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中小企業の後継者問題はマッチングサービスで解決できる?頼りたい相談先とは

事業資金2022/03/11

経営者がそろそろ引退したいと考えたとしても、会社を引き継ぐ後継者がいないため事業承継が進まず、マッチングサービスなどの利用を検討するケースも増えています。

後継者不在問題は中小企業に多く見られ、親族や社内に会社を引き継ぐ候補がいないのなら…と、第三者に対する事業承継をM&Aマッチングなどで進めるケースも増えてきました。

そこで、後継者問題はマッチングサービスを利用すれば解決できるのか、本当に頼りたい相談先について紹介します。

後継者問題を解決できないまま放置する3つのリスク

後継者が見つからず、このままでは廃業しかないという状況の中、放置したまま現経営者が経営を続ければ次のような問題が発生する可能性があります。

  • ・完済することのできない負債が経営者個人にふりかかる
  • ・廃業するための資金が必要になる
  • ・従業員や取引先に迷惑をかける

後継者問題を解決できないまま、とりあえず今の経営者が事業を継続したとしても、高齢者や病気などを理由にいつ働くことが難しくなるかわかりません。

もしも突然、現経営者が現場で働くことができなくなった場合、事業継続が難しくなり廃業を余儀なくされるでしょう。

その場合、完済できない借金が残ってしまったままでは、連帯保証人になっている経営者個人が負担しなければなりません。

また、廃業するために資金が必要となり、雇用されている従業員やそれまで契約していた取引先なども路頭に迷わすこととなる可能性があります。

仮に黒字で順調に業績を上げていた場合でも、顧客を多く抱えていれば地域社会にも大きな損失を被らせることとなってしまいます。

後継者が見つからない事業承継問題が起きる3つの理由

中小企業では高齢者が見つからず、事業承継が進まないといった問題を抱えていることが少なくありませんが、その大きな理由として挙げられるのは主に次の3つです。

親族内や社内に後継者候補がいない

これまで中小企業では、現経営者の後継者として自身の子に事業承継させる親族内承継が多かったといえます。

しかし少子化により子の数が減少し、現経営者に子がいてもすでに独立し別会社に就職しているため、親の会社を継ぐ意思がない場合もあります。

第三者承継は避けたいと考えてしまう

親族内承継が一般的だった日本の中小企業では、第三者への承継は恥と考える経営者も少なくありません。

そのため第三者承継はできるだけ避けたいと考える傾向があり、親族内や社内に後継者候補がいないことを理由に、廃業してしまう中小企業も見られます。

ただ、現在では比較的若い世代を中心として第三者承継も候補として考える経営者が増えつつあります。

30~60代の経営者の3割以上は親族外から後継者候補を選択するなど、第三者へ事業譲渡することへの抵抗感は少しずつ軟化しているといえるでしょう。

会社を任せたい人材と出会う機会がない

親族内や社内で後継者を探すことにこだわる経営者の場合、社外の第三者では会社のことを理解できないため任すことができないと考えがちです。

そのため後継者不在の状況を作ってしまいがちといえますが、重要なのは会社のことをよく知っていることではなく、経営者としての知識や能力があるかといえます。

経営スキルが高い人材とマッチする機会があれば後継者が探しやすくなるといえますが、どこでそのような人材を見つければよいのかわからず、廃業を選択してしまうケースも見られます。

後継者不足の問題解決にマッチングサービスを利用する3つのメリット

後継者候補が見つからない企業ではマッチングサービスをうまく活用したほうがよいといえますが、利用することで次の3つのメリットがあります。

広い規模で後継者候補を探すことが可能

事業を引き継ぐことを希望する人材を全国から探すことができるため、広い規模で経営に適した人材探しができます。

専門家からアドバイスを受けることができる

マッチングサービスを利用することで、事業承継に関する専門的なアドバイスを受けることができます。

雇用や技術・ノウハウを守ることができる

事業を継続させることで、従業員の雇用を守ることにつながり、自社がこれまで築いた技術やノウハウも絶やすことなく継続させることができます。

マッチングサービスを利用して事業承継する2つのデメリット

マッチングサービスを利用する場合、次の2つのデメリットについては理解しておくことが必要です。

報酬の支払いが発生

マッチングサービスを利用する場合、手数料など費用が発生します。

どのくらいの仲介手数料と成功報酬が必要かはM&A仲介会社によって異なりますが、相場としては以下のとおりです。

  • 相談料 無料または1万円程度
  • 着手金 無料または300万円程度
  • 譲渡対象企業に対する事前調査費用 10~200万円程度
  • 月額報酬 30~100万円程度
  • 中間報酬(基本合意契約締結後) 成功報酬の10~30%程度
  • 成功報酬 売却企業の総資産の1~5%程度

必ず後継者が見つかるとは限らない

マッチングサービスは必ず後継者が見つかることが約束されているわけではないため、利用しても会社を引き継いでくれる相手が見つかるとは限りません。

事業承継ポータルサイトで後継者候補とマッチングする方法

中小企業の後継者問題が深刻化している中で、国や地方自治体でも事業承継M&Aで後継者候補とのマッチングをサポートする施策を講じています。

事業承継に必要な費用を補助金として支援する制度や、贈与税や相続税の猶予または免除などの税制措置など、事業承継が進みやすい環境を整備しているといえるでしょう。

また、中小企業振興公社などが運営し、経営者や後継予定者を対象として、後継者候補探しをサポートしたり事業承継の知識を提供したりするインターネット・サービス「事業承継ポータルサイト」などもあります。

ポータルサイトに公表する時点で企業名など公開されませんが、条件などを公表するとM&Aを検討していることを社内や競合などに推測されるリスクはあります。競合の少ない業種や地域の企業の場合には注意してください。

ポータルサイト利用では、事前にマッチングシステムやアドバイザーの実績など確認しておくことが必要です。

また、日本政策金融公庫でも「事業承継マッチング支援」を行っているため、こちらもあわせて確認しておくとよいでしょう。

事業承継で迷ったときにおススメの相談先

事業を継続させるためには事業資金を枯渇させないことが大切ですが、資金調達にファクタリングを活用したことがある中小企業の経営者も少なくないことでしょう。

ファクタリングとは保有する売掛金をファクタリング会社に売却し、現金化して先に手元の資金を増やす方法です。

そのファクタリング会社では、コンサルティング業務や事業承継・M&A支援も行っていることがあるため、その場合であれば資金面だけでなく様々な相談が可能です。

いつ・どこで資金が必要となるのか、適切な投ずるタイミングなどもアドバイスを受けることができるため、事業成長をあきらめない経営者は相談してみることをおススメします。

まとめ

親族や従業員に事業を承継することが当たり前だった時代ではなくなり、現経営者や企業の意思を引き継ぐ第三者に対し事業を承継することがだんだんと注目されるようになりました。

事業承継の準備はできるだけ早めに行ったほうがよいといえますが、仮に準備が不足すれば問題が深刻化し、廃業という残念な選択を強いられる可能性も出てきます。

もしも後継者不在で困っている場合や、社外からの後継者を募集しているという場合には、できる限り早めに後継者候補とマッチングできる体制を整備していくようにしましょう。

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