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「人材派遣」と「人材紹介」の違いとは?それぞれのメリット・デメリットを徹底解説

事業資金2022/05/06

人材サービスには、

  • 人材派遣
  • 人材紹介

など種類があり、違いがわからず混乱してしまうこともあるようです。

様々な業種や産業において人手が足らず、必要な人材を紹介してもらったり派遣してもらったりできることは大変便利ですが、違いがわからなければどちらを利用すればよいか判断できません。

また、これから人材サービスを始めようという方にとっても、派遣と紹介の違いを理解しておくことは大変重要です。

そこで、「人材派遣」と「人材紹介」の2つにはどのような違いがあるのか、それぞれを運営する上でのメリットやデメリットについて解説していきます。

「人材派遣」という人材サービスの特徴

「人材派遣」とは、自社が雇用している社員を派遣することにより利益を得る人材サービスです。

たとえば特定のスキルを保有する人材を求めている企業に対し、対象となるスキルを保有する人材を提供します。

企業が人を雇用するときには、「雇用契約」を結ぶことになります。

この雇用契約を結ぶ会社が人材派遣会社であるため、給料は人材派遣会社から受け取ることになるものの、実際に就業するのは人材派遣会社に人材を貸してほしいと依頼した別の会社です。

人材派遣会社は派遣社員として働く人材と雇用契約を結び、人材派遣会社は派遣先となる企業に労働を提供する仕組みですが、業務の指示などは派遣先の企業から受けるものの給料を支払うのは人材派遣会社となります。

人材派遣の詳しい仕組みを説明するため、

  1. 人材派遣の流れ
  2. 人材派遣3つの形態

の2つについて詳しく説明していきます。

人材派遣の流れ

人材派遣の流れは、具体的に以下のとおりです。

  1. 「人材派遣会社」と「派遣社員」が雇用契約を結ぶ
  2. 「人材派遣会社」から人材を求めている派遣先企業に「派遣社員」を派遣する
  3. 「派遣先企業」は「人材派遣会社」にサービスを利用する上での料金を支払う
  4. 「人材派遣会社」が「派遣社員」に給料を支払う

なお、人材派遣を業として営むときには、厚生労働省の「労働者派遣事業」の許可を取得することが必要です。

人材派遣3つの形態

人材派遣は大きく分けて次の3つに分けることができます。

  1. 一般派遣
  2. 特定派遣
  3. 紹介予定派遣

それぞれどのような形態なのか説明していきます。

一般派遣

「一般派遣」とは、「人材派遣会社」と労働する「派遣社員」の間で雇用関係を結び、「派遣先企業」に「派遣社員」を派遣する一般的な手法です。

派遣先働きたい人材が人材派遣会社にまず登録し、人材を求める企業が提示する条件と派遣社員が希望する条件が合致すれば、派遣契約が結ばれ派遣社員として雇用契約を結ぶことになります。

派遣期間が満了すると、派遣社員と派遣先企業のどちらか、または両方が契約を延長しなければ契約関係と派遣契約はどちらも終了します。

特定派遣

「特定派遣」では、「人材派遣会社」と「派遣社員」が無期限の正社員同様の雇用契約を結び、必要に応じて派遣先企業に派遣されるという仕組みです。

派遣社員は派遣先企業との派遣契約終了後も人材派遣会社との雇用関係が継続します。

紹介予定派遣

「紹介予定派遣」は、「派遣先企業」で一定期間就業後に直接雇用されることを前提に、「一定期間」人材派遣する仕組みです。

この「一定期間」は最長6か月間で、6か月経過後に「派遣社員」と「派遣先企業」が合意することにより、「人材派遣会社」から「派遣先企業」に「雇用」が移ります。

「人材紹介」という人材サービスの特徴

「人材紹介」とは、人材を採用することを検討している企業に対し、候補者を紹介して利益を得る人材サービスです。

仕事を探している人や転職を考えている人と、人材を求めている「紹介先企業」とを結びつけるサービスといえますが、「紹介先企業」と「人材紹介会社」が紹介契約を結んで採用したい人材を紹介し、その後、「紹介先企業」が選考します。

働き先を探している人と「紹介先企業」が互いに合意し、雇用契約を結ぶことになったときには、「紹介先企業」から「人材紹介会社」に紹介料を支払われます。

人材紹介を業として営むときにも、人材派遣と同じく厚生労働省の許可を取得することが必要ですが、人材派遣との大きな違いは紹介する人材と人材紹介会社が雇用契約を結ばないという部分です。

また、人材紹介も大きく次の3つの種類に分けることができます。

  1. 一般紹介・登録型
  2. サーチ型(ヘッドハンティング)
  3. 再就職支援型(アウトプレースメント)

それぞれの内容について説明していきます。

一般紹介・登録型

もっとも一般的といえる人材紹介の仕組み「一般紹介・登録型」です。

「人材紹介会社」があらかじめ集めていた転職希望者などを、紹介契約を結んだ紹介先企業に紹介します。

「総合型」では幅広い職種や業種を扱うことになり、「専門型」では特定の業界や職種に特化した紹介を行います。

サーチ型(ヘッドハンティング)

登録の有無に関係なく候補者を探すのが「サーチ型(ヘッドハンティング)」の特徴です。

すでに別の企業などで現役として働いている条件に合う人材を、紹介先企業と引き合わせる紹介方法であり、「ヘッドハンティング」とも呼ばれます。

通常では転職市場で見られない高い技術や能力を持った人材や経営層を探し出すことが特徴です。

再就職支援型(アウトプレースメント)

「再就職支援型(アウトプレースメント)」とは、倒産・リストラ・事業縮小などによる人員整理を検討している企業に対し、人材紹介会社からの働きかけで整理対象者の再就職先を紹介します。

「人材派遣」と「人材紹介」の違いは大きく2つ

実際にサービスを利用する場合、人材派遣と人材紹介にはどのような違いがあるのでしょうか。

そこで、

  1. 提供するサービスの違い
  2. 発生するコストの違い

の2つの違いについて説明していきます。

提供するサービスの違い

人材派遣では、派遣先企業の業務に適した人材を派遣しますが、人材紹介では紹介先企業の採用条件を満たす人材を紹介します。

発生するコストの違い

人材派遣と人材紹介は、どちらも企業が必要とする人材を確保するためのサービスであることは共通していますが、それぞれ発生するコストが違います。

人材派遣発生する主なコストは、「派遣社員の給料」です。

派遣社員に支払う給料は時給により計算されますが、その分が上乗せされた手数料が請求されます。

人材派遣会社や派遣社員の職種などで違いはあるものの、派遣料金の7割は派遣社員の給料が占めることとなり、派遣社員の社会保険料や有給休暇取得などの負担も含めると8割強を占めると想定されるでしょう。

その他、人材派遣会社の諸経費や営業利益などが手数料に含まれます。

一方の人材紹介会社は成功報酬であることが多く、仕事を探している方の想定年収の3割程度を相場に紹介手数料が発生します。

採用後の教育訓練を施す必要もないため、1人あたりの原価はほとんどかからないことも特徴です。

「人材派遣」を活用するメリット・デメリット

働く人材を求めている企業にとって、「人材派遣」をうまく活用することにより現場の人手不足解消につなげることができます。ただしデメリットがないわけではないため、メリットとデメリットどちらも踏まえた上で検討したほうがよいといえるでしょう。

そこで、

  1. 派遣を活用する3つのメリット
  2. ・材派遣を活用する2つのデメリット

の2つについて、一般派遣をメインに説明していきます。

人材派遣を活用する3つのメリット

人材派遣を活用することによるメリットは主に次の3つです。

  1. 人員計画が立てやすい
  2. 内部コストを削減しやすい
  3. 教育コストが発生しにくい

それぞれのメリットについて説明していきます。

人員計画が立てやすい

人材派遣の場合、期間に定めのある「有期労働契約」サービスとなるため、期間を定めて人を雇うことができるなど人員計画が立てやすいといえます。

たとえば繁忙期など、一時的に人材を多く確保したいときや、オープニングスタッフとしてのみ人材が欲しいときに有効です。

内部コストを削減しやすい

本来、人を雇用するときには面接や筆記試験など一連の採用選考を行うことになりますが、人材派遣ではこの手間を省くことができ、求人広告や社内での採用手続などの内部コストも削減できます。

教育コストが発生しにくい

人材派遣会社では、派遣社員に様々な研修を行うなど、これまでの経験や身につけた知識や技能を活かし、業務に対応できるような教育を行っているため別途教育コストが発生しにくいといえます。

人材派遣を活用する2つのデメリット

人材派遣を活用することによるデメリットとして挙げられるのは主に次の2つです。

  1. 人材を選ぶことはできない
  2. 派遣期間の設定が希望に合わないこともある

それぞれのデメリットについて説明していきます。

人材を選ぶことはできない

人材派遣では、人材に求める保有スキルなどを希望することはできても、実際に人材と会って選ぶことはできません。

労働者派遣法では、派遣先企業による事前面接は禁止されてます。

派遣期間の設定が希望に合わないこともある

人材派遣は基本的に有期契約であるものの、正当な理由なく契約を打ち切ることや継続することはできないとされています。

そのため、派遣された人材と相性が合わないことや、職場の雰囲気に合わないといった理由があっても、業務そのものは適切に行うことができており、派遣社員も就業を希望していれば勝手に契約を打ち切ることはできないといえます。

反対に優秀な人材が派遣され、就業を継続してほしいと希望しても、派遣社員が就業を希望しなければ契約終了となる場合もあるなど、派遣期間の設定が希望に合わないこともあると留意しておいてください。

「人材紹介」を活用するメリット・デメリット

「人材紹介」には、人材派遣にはなりメリットとデメリットがあるといえます。

そこで、

  1. 人材紹介を活用する4つのメリット
  2. 人材紹介を活用する2つのデメリット

の2つを一般紹介をメインにそれぞれ説明していきます。

人材紹介を活用する4つのメリット

人材紹介を活用するメリットとして挙げられるのは主に次の4つです。

  1. 長期雇用が可能
  2. 人材の保有するノウハウを蓄積させやすい
  3. 成功報酬型なら初期費用は発生しない
  4. 採用工数を削減しつつ採用活動しやすい

それぞれのメリットについて説明していきます。

長期雇用が可能

人材紹介の場合、紹介先企業で直接雇用されることが前提となるため、長期的な人員計画を立てることができます。

人材の保有するノウハウを蓄積させやすい

採用した人材が保有するスキルや入社後に得た能力・経験は、そのまま社内にノウハウとして蓄積させやすいといえます。

成功報酬型なら初期費用は発生しない

人材紹介の場合、採用が確定してから報酬の支払いが発生する成功報酬となるため、採用に至らなければ費用が発生せず、採用活動で初期費用がかからないこともメリットです。

採用工数を削減しつつ採用活動しやすい

採用活動では、自社に興味・関心を持つ人材を形成することが難しいといえますが、たとえば採用ページの充実度を高めることや求人広告媒体で認知度を上げるなどの方法では社内の採用工数が増えます。

しかし人材紹介を活用すると、人材紹介会社の保有する人材データベースから、自社にマッチする転職希望者を探し出すことができ、採用工数を削減しながら採用活動することができます。

人材紹介を活用する2つのデメリット

人材紹介を活用することで考えられるデメリットは主に次の2つです。

  1. 採用コストが他の採用手法より高額になりやすい
  2. 人材募集に関する採用ノウハウは蓄積されない

それぞれのデメリットについて説明していきます。

採用コストが他の採用手法より高額になりやすい

人材紹介会社に支払う紹介手数料は、人材の年収の3割から4割程度となるため、他の採用手法と比べると採用コストが高額になることがあります。

人材募集に関する採用ノウハウは蓄積されない

人材紹介は人材の募集を外部に委託するサービスのため、求人原稿の打ち合わせや写真撮影など、手間のかかる作業を省いた候補者集めが可能であることが魅力です。

しかし人材紹介会社に人材募集に関する手間や手続を任せてしまうことで、社内で人材募集や採用に関するノウハウは蓄積されなくなってしまいます。

これらのノウハウが蓄積されないままでは、いつまでも人を雇用するときには人材紹介会社を頼らなければならなくなり、余計なコストを発生させることになりかねませんので注意してください。

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