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安易な考えは危険!融資による資金調達の問題点とは

融資2018/09/24

資金調達の中でも最もオーソドックスなものとして「融資」があります。要は借金によって資金調達を行う方法があるわけです。しかし借金による資金調達についても問題点はいくつもあります。

融資による資金繰りの改善を狙っているのであれば、まずはデメリットをしっかりと把握することです。マイナス面を把握する事で、そのマイナス面にも対応できるようになります。

こちらでは融資による資金調達の問題点をいくつか掲載し、その解決方法もお伝えします。

融資による資金調達の問題点その1|返済しなければならない

・返済が経営の負担になってしまう

融資による資金調達を受けた場合ですが、その多くが融資を受けた翌月から返済をしなければなりません。その返済金が会社の経営に大きな負担を与えてしまう可能性があるわけです。

そもそも融資を受けたからといって急激に資金繰りが改善するでしょうか?単に運転資金が足りない場合にも融資を受けるでしょう。資金は充当されるわけですが、売上が伸びるわけでもありません。よって返済金に頭を悩ませる可能性もあるわけです。

もちろん日本政策金融公庫の制度融資のように、一定期間の据置期間があるものも存在しています。しかしノンバンクや銀行の融資に関しては、基本的にはすぐに返済が開始されてしまいます。一定以上の返済能力がなければ返済に負担を感じてしまい、今後の会社経営が難しくなってしまうわけです。

・会社の経営が返済を意識したものになってしまう

返済の最大のデメリットが、経営方針に対する影響です。
そもそも融資を受けると毎月一定の資金が無条件で会社から出ていくことになります。毎月の返済額は基本的には減らせません。コストカットできないものなのです。

よって融資による資金調達を実行すると、月々の返済のために経営をどうしよう、ということになってしまうわけです。経営方針の中心が返済のため、ということになってしまうのです。

返済のためにコストカットをする、返済のために利益率の高い商売に乗り出す、本来は必要なコストなのにそのコストを削って返済にまわす、といったことまで行うかもしれません。

返済を意識した経営を行ってしまうと、たとえばビジネスチャンスがやってきているのに波に乗れない、ということもあるわけです。会社として利益が出にくくなり、縮こまった経営をすることになってしまいます。

・返済への対応策

①返済期間を長くして契約する
②リスケジュールする
③返済が不要な資金調達に切り替える
④余裕があるときに繰り上げ返済を実行する

【①返済期間について】
短期間で返済する場合と長期間で返済する場合とでは、月々の返済額にも大きな差があるのです。

例えば利息を意識しないとします。120万円の借金を1年間で返済する場合と10年間で返済する場合では月々の返済額にはどれくらいの差が出るでしょうか?

・1年間で返済する場合・・・月々10万円の返済が必要(120万円÷12カ月)
・10年間で返済する場合・・・月々1万円の返済が必要(120万円÷120カ月)

このように返済期間によって月々の返済額は大きな影響を受けるわけです。自社の返済能力が乏しいと判断できる場合には、契約するときに少しでも返済期間を長くしましょう。

※返済期間を長くすると利息の発生額が増えるので、返済総額が上昇する、といった新たなデメリットが生まれます。

【②リスケジュールについて】
リスケジュール(リスケ)とは、要は返済期間を変更することを指しています。
返済期間については、何も契約途中に変えてはならないわけではありません。金融機関側に納得してもらえれば、返済期間を長期化することも可能なのです。

前述したように返済期間を長くすれば、それだけ月々の返済金額の負担は少なくなります。現状のままでは返済が難しくなる、という場合にはリスケも検討しましょう。

ただしリスケについては計画通りに借金が返済できなかったことになります。よって金融機関側から大きく評価を下げられてしまうのです。結果としてその金融機関からの新たな借入は難しくなってしまいます。

【③返済の必要がない資金繰りの改善策とは】

・出資
・ファクタリング
・有価証券売却
・不動産売却

資金調達の方法は融資だけではありません。様々な方法があるので、それらの中から都合の良いものを選択すればよいのです。融資一択で物事を考える必要はありません。

まずは出資ですが株式を発行してその見返りに一定の資金を得ることになります。基本的に返済が不要となっているので、資金調達後の経営が安定しやすい、といったメリットがあります。

ファクタリングは売掛金の売却を指しています。将来的にお金が入ってくるのが売掛金ですが、その売掛金を期日前に売却してしまうのがファクタリングなのです。ただし満額受け取れるわけではありません。手数料がとられてしまいます。

有価証券と不動産の売却ですが、どちらも資産です。資産の売却なので返済金は必要ありません。ただし有価証券については、取得したときよりも価値が下がっている可能性もあり、結果としては損失を計上する可能性もあります。不動産の売却に関しては、売却がされるまでに時間が掛かるケースも多くなっており、注意が必要なのです。

【④繰り上げ返済について】
資金が余っているときに前もって繰り上げ返済を行っておくと、利息の発生額が少なくなります。さらに短期間で返済が終わることになるので、返済期間が短くなるわけです。

繰り上げ返済ですが、実は銀行からはあまり快く思われません。銀行としても予定があります。繰り上げ返済されてしまうと利息が少なくなるので、予定通りの利益が達成できないのです。

繰り上げ返済を拒否されてしまうことはありませんが印象が悪くなるので、今後は銀行との取引が難しくなるかもしれません。

融資による資金調達の問題点その2|借りた額よりも大きな額を返済しなければならない

・利息が発生してしまう

融資による資金調達を行うと、必ず借りたお金よりも大きなお金を返済しなければなりません。利息が発生してしまうからです。

金融機関もボランティアで融資を行っているわけではありません。ビジネスの一環として融資を実行しているのです。よって彼らも利益を求めなければなりません。そこで利息金が設定されるわけです。

ただし業者によって利息率は大きく異なるので注意しましょう。銀行とノンバンクでも金利には大きな違いがあります。さらには日本政策金融公庫の利息金も異なっているのです。

・融資の利息率について

・ノンバンク・・・年10%から18%程度
・銀行・・・年1%から5%程度
・日本政策金融公庫・・・年1%から3%程度

ノンバンクの利息率が極めて高くなっているので注意しなければなりません。ノンバンクは審査が易しく、中小企業でも借り入れできるので重宝している企業があることも確かです。しかし年率が高いので、利息金の負担が大きくなりがちなのです。

一方で銀行や日本政策金融公庫の利息率は低めに設定されています。そのかわりに銀行に関しては審査が厳しくなっています。審査難易度が高いので、少しでも業績が悪いと判断されてしまえば、審査落ちにされてしまう可能性もあるのです。

日本政策金融公庫に関しては、そもそも借り入れできる条件が細かく決まっています。まずはその条件に当てはまらなければなりません。また自己資金額が少ないと、希望額の借り入れができない可能性もあり、年率が低いからといって良い結果を招くとは限らないのです。

・遅延損害金について

通常の年率よりも高く設定されているのが遅延損害金です。
遅延損害金とは返済が遅れてしまったときに対応してくるものとなっているのです。要は返済に遅れたときのペナルティだと思ってください。

期日を守ってしっかりと返済が行われているのであれば遅延損害金が発生することはありません。

遅延損害金ですが、ノンバンクであると年率で20%ほどに設定されていることもあります。

遅延損害金の設定期間は返済の遅れが出ている時です。すぐに返済がされれば遅延損害金の設定期間は短くなるので、遅れが出てしまった時はなるべく早く対処しましょう。

・利息への対応策

①利息の低い業者を利用する
②利息の発生しない資金調達を採用する
③繰り上げ返済を実行する

【①利息の低い業者について】
ノンバンクでも、業者によっては金利が年10%を下回ることもあります。探せば有利な借り入れができるところもあるのです。

また担保や保証人をつけると利息が下がることもあるので、用意できる場合には検討しておきましょう。

【②利息の発生しない資金調達とは】

・出資による資金調達
・資産売却による資金調達

上記のような資金調達法であれば利息金は発生しません。要は融資による資金調達を避ければ利息を気にしなくても良いのです。

【③繰り上げ返済について】
繰り上げ返済については、返済を前倒しで行うことを指しています。借金の残額が少なくなるので、繰り上げ返済を実行するとそれだけ利息金の発生額が低くなるのです。

また一括返済を行う方法もあります。一括返済とは返済途中に全額を返済してしまうことを指しています。以後の利息金は発生しないことになるので、利息金の支払額は圧倒的に抑えられるわけです。

融資による資金調達の問題点その3|新たな借入が難しくなる

・決算書類の印象が悪くなる

当たり前ですが、融資を受けると決算書類の負債の項目の金額が増えることになります。
1年以内に返済しなければならないものは「短期借入金」となり、1年を超えて返済するものは「長期借入金」となるのです。

決算書類に関しては借り入れを行う時に提出することになります。すでに融資を受けている場合には、前述したように負債額が大きくなっているわけです。決算書類としての印象が悪くなることにより、融資の審査で苦戦してしまうことも十分に考えられます。

特に審査の厳しい銀行からの融資は難しくなるでしょう。

・審査への対応策

①負債の額を減らす
②審査難易度の低い業者を利用する

【①負債を減らす方法とは】
繰り上げ返済や一括返済を行いましょう。
繰り上げ返済や一括返済を実行すると、負債の額が減ることになります。貸借対照表の見てくれが良くなるので、借り入れができるチャンスがある程度は出てくるわけです。

仮に一括返済であれば、長期借入金と短期借入金が0となります。返済能力が高い企業、といった評価を受けられる可能性も出てくるわけです。

【②審査難易度の低い業者とは?】
業者によっても融資の審査難易度は大きく異なります。
例えばノンバンクであっても、メガバンクは審査が厳しくなっています。都市銀行も比較的審査が厳しく、地方銀行となると比較的審査難易度は低くなるのです。

さらにノンバンクの審査難易度は低くなっており、融資が受けやすい状態となっています。

融資による資金調達の問題点その4|希望額が調達できるとは限らない

・希望額を調達額が下回ってしまうことも考えられる

本来であれば5,000万円調達したいのに、1,000万円しか調達できなかった、というケースもあるのです。
必ずしも希望額が調達できるわけではありません。調達額は審査によって決定するのです。審査で高く評価をされれば高額の融資設けられるでしょう。一方で、審査で低く評価をされれば小額の融資しかできないかもしれません。もちろん借り入れができない可能性だって出てきてしまいます。

・調達可能額は業者によって異なる

各業者によって調達の限度額は決まっています。

最高で1,000万円まで貸し出しOKとしているところもあれば、5,000万円までOKとしているところもあるのです。中には億単位の貸し出しが可能な業者もあります。

希望額を確実に融資してもらうためには、まずは各業者の融資可能額を確認しましょう。そのうえで希望額を掲示して調達できるか審査を受けるわけです。

・調達額への対応策

①借入額を減らすこと
②返済能力があることをアピールすること
③銀行融資を検討すること

【①借入金額について】
すでに高額の借り入れを行っていると返済能力が低いと判断されてしまいます。高額の融資は受けにくくなってしまうわけです。

一方で借入金額を減らせれば、「返済能力がある企業」と判断してもらえます。

高額の融資を受けたいのであれば、少しでも借入金を減らしておきましょう。

【②返済能力について】
資産をたくさん持っているなど、返済能力があることをアピールできれば高額借り入れができる可能性もあります。

返済が確実にされる、といった確証さえあれば金融機関は貸し付けてくれるのです。

【③銀行融資について】
ノンバンクに比べると銀行は資金力があります。よって高額の融資にも対応できるのです。

高額の資金調達を考えているのであれば、銀行融資も検討しておきましょう。

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