個人事業主や中小企業の経営者が資金繰りを考えた時に、手を出しやすいのがノンバンクです。ノンバンクは借りやすい、といったメリットが有ることも確かです。しかし借りやすいからこそのマイナス面もあることは理解しておいかなければなりません。
こちらではノンバンクからの借り入れを行うことによってどのようなリスクが発生するのか、ということを詳しく解説します。何も考えずに気軽に借り入れを行って後で後悔する事のないように気をつけてください。
目次
■そもそもノンバンクからの融資しか受けられない状況に落っている
・銀行融資を受けられないからこそのノンバンク
ノンバンクの借り入れをなぜ選択したのでしょうか?なぜ選択しようとしているのでしょうか?
答えは単純かもしれません。
借入先ですが、ノンバンクよりも銀行を選んだ方が良いに決まっています。銀行のほうが高額の融資にも対応していますし、金利的にも有利です。しかし審査が厳しい、といったデメリットが有るわけです。もしかしたら銀行から融資を受けようとして審査を受けたけれども、審査に落ちてしまったのでノンバンクを選択しようとしているのではありませんか?
そもそも銀行を利用できないような状況に陥っている事自体がノンバンクを利用する問題点となっているわけです。
・ノンバンクを利用しなければならない状況とは
一時的な資金難という判断であれば、銀行も基本的には貸し出しを検討してくれるはずです。しかし銀行の審査に落ちるということは形状的な赤字経営の可能性を指摘されているのと同じことです。
事業展開などや資金管理などに大きな問題がある、と判断されているわけです。
まずは会社の経営状況を改善させなければなりません。単なる資金確保という問題だけの対処では会社の経営はうまくいかないのです。
銀行の審査に落ちてしまった経験がある経営者の方は、まずは貸借対照表や損益計算書、さらにはキャッシュフロー計算書の数値を確認してみましょう。企業としての経営成績を客観視してみるのです。そちらを見たら「とてもじゃないけど融資できない」ということがなんとなくでも把握できるかもしれません。
■金利が高めに設定されている
・実質年率で15.0%前後になってしまう可能性もある
ビジネスローンの中には、高金利に設定しているところも少なくありません。実質年率が10.0%から15.0%程度に設定されている例も珍しくないのです。
ビジネスローンの場合は数十万円から数百万円。高額の場合は1,000万円程度の融資となります。
高額の融資を受ける時に高い金利が設定されてしまうと、どういったことが起きてしまうでしょうか。支払利息に悩まされてしまうことになります。借金元金に利息率がかかってくるので、高額の借り入れを行おうとすればするほど月々の利息の支払額も増えてしまいます。
ノンバンクからの借り入れを行う場合には、月々の返済額や返済総額にも目を向けなければなりません。借り入れをして一時的にその場をしのげたとしても、返済が出来なければ行き詰まって倒産することもありえます。
ただし全てのノンバンクの金利が高いわけではありません。中には実質年率を10.0%以下にしているところもあります。ノンバンクの中でもより有利な金利を設定しているところを選ぶ、ということも考えておくべきです。
■安全性に問題のある業者も紛れ込んでいる
・闇金が存在していることも
銀行の場合はまっとうな経営をしています。闇金を利用してしまうリスクはないわけです。しかしノンバンクについては、いちおうは貸金業の登録をしなければなりませんが、中には登録しないで経営しているところも少なくありません。いわゆる闇金という存在もあるのです。
貸金業を行っている業者に関しては、利息制限法と呼ばれる金利に係る法律を守らなければなりません。
【利息制限法の中身】
・元本が100万円以上の借り入れ・・・上限金利は年15%
・元本が10万円以上100万円未満の借り入れ・・・上限金利は年18%
・元本が10万円未満の借り入れ・・・上限金利は年20%
利息制限法は金利の上限を定めたものです。しかし闇金はもちろん法律を守りません。法外な金利を設定して貸し付けてくるのです。気づいたら年に1,000%以上で借り入れを行っていた、という方もいるほどです。
闇金を利用してしまえば、もはや完済は不可能です。さんざんむしり取られた挙句に倒産といった状態になってしまうでしょう。もちろん闇金を利用した場合は弁護士に相談して対応すれば返済の必要はなくなります。しかし時間も労力も無駄にしてしまうわけです。弁護士の依頼費用も考えると得られるものは何もありません。
・安全性の高い業者であるかを確かめる方法
ネームバリューのあるノンバンクであれば問題ありません。そもそも闇金であれば夢位になるはずがありません。
金融庁のサイトで検索をかけてみるのもおすすめです。貸金業者は金融庁に登録しなければなりません。ですから登録があればまっとうな業者、と判断できるわけです。もしも登録がなければ闇金と判断しましょう。
■融資額が限定されてしまう
・高くても1,000万円程度までの融資しかしてくれない
数千万円の設備投資を行いたいので融資を受けたい、といった方もいるでしょう。しかしノンバンクでは数千万円の融資を受けることはほぼ不可能となっています。ノンバンクのビジネスローンの上限は1,000万円程度となっているのです。
そもそもノンバンクは資金力があまりありません。また貸し倒れリスクも考えているので、一つの業者に対して数千万円の融資をすることに消極的なのです。
ちなみにノンバンクの融資限度額の平均額は200万円から500万円程度となっています。ちょっとした運転資金に対応できるだけの額なので、高額の資金確保には適していないのが実情です。
・高額の融資を受けたいなら不動産担保ローンを利用する手もある
1,000万円程度の融資ではどうしても足りない、という場合には担保型のローンも検討しましょう。土地や建物などの不動産を所有しているのであれば、そちらを担保に入れることで高額のローンが組めるのです。
もちろん担保の価値も大きく関わってきますが、業者としても貸し倒れ時のリスクが低減することになるので、貸し出しの上限額が高くなります。ノンバンクであったとしても数千万円や1億円以上の貸し出しをOKとしているところも少なくありません。
一方で担保型ローンにはデメリットが有ることも事実です。もしも返済ができなくなってしまえば、当然担保の所有権はなくなってしまいます。不動産担保ローンであれば、土地と建物を失ってしまうことにもなるわけです。返済が確実にできるという場合には構いませんが、今後の経営状況が見通せない時には利用しないのが賢明です。
■今後の借り入れが難しくなることも
・借り入れ情報が信用情報に記載されてしまう
ノンバンクからのビジネスローンの借り入れに関しては、信用情報に履歴が残ります。今後借り入れを行うとしても、その履歴が邪魔をしてさらなる借り入れに支障をきたしてしまう可能性もあるわけです。
将来的に銀行や保証協会、さらには公庫などでの高額の融資も検討している場合には、そちらの審査落ちの原因となってしまうかもしれません。
もちろん返済が済んでいれば過去の借入情報については大きな問題にはなりません。しかし融資を受けながらさらなる融資を受ける、ということは難しいのです。
・信用情報に記録を残さない資金調達方法はあるのか?
売掛債権の現金化、というものがあります。
ファクタリングというものですが、会社に売掛金はあるでしょうか。売掛金は入金されるまでに1ヶ月以上かかってしまう事例も少なくありません。中には半年後というケースもあるでしょう。
その売掛金を早く現金化するシステムのことをファクタリングと呼んでおり、要はファクタリングを業者に譲渡して一定額を受け取るものになっているのです。ファクタリングに関しては融資ではないので、信用情報に傷をつけることもありません。今後大きな融資を受けようと検討している時には非常に有効な対策方法ともなるわけです。
ただし日常的にファクタリングを利用する自体は避けましょう。短期的な利用であれば全く問題ありません。手数料が高い、といったマイナス面もありますが、つなぎ資金の確保の方法としては非常におすすめなのです。
■事務手数料や繰り上げ返済手数料が発生することも
・数千円から10,000円前後の手数料が発生する可能性あり
ノンバンクのビジネスローンですが、事務手数料と繰り上げ返済手数料が数千円から10,000円程度設定されていることもあります。
事務手数料に関しては初回の1回だけの発生となりますが、繰り上げ返済時は1回毎に発生する恐れもあるので、繰り上げ返済のメリットを低減させてしまうかもしれません。繰り上げ返済を利用する前に、手数料以上にお得になるかを考えた上で繰り上げ返済手続きに入ってください。
・無料の業者も多い
全てのビジネスローンが事務手数料と繰り上げ返済手数料を取っているわけではありません。中には無料としているところもあるので、余計な経費を支払いたくない、という方はいくつかの業者の情報を抽出して比較した上で決定しましょう。
ちなみに手数料の額に関しても千差万別なので、金利などとあわせて総合的に業者選びをするのがおすすめです。
■継続して利用してしまう
・気軽に利用できるからこそのリスクあり
銀行のビジネスローンであれば審査も煩雑で時間もかかります。しかも審査の難易度が高いので、借り入れできないこともあるわけです。何度も継続して契約を結ぶ、ということは考えにくいわけです。
ノンバンクのビジネスローンに関しては、まずは審査難易度が銀行に比べて低くなっています。さらに最短即日審査・即日融資に対応している業者まであるわけです。融資間隔も短いので、圧倒的な利用しやすさがあります。
利用し安さはメリットになる反面、デメリットになることもある、ということは覚えておかなければなりません。ビジネスローンを継続して利用してしまうかもしれないのです。要はローンを頼った経営に陥ってしまいます。自転車操業のようなことになってしまうかもしれません。
ローンはあくまで難しい局面を突破するときだけ利用するものです。普段から利用するものではない、といった認識を持つことが大事です。
■ノンバンクからの借り入れに関するデメリットに対応する方法とは
・大前提!経営成績を上向かせる
借り入れはしない方が良いに決まっています。だからこそ資金繰りを良くするためにも経営成績を上昇させましょう。コストと売上のバランスを良くすることも大事です。
単に売上が良かったとしてもコストがかかってしまえば意味がありません。コスト削減も考えて、会社に資金がある程度確保できるような状態にしていくことが大事です。
・借り入れ以外の選択肢も準備しておくこと
前述しましたが、ファクタリングのように融資以外の資金調達方法も検討しておくべきです。将来入金されるものを、少しでも早く現金化して会社の資金を高めるわけです。
もちろんファクタリングは一時的な対処方法です。日常的に利用するものではないので、その点も理解した上で融資以外の方法も採用していきましょう。
・副業も検討すること
企業としてのアルバイト、ということも考えておくべきです。本業だけで会社がうまくいくとは限りません。利益率が高いのであれば、副業にも力を入れて利益を確保していきましょう。
最終的に事業を成功させるためには、見方を変えていく、ということも大事なのです。副業がうまく行けば、そもそも融資を受けなくて済みます。
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