企業にとって資金調達は成功しなければならないものです。失敗してしまえば、会社の予定も大きく変わってしまいます。事業計画も狂ってしまうことになり、最終的には資金繰りが悪化して倒産する恐れも出てきてしまうわけです。
資金調達を成功させると入っても、資金調達方法によってその内容は大きく異なります。
こちらではベンチャーキャピタルからの資金調達を成功させるためのプロセスについてお伝えします。ベンチャーキャピタルから資金調達するためにはどのようなことが大事になってくるのでしょうか。
目次
なぜそのビジネスを選択したのかを明らかにする
・様々なビジネスがあるなか、なぜそのビジネスを選択したのか?
ベンチャーキャピタルは明確な答えを求めています。「なんとなく」と回答する会社に対して出資することはありません。資金提供を受けるためには、まずはなぜそのビジネスを選択したのかを明らかにしなければなりません。
ビジネスですが、実際にはかなり細分化しています。ですから細かい部分までしっかりと回答できるようにしておきましょう。なぜいま行っている事業が他の企業の行っている事業と比較して素晴らしいのか、という部分も伝えていかなければなりません。
ベンチャーキャピタルのメリットとデメリットを理解すること
ベンチャーキャピタルにはメリットもあればデメリットもあります。よって資金調達をする前にはプロセスとして、必ず良い面も悪い面も確認しておかなければならないわけです。
・ベンチャーキャピタルのメリット
・高額な資金調達額も可能である
・返済しなくてもOK
【資金調達額について】
ビジネスモデルが魅力的であるか、経営者が有能であるか、というところも関わってくるのですが、ケースバイケースで高額な資金調達ができるのもベンチャーキャピタルの大きな特徴となっています。
一般的な資金調達法であるビジネスローンについては数百万円程度の調達しか出来ないことが多くなっています。中には数十万円の調達しか出来ないこともあるのです。
一方でベンチャーキャピタルに関しては、厳密には上限額はありません。その会社が魅力的であればあるほど高額の出資を受けられる可能性があるのです。実際にそれほど規模が大きくない会社であったとしても、数億円の資金提供を受けた例は枚挙に暇がありません。
資金調達額が大きくなることで、事業の成長スピードは格段に異なってきます。資金的な余裕ができれば事業展開が早くなり、結果として会社が大きくなりやすくなるのです。
【返済について】
ベンチャーキャピタルは融資ではありません。出資となっています。ですからお金を返済する、といったデメリットはありません。
仮に返済があるとすると、収益が出ていないのに返済をしなければならない状況にもなりかねません。返済が経営を圧迫する、ということも十分に考えられるわけです。
ベンチャーキャピタルは出資をする代わりに株式の提供を受けます。その株式の価格の上昇を狙っているわけです。株式の価格が上昇する、ということは「会社が成功した」ということでもあるのです。お金を出す側と受け取る側が同じ方向を向いている、といった特徴もベンチャーキャピタルからの資金調達にはあります。
※日本政策金融公庫の制度融資のように、中には据置期間があるものも存在しています。しかし一般的なビジネスローンに関してはすぐに返済が始まってしまいます。ベンチャーキャピタルはそのような融資のデメリットとは無縁なのです。
・ベンチャーキャピタルのデメリット
・経営にベンチャーキャピタル側が介入してくる
・短期間で結果を求められることもある
【経営への介入について】
ベンチャーキャピタルは出資を行い、株式を取得します。
要するにベンチャーキャピタルは株主なのです。株主ということで、彼らは権利を執行してきます。経営に対して口を出してくるわけです。
ただしこちらのデメリットに関してはある程度は防衛できます。株式の保有比率に気をつければよいのです。高率を取得されてしまえば、当然経営への介入をされてしまいます。ですから保有比率をなるべく引き下げるようなことが必要になってくるわけです。
一方で株式の発行数が少なくなれば、それだけ調達額が下がることになります。頭が痛い問題ですが、ちょうどよいバランスでの資金調達を実施しましょう。
ちなみにベンチャーキャピタルは出資後に役員を送り込んできます。役員は経営についてのアドバイスをしてくれることもあるので、上手く付き合っていくことが肝心です。
【上場を急かされてしまう】
ベンチャーキャピタルの目的は株価の上昇です。そこで出資をしてからなるべく5年以内での上場を狙ってくるのです。
会社としてはもっとゆっくりと成長していきたい、といった気持ちがあったとしてもベンチャーキャピタル側としては投資なので、少しでも早く回収したい、といった気持ちがあります。まだ早いとは思いつつも上場を急かされてしまうケースも珍しくはありません。
上場をしたらしたで、経費もかかってきます。当然リスクもあるので、その点を理解したうえでベンチャーキャピタルは利用しなければなりません。デメリットを知る、ということも重要なプロセスなのです。
適切な事業計画書を作成すること
事業計画書はベンチャーキャピタルから資金調達するためには必須です。必ず作成しなければなりません。さらにその内容も大きく関わってくるのです。
・ベンチャーキャピタルに納得してもらえる事業計画書であること
ベンチャーキャピタル用に事業計画書を作り直す、ということもおすすめです。どのような点を重視してくるかを前もって把握し、その点を強化した事業計画書を作成しましょう。
【市場の成長性を明確にすること】
出資を受けやすくするためには、その会社のビジネス自体に成長の可能性がある、ということを明らかにしなければなりません。成長するビジネスであれば投資のリスクが格段に低くなるからです。
成長市場であれば、その波に乗って投資先の企業の収益も高くなっていくかもしれません。一方で成長企業でなければ、その企業自体の力がなければならないのです。かえって収益を減らしてしまうことも考えられるわけです。
投資家が投資したくなる企業ですが、「成長市場の企業」ということになります。
成長企業は市場のサポートも必要になってくる、と投資家も考えるわけです。
【競合に対して優位であることを明確にすること】
どんなビジネスにもライバルがいます。要は競合会社との関係性がベンチャーキャピタルには重要になってきます。仮に競合企業のほうが強いとなれば、ベンチャーキャピタルとしては投資の旨味はありません。かえって競合企業に対して投資したほうが見返りは大きくなる、と思われてしまうわけです。
まず競合会社はどこであるかを明らかにします。要はライバル会社を指定するわけです。そのライバル会社に対して自社はどこが勝っているのか、ということを明確化します。そしてベンチャーキャピタルに納得してもらうのです。
商品自体の魅力で勝っているのでしょうか?
サービス内容で勝っているのでしょうか?
営業力で勝っているのでしょうか?
様々な対抗方法があると思います。
ベンチャーキャピタルからの出資というだけではなく、ライバル会社と自社との違いは一度明らかにしておきましょう。会社の経営方針にも関わってくる部分です。
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