事業承継でトラブルが起きてしまうその背景にある失敗要因とは?

2021/08/20
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事業承継を進めていきたいけれど、途中でトラブルが発生し失敗に終わることもあります。後継者に事業を引き継いでもらい、無事に承継を済ませるためには失敗要因を理解しておくことが必要です。

そこで、事業承継を成功させるためにも、事前にありがちな失敗や起こりやすいトラブルの内容を把握しておきましょう。

 

事業承継失敗によるトラブルでその後どうなるか

事業承継を成功させるには、なぜ失敗してしまうのかその要因を知ることが大切です。

仮に事業承継に失敗してしまうと、

  • ・廃業
  • ・業績悪化
  • ・退職者増加
  • ・資金繰り悪化

といった状況に陥ります。

 

業績悪化

事業承継に失敗してしまえば、自社業績はさらに悪化してしまいます。そもそも事業承継は、業績を改善・安定させることを目的として行うため、計画していたことが進まなくなってしまうからです。

 

退職者増加

事業承継に失敗してしまえば、この会社に未来はないと判断した従業員が退職してしまう可能性も出てきます。

 

資金繰り悪化

事業承継の失敗は資金繰り困難な状況を招くことになります。

成功させることで期待されていた業績改善やシナジー効果による事業成長は見込めなくなり、資金を調達しにくくなるため資金繰りも悪化してしまうでしょう。

 

廃業

事業承継に失敗すると、会社を引き継いでもらうことができなくなり、後継者不在最終的には廃業しなければならなくなるでしょう。

成功後に期待していた業績改善やシナジー効果は得ることができず、巻き返しができなくなれば廃業するしかなくなるからです。

 

事業承継で発生しやすいトラブルとは

事業承継が失敗してしまうことを防ぐためには、失敗要因を事前に把握しておき成功に向けた対策を練っておくことが必要です。

たとえば現経営者の子を後継者として迎え、会社を引き継いでもらうのなら、身内なのでトラブルなく事業承継が進むだろうと考えがちです。

しかし親から子への事業承継でも様々なトラブルが発生することがあり、事前に対処法を講じておくことが望ましいといえるでしょう。

主に事業承継で発生しやすいトラブルには次のようなことが挙げられます。

 

後継者不足で発生するトラブル

事業承継では、現経営者から後継者に事業を引き継ぐことになりますが、そもそも後継者となる人材がいなければ進みません。

中小企業の場合には親から子へ引き継ぎたいと希望することが多いものの、そもそも子がいなかったり子が別の仕事をしていたりなど、事業を引き継がせることができないケースも存在します。

子や配偶者などが後継者とならない場合には、その他親族や役員・従業員の中から引き継いでくれる相手を探さなければなりません。

それでも後継者候補が見つからなければ、第三者に会社を引き継いでもらうM&Aなど検討も必要となるでしょう。

 

事業承継にM&Aを活用するメリット・デメリット

M&Aによる事業承継は、現経営者の引退後の生活が保証されることはメリットといえます。

会社を買収したときに受け取るお金を、現経営者の老後の生活資金にあてることができるのは大きなメリットとなるでしょう。

また、すでに安定した運営ができている会社に引き継いでもらえることは大きな安心につながります。

ただし、M&Aは時間がかかることが大きなデメリットです。受け入れ先選定や買収金額の交渉、どの資産を残し廃棄するのかなどを決め手続を行うため時間がかかります。

1年ほどの時間を掛けて行うなど、余裕を持って対応することが必要です。

 

相続手続で発生するトラブル

親から子など、相続による事業承継では遺産相続に関してトラブルが発生することもあります。

たとえば会社の資産に経営者個人の資産が含まれているときや、経営者の自宅を担保に銀行から融資を受けていたときなど、個人と会社の線引きができていない資産があるとトラブルが発生しやすくなります。

後継者にすべての資産を引き継がせたくても、相続権のある親族が口を出してくることも考えられます。

 

遺産相続トラブルを防ぐための対策

遺産相続に関するトラブルを未然に防ぐためには、現在会社にどのくらいの資産があるのか洗い出し確認しておきましょう。

会社の資産で、所有権が法人と経営者個人のどちらにあるのか分類することが必要です。プラスの財産だけでなく、借金などマイナスの資産についても把握しておかなければトラブルが起きやすくなります。

確認した資産をどのように分けるか、会社で引き続き保有する資産と新たな経営者個人に渡す資産、相続人の共有財産など後で揉めないように分類を決めておくことが必要です。

トラブルになりそうなときには、相続時精算課税制度による贈与も活用することを検討しましょう。65歳以上の親から20歳以上の子に対し贈与するときには、最大2,500万円までの贈与税を非課税とし、後の相続発生時に先送りすることができます。

 

株式に関連するトラブル

自社株式を現経営者以外の方が大量保有しているときにはトラブルが起きやすいので注意しましょう。

現経営者が自社株式を大量に保有していれば譲渡に関する問題は起きませんが、現経営者である親から子に譲渡するときには相続税が発生します。

そこで、株式を誰がどのくらい保有しているのか把握し、仮に経営に関係のない個人が大量保有しているときには、一定数を買い取るなど経営権を揺るがされることのない対策を取っておくようにしてください。

 

株式は譲渡・売却・贈与のどれを選ぶか

事業承継で株式の所有者をどのように変えるのかにより、トラブルが起きる可能性は変わります。

たとえば子へ相続により株式を保有させたいけれど、実際には会社の株価が高く多額の相続税が発生し、銀行から融資を受けなければ納めることができなくなるケースもあるからです。

納税資金の確保にお金を借りたり自宅を売ったりなど、金策に奔走しなければならなくなることは後継者も望んでいるはずはありません。

事業承継の準備ができていない状態で現経営者が急逝したときには、兄弟姉妹や役員との間で派閥争いが起きる可能性もあります。

事前に遺言などで準備をしておくなど、専門家を頼りながら対策を行っておきましょう。

 

後継者がモチベーションに関するトラブル

後継者に会社を引き継いだ後でも、引退した経営者が特定の役職につき、新たな経営者をサポートするケースもあります。

しかし引退した経営者があまりに口を出しすぎてしまうと、新たな経営者の会社経営に対するモチベーションを低下させてしまいます。

まだ十分に会社経営に慣れていない新経営者と違い、これまで事業を営んできた先代後継者は会社のことを詳しく知っているでしょう。

ただあまりに経営に関係しすぎてしまうと、最終的に意思決定者となったはずの新経営者の立場がありません。

今後の成長のためにも、新たな経営者に色々な経験をさせる立場として見守るようにしましょう。

 

まとめ

事業承継がスムーズに進まない背景にはいろいろな要因がありますが、トラブルが起きてしまうと会社経営を継続できなくなる可能性もあります。

そもそも事業承継は、その後の事業を円滑に進め従業員の雇用などを守るために必要なことです。

そのため、会社を存続させる決断をしたのであれば、早めに後継者を決めスムーズに事業の引き継ぎができるような準備をしておくようにしましょう。

トラブル回避には、後継者問題や事業承継への取り組みを行い、後継者候補が見つからないときにはM&Aの準備を行うことが必要です。

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