銀行のカードローンなら低金利だし、即日融資されるので利用したいと考える方もいるかもしれません。しかし、し2018年以降は銀行カードローンで即日融資は行われなくなっています。
では、銀行のビジネスローンなども同様なのか、そもそもなぜ銀行カードローンは即日融資ができなくなってしまったのかなどについて確認しておきましょう。
目次
銀行ではカードローンの即日融資を停止・縮小
2018年1月から、銀行は個人向けカードローンなどについて、新規貸し出しに関しては即日融資することを取りやめています。
そのため、それまでは新規でカードローンを申し込んでも、迅速な審査スピードにより即日融資されていたものが、審査に数日時間を要するようになり、その日に借り入れができなくなりました。
銀行カードローンで即日融資が廃止になった理由
金融庁はそれまで銀行が行っていた審査について、債務保証を行っている消費者金融に依存していること、融資の際に利用者の収入や他の金融機関からの借り入れなどが考慮されていないことを指摘し、過剰な融資によって多重債務者が増えることを懸念していました。
そもそも、銀行カードローンは、
- ・総量規制対象外である(年収の3分の1以上の借り入れが可能となる)
- ・収入のない専業主婦でも借り入れが可能
- ・ノンバンクよりも金利が低く、1人あたりの借入金額を増えやすい
などのことから、融資をし過ぎる傾向があると問題視されていました。
結果として利用者の返済能力を超えた貸し付けが行われ、カードローン利用を原因とする自己破産者を増やす結果となってしまったわけです。
2007年以降は減少傾向にあったはずの自己破産件数は、2017年に10年ぶり増加という結果をみせるほど、銀行カードローンの存在は問題視されるようになりました。
そこで、銀行側は自主規制を行い、審査に数日をかけて慎重に決定するようになったことが即日融資できなくなった理由の1つです。
また、貸付自粛制度も導入され、利用者に浪費の習癖やギャンブル依存症などがある場合において、本人やその家族からの申告により一定期間貸し付けの自粛対象者とする対策も行われています。
反社会的勢力に対する不当な貸付けが発覚したことも理由
銀行や貸金業者など、金融機関では、暴力団関係者に対する貸し付けは一切禁止されています。しかし、2013年には某大手銀行が反社会的勢力に対する融資を行っていたことが発覚しました。
不正取引の舞台となった提携ローンは、窓口は主に自動車ディーラーであり、車を購入した顧客に信販会社が審査・保証を行い、銀行が融資するといった流れのものです。審査は先に信販会社が行うことから、銀行の確認が甘くなり見落としが発生したこと原因といえます。
審査体制が不十分であると判断され、申し込みがあった場合の審査体制が見直される結果となりました。
審査体制が見直し・変更され審査に時間がかかるように!
このような理由から、銀行カードローンの即日融資は完全に廃止され、借り入れができるようになるまで早くて2日、長ければ1週間以上かかることが一般的です。
新規でカードローンの申し込みがあった場合には、提供された情報を2重に確認する体制にあります。
これまでの銀行カードローン審査では、
- 申し込み
- 保証会社による審査
- 銀行による審査
- 契約手続き
という流れでしたが、審査の大部分は保証会社が担っていたので、銀行は保証会社の審査を通過した方の最終確認のみでした。
なお、保証会社とは、もし利用者が返済困難になった場合、代わりに銀行に返済を行って利用者に対する返済業務を行う会社です。
しかし、2018年からの銀行カードローンのおける審査では、
- 申し込み
- 保証会社の審査
- 銀行の審査
- 警察庁データベース(DB)による申し込み者情報の照会
- 契約手続き
という流れに変わりました。
警察庁データベース(DB)への申し込み者情報の照会が追加されることになったわけですが、ここでは銀行カードローンの利用申し込みを行った方が、暴力団員など反社会的勢力に在籍している人物、またはその関係者ではないかを確認する調査が実施されます。
警察庁データベース(DB)で調査が実施され、銀行にその回答結果が伝わるまでは、最短でも翌日、長ければ2週間程かかります。
回答結果が届くまでの期間で、申し込み者に対する融資額は本当に適切か、金額が多すぎることはないかなども確認されます。
自動契約機でカード発行すれば即日融資できる?
対面ではなく、自動契約機を使って銀行カードローンの申し込みを行えば、即日融資が可能になるのでは?と思う方もいるかもしれません。しかし自動契約機を使用して申し込みを行ったとしても、借り入れできるようになるまでは翌日以降です。
仮に申込日にカードの発行はできたとしても、警察庁データベース(DB)の照会で問題がないと判断されなければ、正式に審査に通過したことにはならず、借り入れはできないということです。
銀行カードローンで借り入れを行うには、早くても2日かかることになると理解しておきましょう。
銀行からのビジネスローンも即日融資されない?
気になるのは銀行のビジネスローンを利用した場合です。
ビジネスローンは個人向けのカードローンとは異なるため、警察庁データベース(DB)での照会作業は行われていないようです。
ただ、審査の内容が少々複雑なため、即日融資は難しいと判断できます。
ビジネスローンの申し込みで実施される保証会社の審査は、銀行カードローンと同じくスムーズですが、銀行で実施される本審査で時間がかかります。
資金繰り表や、売上と利益の予測、資金の必要性などを加味した上で審査が実施されるため一定時間を要します。
基本的には、2~3営業日程の時間がかかると認識しておくようにしましょう。
即日融資にこだわるならノンバンクのビジネスローン?
銀行からの借り入れで即日融資ができない場合、すぐに資金を調達しなければならないという場合にはノンバンクからの借り入れを検討することになります。
ノンバンクでもビジネスローンは提供されていますが、どうしても金利の高さが気になり利用しにくさを感じる方も少なくないでしょう。
中には比較的低金利で、融資条件も悪くないビジネスローンもあり、インターネットで申し込みを行えば最短1日で資金調達が可能な場合もあるので大変便利です。
しかし、やはり銀行よりは金利負担は大きくなり、その場は資金が調達できてしのげたとしても、その後の資金繰りが悪化する可能性もでてきてしまいます。
そこで、会社に売掛金などがある場合には、売掛債権を売却して現金化するファクタリングを検討してみてもよいでしょう。
ファクタリングは借り入れではなく、手元の売掛金を現金に換える方法なので、毎月の返済負担を増やすことなく資金調達が可能になります。
また、即日現金化することが可能なため、急いで資金を調達しなければならない場合にも適しています。
まとめ
個人が利用する銀行カードローンは2018年以降、即日融資は行われていません。銀行からのビジネスローンも事実上、即日融資は難しいといえるでしょう。
即日融資にこだわるのならノンバンクのビジネスローンを利用することになるでしょうが、早急に資金調達を可能とするメリットの裏側で、大きな金利負担に悩まされる可能性もあります。
そこで、即日に資金調達することが必要であれば、借り入れだけでなく売掛金を現金化するファクタリングなども検討してみるとよいでしょう。
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