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コロナ禍で思い切った計画に挑戦したい事業再構築補助金の申請を!

事業資金2021/06/28

新型コロナウイルス感染拡大の影響で売上が激減し、業績悪化したものの生き残り策を計画したいという場合に挑戦したいのが「事業再構築補助金」です。

たとえば以前から業態転換を考えていたため、コロナ禍を遭えて好機ととらえて計画を立て、チャレンジしたいという経営者が活用できるのが「事業再構築補助金」の特徴といえます。

最大で1億円という金額が補助されることから、事業計画を立てなおし逆境から起死回生を狙うこともできます。

そのためには説得力のある事業計画書を作成し、補助の対象となることが必要なため、具体的にどのようなことに注意し申請すればよいのか解説していきます。

 

事業再構築補助金の内容

事業再構築補助金は、コロナ禍で売上が減少してしまった事業者が事業を再構築し、新製品を開発したり新規事業に取り組んだりという場合に補助される制度です。

 

対象となるのは、

 

  • ・2020年10月以降の連続する6か月間の中で、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同3か月の合計売上高と比較したとき10%以上減少している中小企業など
  • ・自社の強みや人・モノなど経営資源を活かしながら、経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関等と策定した中小企業など

 

などです。

 

コロナ禍で売上が減った中小・中堅企業が対象ですが、上記の認定経営革新等支援機関とは経済産業大臣が中小企業を支援きる機関として認定した機関で、全国3万以上の金融機関・支援団体・税理士・中小企業診断士などがその認定を受けています。

 

事業再構築補助金の補助金額

事業再構築補助金で支給されるのは、通常枠緊急事態宣言特別枠のどちらで申請するかにより異なります。

 

通常枠の補助率と補助金額

 

  • ・中小企業…補助率2/3・補助金額100万円以上6,000万円以下
  • ・中堅企業(中小企業に該当しない資本金10億円未満の企業)…補助率1/2(4,000万円超は1/3)・補助金額100万円以上8,000万円以下

 

資本金など定めのない中小企業に該当しない企業の場合、従業員2,000名以下が要件となります。

 

緊急事態宣言特別枠

令和3年の緊急事態宣言に伴って時短営業の影響を受けたことにより、2021年1~5月のいずれかの月の売上高が、前年または前々年の同月比30%以上減少していれば緊急事態宣言特別枠で申請が可能です。

 

  • ・従業員数5人以下の場合…補助率中小企業3/4、中堅企業2/3・補助金額100万円~500万円
  • ・従業員数6~20人の場合…補助率中小企業3/4、中堅企業2/3・補助金額100万円~1,000万円

 

補助金申請用の事業計画書作成方法

どのような補助金を申請する場合でも、事業の説明ができる申請書を作成することがポイントとなります。

申請後の審査では、事業について申請書で判断することになりますので、説得力のある事業計画書を作成することが必要といえるでしょう。

その中でも事業再構築補助金は、コロナ禍の影響により業績が悪化した中小企業などを救う手段としての制度です。

新型コロナが収束した後を見据えて、新たな分野へ展開したいときや業態転換などを図るときにも使えることが特徴といえます。

中小企業は最大1億円補助を受けることができるため、有効活用したい補助金の1つではあるものの、事業計画書を作成するにあたり次のポイントを理解しておく必要があります。

 

事業再構築補助金で事業計画書を作成するときのポイント

事業計画書の容量は、A4サイズ15枚以内(補助金額1,500万円以下であれば10枚以内)という範囲で作成することが決められています。

ただ様式は特に定めがないため、作成にあたり迷いが出てくる場合もあるでしょう。

 

そこで事業計画書を作成するにあたり

 

  • ・補助事業の具体的な取り組み
  • ・将来の展望
  • ・本事業で取得する主な資産
  • ・収益計画

 

といった内容を盛り込むことを意識してください。

 

具体的な取り組みや将来の展望を13枚程度で、本事業で取得する資産と収益計画を1枚ずつにまとめるようにします。

図や画像なども含め、事業を再構築する投資内容を詳細に記述していくと枚数が足らなくなることもありますので、それぞれの項目でボリュームが偏りすぎないことを意識し作成することがポイントです。

15枚(または10枚)以上でも審査はしてもらえますが、公募要領でページ数の上限が指定されている以上、原則指定ページの範囲で作成することが望ましいといえます。

申請はすべてオンラインで行うため、作成した事業計画書はPDF形式へ変換し、電子申請システムで添付し提出します。

 

認定支援機関と策定することが必要

事業再構築補助金の事業計画書は、経営者が独自で作成するのではなく認定支援機関と協力しながら策定しなければなりません。

商工会・税理士・経営コンサルタントなど、認定支援機関である経営のプロに相談し、新規事業や業種転換により事業の成長を説明できる事業計画書を作成するようにしましょう。

申請の際には認定支援機関の確認書を提出することが必要なので、仮に経営者が自力で作成しても認定支援機関の監修を受けることが必ず必要です。

また、補助金額が3,000万円を超えるなら金融機関にも協力してもらいながら事業計画書を作成していくことになります。

事業再構築補助金は認定支援機関から支援を受けて申請することになるため、具体的な事業計画の策定を経営者が自力で完結する必要はありません。

認定支援機関から適切なアドバイスを受けながら計画を立てていくことになりますが、申請にあたり重要となるポイントは事前に把握しておきましょう。

補助金を申請した後の審査で確認される項目については、経済産業省の事業再構築補助金ページに公表されていますのでチェックしておくと安心です。

補助金が支給対象となる事業展開方法

事業再構築補助金が支給される対象となる事業の展開方法は、主に次の5種類です。

 

  1. 新分野展開…新たな分野に事業を展開するとき
  2. 事業転換…事業分野を変更するとき
  3. 業種転換…業種を異業種に変更するとき
  4. 業態転換…業種はそのままで業態の変更を行うとき
  5. 事業再編…吸収分割など会社法上の組織再編行為を伴うとき

 

補助金獲得につながる事業計画書作成のポイント

事業計画書では合理性があり説得力が感じられる内容であることが求められますが、次のポイントをカバーできていることを確認しながら作成をすすめていきましょう。

 

補助事業の具体的な取り組みについて

  • ・事業の現状
  • ・強みと弱み
  • ・機会と脅威
  • ・事業環境
  • ・事業再構築の必要性
  • ・事業再構築の具体的内容
  • ・補助事業で実施する新分野展開や業態転換
  • ・事業または業種転換などの取り組み
  • ・事業再編またはこれらの取り組み

 

などを具体的に記載していきます。

 

必要に応じて図表を用いながら、

 

  • ・投資する建物建設や改修
  • ・機械装置などの取得時期と型番
  • ・導入する技術導入
  • ・専門家の助言内容
  • ・研修時期

 

などについても詳細なスケジュールを記載するようにしてください。

その上でどの枠で応募するのか、事業再構築の種類などに応じた事業再構築指針に沿う事業計画を作成します。

補助事業によりどのように差別化され競争力を強化できるのか、方法や仕組み、体制なども具体的に記載していくことが必要です。

また、既存の事業を縮小・廃止するときや従業員の解雇を伴うときには、再就職支援計画など従業員に対する配慮についても記載します。

 

将来の展望について

事業化に向けて想定している市場および期待される効果について説明します。

対象となるマーケット・ユーザー・市場規模などを記載し、成果の価格・性能などの優位性と収益性、抱える課題やリスクと解決方法なども記載していきます。

また、成果の見込みについて目標となる時期と売上規模、量産化するときの製品などの価格についても簡潔に記しておきましょう。

 

本事業で取得する主な資産について

事業によって取得する資産について、

 

  • ・分類
  • ・取得予定価格

 

など記載します。

 

収益計画について

事業を実施するスケジュールと資金調達計画などについて具体的に記載していきます。

収益計画表に付加価値額を記載しますが、算出した金額の根拠を示すことも必要となります。

 

事業再構築補助金の審査で加点となる項目

事業再構築補助金は、申請後の審査で採択されるかにより支給されるかが決まります。

まずは審査に通過することが必要ですが、そのためには公募概要に記載のある審査項目を網羅できている計画を作成しなければなりません。

そこで、審査項目や加点項目として事前に明記されている次の項目をクリアできる事業計画書の作成を意識しましょう。

 

補助対象事業として適格性が認められるか

補助金が支給された後、3~5年の計画において付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の年率平均が3.0%以上にならなければ認められません。

 

新規事業に計画性や将来性があるか

策定した事業計画を実行する上で必要となる人員や財務体制が整備されているかがポイントです。計画を実現させる上で十分といえる市場規模やマーケットがあると認められる必要があります

 

大胆な事業再構築で新型コロナによる緊急性が認められるか

これから行う事業の再構築は思い切った内容となっているか、そして経営が悪化しているのは新型コロナウイルス感染拡大の影響によるものかなど確認されます。

たとえば飲食業で喫茶店を経営しているのなら、飲食スペースを縮小し新しくテイクアウト販売を実施することや、居酒屋経営ならオンライン専用注文サービスを新しくはじめて宅配・テイクアウトの需要に対応するといったことが挙げられます。

衣服販売業ならネット販売などのサービス事業へ業態転換することや、高齢者向けデイサービスが一部事業を他社へ譲り医療機関向けの給食サービスを新規で始めるといったことです。

タクシー事業が一般貨物自動車運送事業許可を取得し、食料宅配サービスを始めるといったときにも使えます。

そして自社の強みと市場ニーズがかみ合っているかなどもチェックされることとなると留意しておいてください。

 

新規事業の内容と優良性について

新規事業が先端技術を活用したものか、差別化できているか、地域雇用創出や経済成長につなげることのできる計画かなどを確認されます。

 

加点項目

加点項目として挙げられるのは、

 

  • ・令和3年の緊急事態宣言の影響で、2021年1月~3月のいずれかの月の売上高が前年(または対前々年)同月比で 30%以上減少していること

 

という条件を満たし、2021年1月~3月のいずれかの月固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同期間に受給した協力金額を上回ることも必要です。

なおこの加点項目は、エビデンスとなる添付書類を提出し、要件に該当するときにのみ加点の対象となります。

2次公募からは、

「データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行うEBPMの取組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであるか」

という項目が追加されており、チェックを入れるだけで加点の対象とされます。

 

無事に採択されてもそれで終わりではないことに注意

無事、採択されたとしても認定支援機関から助言を受け、計画に基づく事業を進めることが必要です。

補助金が採択された後で必要となることは、

 

  • ・経営状況などの年次報告(5年間)
  • ・補助金で購入した設備の処分・売却は事前に事務局の承認を受ける

 

ことが必要です。

 

また、補助金の使途が当初の予定と異なる用途でないか事務局や会計検査院の抜き打ち検査が実施されることもあります。

補助金で購入した設備などの管理ルールから逸脱した管理が行われていた場合には、支給された補助金を返還しなければならないため注意してください。

事務や事後対応に不安がある場合には、長期的に信頼関係を築き事後も適切にサポートしてくれる認定支援機関を選ぶことが必要です。

 

まとめ

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、様々な業界や業種が悪化する経営に苦しい状況となっています。

コロナ禍をきっかけに新たな分野への展開や業態転換、事業の再編を図るときなど思い切った事業の再構築を狙うのなら、事業再構築補助金を申請することをおすすめします。

第2回公募の締切は2021年7月2日18:00までとなっていますが、さらに3回目も実施されることが予定されています。

もし7月の申請に間に合わないときには3回目の公募がいつになるのか、事業再構築補助金ホームページなどを確認しながら、最新の情報を取得できるようにしておきましょう。

複数回に渡り補助金の交付を受けることはできないため、採択結果の公表前に重複して申請は不可となります。ただ、公募で不採択であったときには、採択公表日以降に申請は可能です。

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