財務比率の向上も期待できます。

さらに、資産には少なからずリスクがつきものです。不動産であれば資産価値が低下するリスクを抱えていますし、債権なら債務者の信用力に対するリスクを抱えます。そのようなリスクを移転できる点もメリットといえるでしょう。

また、アセットファイナンスではその会社の信用力はそれほど重視されず、対象となる資産の価値や信用力が重視されることになるため、経営が思わしくない場合でも活用しやすい資金調達の方法です。

 

アセットファイナンスのデメリット

デメリットとしては流動化させることが可能な資産を保有していなければ資金調達に役立たせることはできない部分です。

また、資産を保有していたとしても、事業を営む上で収益を生み出す資産は活用することにふさわしくありません。売却する価値のある資産が必要です。

 

どの方法が資金調達の方法として望ましい?

一般的に資金調達の方法として用いられている手法の3種類をご説明しましたが、この中でどれを選べばよいか判断が付かないという場合もあるでしょう。

どれが最も優れているのかではなく、事業を営む上でどの方法を用いれば、描く事業の将来によい影響を与えるかによって選ぶべきです。

今すぐに資金を調達しなければならないという事態に追い込まれたとき、先のことまで考えられない、とにかくすぐに資金が必要!と焦ってしまいがちです。

しかし、一時的に資金を調達できたのはよいものの、その先の資金繰りに悪影響を及ぼしたり、結果として事業を継続する妨げになれば意味がありません。

おおよその目安として、現在保有して売却できる資産があり、自分の思い描くように会社を経営したいという場合はアセットファイナンス、資産はないけれど自分で会社を営みたい場合はデットファイナンス、時間はかかっても返済しなくてもよい方法での資金調達を希望する場合はエクイティファイナンスを選択することとなります。

現在、会社が保有する資産の有無や経営状態、会計上の評価なども踏まえた上で総合的にどの方法で資金調達を行うか選ぶことが望ましいといえます。

また、1つの方法だけに絞るのではなく、複数を上手く取り入れれば、デメリット部分を緩和させることもできるはずです。まずは、会社の現状を見直し、どの方法がもっともよいか判断していくようにしましょう。

 

まとめ

会社が実践できる資金調達の方法はいろいろありますが、まずは自社の経営状況や資金を必要とするタイミング、将来的な事業計画なども踏まえた上で、どの方法を選ぶか決めましょう。

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