少し前までなら、起業するなら絶対に東京がよい!と考える方が多かったのに対し、最近では新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり地方行政が支援する制度などを活用する方が増えました。
リモートワークなどが主流となりつつある今、都心部でなくても起業しやすくなり、各行政も支援制度などを設け若い世代の移住を推進しています。
そこで、これから起業を検討している場合、地方で行政の支援制度など活用したほうがよい理由やその制度についてご紹介していきます。
目次
起業家の目が都心部から地方に移った理由
インターネットの普及により、情報はフラット化され場所を選ぶことなく仕事ができるようになりました。
起業する場合も同様に、都心部にオフィスを設けなくてものんびりとした田舎街で開業しやすくなったといえます。
さらに内閣府は、2019年から6年間、「地方創生起業支援事業」を実施し東京一極集中の現状を改善させようとしています。
このような国の動きもあり、起業家たちも地方に目を向けやすくなったといえるでしょう。
地方のほうが起業しやすいと考えられる理由
だんだんと東京などの都市部から地方へ移住し、起業しようとする動きが活発化しています。
都心部にはない地方ならではの魅力を感じ、自分らしく働くことができることが大きなメリットです。
他にも地方で起業することには、次の5つのメリットがあるといえるでしょう。
- ・固定費を抑えることが可能
- ・地方で起業する場合の支援制度が活用できる
- ・ブランディングしやすい
- ・ストレスを感じにくい環境で仕事ができる
- ・都市部からサポーターなど募集しやすい
それぞれ詳しくご説明します。
固定費を抑えることが可能
固定費の多くを占めるのは事務所や店舗の賃料ですが、地方なら都心部よりも家賃が低く設定されているため、同じ広さや設備の場所でもコストを抑えることができます。
仮に土地や建物を購入する場合でも、地方と都心部では数百万円から数千万円違いが出るほど、不動産価格の差は大きなメリットとなるでしょう。
一部の地域では若者を呼び込むことを目的とし、土地や建物など無償で提供するといった環境も整備されています。
地方で起業する場合の支援制度が活用できる
起業した後に従業員を雇用すれば、地方にとって雇用創出=経済発展・地方創生につながります。
そこで、地方行政では起業する方に向けた支援制度などを設け、たとえば最大500万円の資金援助や無利子による300万円の融資制度などを行っています。
なお、全国の支援・誘致制度については以下のサイトで検索できるため、参考にしてみるとよいでしょう。
参考:JOIN日本移住・交流ナビ(一般社団法人・移住交流推進機構)
ブランディングしやすい
地域ならではといえる昔ながらの伝統など、その地方の特色を活かしてブランディングしやすいのもメリットです。
時代の流れにより埋もれてなくなりそうな伝統を斬新なアイデアで復活させることができれば、その地域の方たちにとってもメリットとなります。
若手のデザイナーがパッケージを施し、新たなデザインを加えることで、生産され続けている商品にも新たな付加価値を与えることができるでしょう。
行政でも都内や全国の主要都市にアンテナショップなど出店し、ご当地ブランドといえる特産品や伝統工芸品などを販売して観光PRを行っています。
ストレスを感じにくい環境で仕事ができる
地方には都心部にない豊かな自然環境があるため、のんびりとしたストレスフリーの環境で仕事ができます。
確かに都会のほうが日々の生活で便利だと感じることは多いでしょうが、地方にもそのエリアにしかない魅力が多くあります。
通勤ラッシュや行列など、これまで当たり前だった環境で仕事ができるようになると、よりよいアイデアなども生まれやすくなるはずです。
都市部からサポーターなど募集しやすい
地方から都市部へと移り住んでいる方の多くは、自分が生まれ育った故郷は今どうなっているのだろうと気になるものでしょう。
中には地域活性化につながるクラウドファンディングなどで、地元の産業や企業支援を行う方もいます。
そのような方たちに、地方でのビジネスに賛同してもらうことができれば、土日や祝日などは地元に帰省してもらいサポーターとして参加してもらいやすくなるでしょう。
さらに地方は都市部へと人が流出しているため、就業機会が少ないことが特徴です。
その地方で起業することにより、地元の若者に就業機会を与えることができ、雇用促進や町おこし・活性化につなげることが可能となれば、地域の方たちにとってもメリットとなります。
国や行政が行う支援制度の活用を
国や行政は積極的に地域活性化を支援しており、特に経済効果が高い地方で会社を設立するときには、さまざまな補助金や融資制度で対応しています。
その中で注目したいのが「地域創生起業支援事業」で、地方での起業や移住などへ挑戦することを応援する事業です。
地域創生起業支援事業は2019年度から6年間を目途とし、地方公共団体が主体となって実施するとされています。
起業支援金と移住支援金があり、この2つの制度を利用し、地方に移住・起業した場合には最大300万円(単身の場合は最大260万円)の支援金を受け取ることができます。
参考:地域創生
起業支援金
都道府県など行政が、地域課題の解決につながる社会的事業を起業する方を対象として、最大200万円を助成する事業が起業支援金です。
地域課題の解決に効果的な起業を促進し、地方創生を実現することを目的としています。
事業分野としては、
- ・子育て支援
- ・地域産品を活用する飲食店
- ・買い物弱者支援
- ・まちづくり推進
など、地域課題に応じた幅広い分野が想定されます。
起業などで必要な経費の2分の1相当額が交付されますが、東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)以外の道府県または東京圏内の条件不利地域で、社会的事業の起業を行うといった要件を満たす必要があります。
なお条件不利地域とは、
- ・過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法
- ・山村振興法
- ・離島振興法
- ・半島振興法
- ・小笠原諸島振興開発特別措置法
の対象地域を有する市町村(政令指定都市以外)のことです。
他にも一都三県の条件不利地域の市町村として指定されているエリアがありますので、事前に確認しておきましょう。
移住支援金
東京23区に在住または通勤する方が、東京圏外に移住し起業や就業するとき、都道府県・市町村が共同で交付金を支給する事業が移住支援金です。
移住直前の10年間のうち、通算5年以上は東京23区に在住または東京圏(条件不利地域以外)に在住し、東京23区に通勤した方を対象とします。
東京圏以外の道府県または東京圏の条件不利地域に移住することが必要で、移住支援事業実施都道府県・市町村に限ります。
地域の中小企業などに就業、またはテレワークで移住前の業務を継続し、地域で社会的起業などを実施することが必要です。
移住して就業等したのち、移住先の市町村に申請すれば移住支援金が支給されます。
まとめ
地方で起業しようと考える起業家が増えたのは、インターネット普及により場所を選ばず仕事しやすくなったことも大きく関係します。
のびのびとした環境で仕事ができれば、日々のストレスを感じることもないため、よいアイデアなども生まれやすくなるでしょう。
そして地方で起業するときには、国や行政などの支援制度などが活用できます。
起業する際には多額の資金が必要となるため、支援制度などうまく活用しながら、地域活性の可能となる起業を実現していきましょう。
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