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気になる!増資による資金調達のメリットとデメリット

資金調達2018/07/02

資金調達の方法は様々あります。その一つの方法として注目を集めているのが「増資」なのです。すべての会社が増資によって資金調達できるとは限りませんが、できるのであれば検討に値します。

増資するにしても、自社にとってメリットが大きいのか、それともデメリットのほうが大きいのか、ということは考えておかなければなりません。

こちらでは増資による資金調達のメリットとデメリットを紹介します。メリットのほうが魅力的であり、自社にもマッチングしているという場合には増資を検討しましょう。一方でデメリットのほうが大きい、というケースには増資以外の資金調達を検討すべきです。

 

そもそも「増資」ってなんだ!?


・資本金を増やすこと

増資というので、「資本金を増やす」ということはなんとなくイメージしていたのではありませんか?

その資本金を増やすということですが、一定の手順を踏まなければなりません。しかも方法は一つではありません。「有償増資」と「無償増資」の2つに分かれているのです。

ではその2つの増資にはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。

・有償増資とは

有償増資はイメージがしやすいと思います。
そもそも資本金とは株式の発行によって得たものを指しています。有償増資に関しては、新たに株式を発行します。そして払い込みを受けることによって資本を増やすのです。

有償増資に関しては、増資した分の資金は会社に入ってくることになります。1億円分の株式を発行したら、1億円が会社に入ってくることになるわけです。

・無償増資とは

無償増資はイメージがしにくいかもしれません。
無償増資については、会社に留保していた利益や資本準備金などを資本金に振り替えることを指しています。

無償増資に関しては、要は資本金を増やすことだけを指しているわけです。新たに会社にお金が入ってくるわけではありません。無償増資に関しては、要は会社の見てくれを良くするために行うものなのです。

そもそも資本金の大きな会社と小さな会社であれば、信用できるのは大きな会社です。よって無償増資を実施して資本金を増やす、といった企業が出てくるわけです。

・資金調達には有償増資と無償増資のどちらが適切か?

有償増資の方が資金調達としては適しています。
会社にお金が入ってくることになるので、設備投資資金としても利用できます。運転資金として利用することも可能なのです。

無償増資に関しては会社にお金が入ってくることにはならないので、資金調達とは言えません。単なる財務強化となるので、キャッシュフローが改善するわけでもありません。資金繰りが悪化しているケースでの資金調達目的としては適していないのです。

ただし後の資金調達を考えて無償増資を行う、ということはおすすめです。前述したように資本金の大きな会社のほうが信用されます。要は融資を受けるときの審査に通りやすくなる、といった特徴があるわけです。

現状である程度のキャッシュがあり、将来を見越して財務を強化したい時には無償増資も選択肢の一つに入ってくるでしょう。

 

増資による資金調達のメリット5つ!


・会社に資金が入ってくる
・経営の支援者が増えることになる
・会社の信用が向上する
・返済が不要である
・財務基盤が強化される

【資金の獲得について】
増資を行うことで、会社に資金が入ってきます。
有償増資の場合ですが株式を発行した分の資金が会社に入ってくることになるので、一定の現金を獲得したことになるのです。
大型の増資ともなれば数十億円から数百億円の資金が会社に一気に入ってくることもあります(大企業のケース)。一気に資金繰りが改善することもあります。新規事業展開の資金などを獲得することもできるわけです。

【経営の支援者の新たな獲得について】
増資を行うことで株式を発行するわけです。
新たな株式を発行することにより、新たな株主を獲得することにもなります。株主というのは、会社の支援者でもあるわけです。より多くの支援者を獲得できる、といったメリットが増資にはあるのです。

では具体的に経営の支援者というのはどういった方のことを指しているのでしょうか?

まずはベンチャーキャピタルがあります。ベンチャーキャピタルはベンチャーに出資をしている業者のことを指しており、見込みのある企業に対して資金を提供します。
彼らの目的は出資した会社を上場させることです。上場させるために様々な支援を惜しみません。例えば新たな仕入先の開拓や販売先の開拓、そして提携できるような企業の紹介なども行ってくれます。経営上のアドバイスをしてくれることもあるのです。

役職員も経営の支援者です。役職員についても株主になることで、株式の配当金などを得られるようになります。よって会社をより発展させるために様々な働きかけをしてくれるようになるわけです。

仕入先や得意先も経営の支援者となります。彼らが株主になってくれることで、優先的に商品やサービスを提供してくれるようになるかもしれません。さらに優先的に商品やサービスを購入してくれることにもなるわけです。より得意先と仕入先との関係を深めることが増資ではできるのです。

【信用の向上について】
前述しましたが、増資をすることで資本金を増やすと会社として安定している、と判断されることになります。財務的に評価してもらえるようになるのです。

そもそも増資は信用がなければできません。株式を発行して増資ができるということは「見込みのある会社」と思われているからこそなのです。

資金調達をする場合には、業者側に財務諸表をしっかりと確認されます。資本金の額も審査対象となっているのです。資本金の小さな会社は財務が不安定だと思われがちです。資金調達が難しくなります。一方で増資によって資本金が多い状況になっていれば、信用が高まり資金調達のハードルが下がるのです。

増資によって資本金の額が高まれば、審査が難しいとされる銀行融資を受けられる可能性も出てきます。

【返済する必要がない】
資金調達の中でも最もオーソドックスなものに融資があります。
日本政策金融公庫も銀行もノンバンクも融資を実施しています。融資は返済が必要になってしまうのです。資金調達はできたとしても、今後の資金管理が難しくなってしまうかもしれません。

一方で増資による資金調達を実施した場合には返済の必要はありません。「なぜ?」と思うかもしれませんが、すでに対価を提供しているのです。出資を受けた対価は「株式」です。株式は価値のあるものであり、新たな株主に提供することですでに対価は支払ったことになります。よって返済の必要はない、ということになるわけです。

「返済不要」という部分については、増資による資金調達の最大のメリット、といっても過言ではありません。

【財務基盤の強化について】
前述したように返済の必要がないので、資金が減る事がありません。増資による資金調達は基本的には資金が入ってくるだけなのです。

融資を受けると長期借入金や短期借入金となります。要は負債となってしまうわけです。
現状では資金が豊富にあったとしても、負債が重荷になって徐々に資金が枯渇してしまうかもしれません。

いっぽうで資本金の多い会社については返済がないので、資金調達による資金の減少が起こりません。財務基盤が大幅に強化される資金調達法の一つとなっているわけです。

ちなみに負債の大きい会社は新たな資金調達のハードルとなります。負債については少なければ少ないほど評価をされるのです。会社として後に何かしらの大規模な資金調達を考えているのであれば、普段から負債が少なくなるような対策を立てておかなければなりません。

 

増資による資金調達のデメリット5つ!


・経営権が奪われてしまうかもしれない
・配当金を支払わなければならない
・税金をより多く納めなければならない
・株式の発行価格を決定しなければならない
・公認会計士の監査が必要になることも

【持株比率の問題あり】
増資を行うということは、発行する株式が多くなることを指しています。より多くの増資を行う場合には、株式の大量発行となるのです。
株式の大量発行となると、持株比率に大きな変化が生じる可能性があります。経営者の持株比率が大幅に下がってしまう可能性もあるので、経営権が奪われてしまうかもしれないのです。

増資による資金調達を実施するのであれば、持株比率に注意を払うべきです。そして経営権に危険が及ばない程度の増資にとどめましょう。
ちなみに持株比率が50%を切ってしまうと大きな問題が生じてしまいます。株主総会での決議を単独でできなくなってしまう可能性も出てくるのです。会社の経営も影響を受けるようになり、自分の会社であるのに自分の思い通りのことができない、といった状態に陥るケースもあります。

一つの対処方法としては「議決権のない株式」を発行する、というものがあります。議決権制限株式と呼ばれるものであり、経営権に影響を与えない株式となります。ただし出資者として議決権制限株式は、通常の株式と比べて魅力度が低いものとなります。思ったような資金調達にはならないこともあるので注意しなければなりません。

【配当金の問題あり】
出資者には返済はしなくて良いものの、配当金を支払わなければならない場面が出てくることもあるのです。
主に会社として利益が出た時ですが、会社に利益が出たのは出資者のおかげ、といった考え方もあります。ですから出資者に対して見返りを提供しなければなりません。その見返りが配当金なのです。

配当金が会社の首を絞める、というケースも考えられます。もちろん利益が出た場合に主に求められるものですが、配当金を多く支払えば会社の利益はその分少なくなります。株式を多く発行することが大きな重荷になることも考えられるわけです。

仮に配当金を支払わなければ、株主に株式を売却されてしまう可能性もあります。株価が下がるような状況になってしまい、新たな増資による資金調達が難しくなる、といったデメリットも実際にあるのです。

【税金の問題あり】
資本金の大きさによって収める税金の額が変わってきます。
増資によって資本金の額が大きくなれば、今までよりも税金を多く納めなければならなくなるのです。

ボーダーラインとなってくるのは1億円です。1億円より資本金が大きくなれば、税金をより多く納めなければなりません。増資をする時には「1億円」という金額を意識しておきましょう。

資本金が1億円を超えてしまうと、様々な税務上の特例が受けられなくなってしまいます。

800万円以下の交際費の全額損金算入もできなくなり、所得金額800万円までの軽減税率(15%)も適用されなくなります。さらに30万円未満の少額減価償却資産の全額損金算入も不可とされてしまうのです。

資本金が増えることによるデメリットもたくさんあるので、税金的にどれくらい損をするのか、という事はシミュレーションしておきましょう。

【新株の価格について】
増資は株式を発行することになるわけですが、株式の発行価格を決めなければなりません。どのくらいの額に設定すれば良いのでしょうか。株式の発行価格は経営者の多くを悩ませています。

ちなみに上場している会社であれば新株の発行価格の決定は簡単です。微調整をすることはありますが、基本的には市場価格で新株を発行すればよいのです。問題となってくるのは未上場の企業が増資をするケースです。

未上場の企業の株式は市場価格がありません。だからといってどんな額の株式を発行しても良いわけではありません。理論的な価格を算定して発行しなければならないわけです。

ちなみに簡単な株式の価格の決定方法として「純資産÷株式数」というものがあります。シンプルであり、現状に即した価格となるので迷っているのであればその計算式を利用しましょう。

【公認会計士の監査について】
資本金が5億円を超える場合のみ関わってくる話となります。
増資をして資本金が5億円を超えることになれば、そこからは公認会計士の監査を受けなければなりません。会社法で決められていることなので守らなければならないのです。

公認会計士の監査を受けるということで、そのコストも発生します。年間で1,000万円とも言われているので、大きな負担になってしまうこともあります。

もちろん公認会計士の監査はマイナスだけではありません。管理体制などの強化にも役立つので、監査を活かすことも考えましょう。

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