キャッシュ確保の必要性|資金調達方法とメリット・デメリット

資金調達

会社を経営していく上で必須となってくるのが「キャッシュ」です。いわゆる現金ですが、仮になくなってしまえば会社を経営していくことはできません。

キャッシュがなくなれば支払いができなくなってしまい、不渡手形を出してしまうのです。不渡手形を出してしまうと(6ヶ月間で2回以上)、銀行から取引停止処分を受けてしまいます。要は銀行を利用できなくなってしまうのです。当然ビジネスができなくなってしまい、結果として倒産に至ってしまうわけです。

そこでキャッシュを確保する必要性が生じてきます。会社に一定の現金がなければ、何かあった時に対応できなくなるかもしれません。

今回はキャッシュ確保の必要性に注目しつつ各資金調達方法を紹介します。それぞれの資金調達方法のメリット・デメリットに触れるので、どの方法でキャッシュを確保していくかを決める参考にしてください。

プロパー融資による資金調達のメリット・デメリット

プロパー融資とは銀行自体が行っている融資の事を指しています。信用保証協会などが関わっていません。銀行が自ら判断を下しリスクを背負う融資の事を「プロパー融資」としているのです。

・メリット

①高額の資金調達も可能である
②金利が低めに抑えられている
③社会的な信用を得られる

プロパー融資に関しては、高額の資金調達も可能となっています。会社としての信用が大きく関わってきますが、大企業であれば億単位の融資を受けることも可能なのです。高額の資金調達の必要性に迫られている場合にはおすすめの対策方法となります。

金利が低い、という部分にも注目しなければなりません。一般的に銀行の融資は低めに抑えられており、特に企業向けの融資は低金利なのです。年利で1%から2%程度で利用できることが多くなっています。

プロパー融資は審査が厳しくなっています。よって利用できるということは、銀行から「信用できる企業」とのお墨付きをもらっているのと同じことなのです。ですから今後の資金調達に良い影響をもたらしてくれる可能性もあります。

・デメリット

①審査が厳しい
②返済ができなければ最終的には個人で対応することになる

プロパー融資の審査は厳しいです。前述したように銀行自体がリスクを背負うことになるので、貸し倒れの可能性のある企業に対する貸出は実施していないわけです。さらに創業間もない時などには利用ができない設定となっています。企業として不安定な時期の利用はかなり難しいのです。

返済できなくなった場合にも注意しなければなりません。個人に返済が迫られる可能性もあるのです。確実に返済ができるような状況でなければ利用はおすすめできません。

投資家による資金調達のメリット・デメリット

エンジェル投資やと呼ばれる人たちや個人投資家と呼ばれる人たちから出資を受ける形で資金調達を行う方法もあります。資金提供を受ける見返りに株式を発行することになるのが出資による資金調達の特徴です。

・メリット

①創業直後でも資金調達が可能である
②返済しなくても良い
③高額の資金調達も可能である

投資家による企業への投資はハイリスク・ハイリターンとなっています。
よって創業間もない頃の企業に対しても積極的に出資しているのです。創業間もない頃であれば少額の出資で済み、その企業が将来的に大きくなれば大きなリターンが狙えるからです。

出資は返済を伴わない、という部分もメリットの一つです。
出資は融資ではなく、資金提供の見返りとして株式を渡しているのです。ですから毎月返済するような必要性はありません。企業としての資金確保の必要性から見ても、出資には大きなメリットがあります。

高額の資金調達が可能なところも投資家による出資のメリットの一つに入ります。創業間もない企業であっても数千万円から億単位の資金調達ができた例はあります。
設備投資資金などの高額な資金調達が必要な時にも活用できるのです。

・デメリット

①会社の経営権が危険にさらされる可能性がある
②経営に口を出される
③上場を迫られる

投資家に対して株式を発行することになります。持ち株割合によっては投資家に経営権を握られてしまう可能性もあるので注意しなければなりません。

経営権を握られなかったとしても投資家は株主となります。一定の発言権を持つことになり、今後の経営に口を出されることになります。

投資家の最終的な目標は株式を高く売却することです。そのためには上場してもらわなければなりません。よって出資された会社に対して上場を要求してくるのです。まだ準備ができていなかったとしても資金を回収したいがために上場を迫ってくるケースもあります。

ノンバンクによる資金調達のメリット・デメリット

銀行ではない、いわゆる「預金機能のない業者」のことをノンバンクと呼んでいます。そのノンバンクからの融資による資金調達を行っている企業も数多くあるのです。

・メリット

①審査が比較的易しめである
②用意しなければならない書類が少ない
③融資スピードが早い

ノンバンクは審査が簡単であり、銀行融資の審査に落ちた企業であっても利用できるケースが多くなっています。そもそもノンバンクの融資は金利が低く低額であるため、リスクが低いので貸し出し審査が厳しくないのです。

審査を受けるために用意しなければならない書類も少なめとなっています。経営者の身分証明書と会社の決算書などがあれば審査が受けられることもあります。気軽に申し込みができる、というのもメリットの一つです。

ノンバンクは最短即日融資も可能です。申し込みをおこなった当日に資金が獲得できる可能性もあり「すぐに資金調達をしたい」と考えている方にもおすすめの資金調達法なのです。

・デメリット

①高額融資に対応していないケースが多い
②金利が高く設定されている

ノンバンクは少額融資に特化しています。
数十万円から数百万円の融資をメインとして取り扱っているのです。高額の融資を受けたい、と考えている方にはおすすめできません。

金利が高く設定されている部分もデメリットの一つです。
場合によっては個人向けの消費者金融系カードローンの金利と同等に設定されていることもあります。長期的な利用を行ってしまうと、金利の支払額が高額化する恐れもあるので気をつけなければなりません。

ファクタリングによる資金調達のメリット・デメリット

ファクタリングとは売掛金を売却することによって資金調達をする方法です。売掛金は期日にならなければ入金されませんが、ファクタリングを利用することで期日前に現金化できるわけです。

・メリット

①自社の経営に問題があって利用できる可能性あり
②返済の必要がない
③調達スピードが早い

ファクタリングは売掛金を売却するものです。売掛金は取引先から入金されるものなので、審査対象は基本的に売掛先となります。よって自社の経営に問題があったとしてもファクタリングによる資金調達が利用できる可能性があるわけです。

ファクタリングは売掛金の売却なので融資ではありません。返済は行わないでよいのです。売掛先から売掛金の入金がファクタリング業者にあれば取引は終了となります。

資金調達までのスピードの早さにも注目しなければなりません。最短即日調達も可能なのです。審査に時間がかからないのもファクタリングのメリットです。

・デメリット

①予定していた入金額よりも少なくなる
②取引方法によっては取引先からの信用をなくしてしまう

売掛金は期日まで待てば満額入金されます。しかしファクタリングを利用すると手数料が取られてしまうので、目減りしてしまうわけです。

ファクタリングには2社間取引と3社間取引があり、2社間取引の場合は売掛先に売掛金の譲渡が通知されてしまいます。資金難であることがバレてしまうので、信用を失ってしまう可能性もあるのです。
ちなみに2社間取引であれば、取引先にファクタリングの利用がバレることはありません。

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