銀行が融資したくなる事業計画書の作成方法とは?

2021/02/15
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事業計画書は、銀行から融資を受けるときだけでなく、補助や助成などの制度で資金調達する際にも必要となる書類です。

作成するきっかけとしては銀行から融資を受けて資金調達したいときがほとんどですが、独自で事業計画書を作成しようとしてもむつかしく感じることもあります。

特に銀行の融資審査では様々な書類の提出を求められることとなり、事業計画書もその1つですが具体的にどのように作成していけばよいのでしょう。

そこで、銀行が融資したいと感じる事業計画書を作成するにはどうすればよいのか、押さえておきたいポイントなどをご説明します。

 

銀行の融資審査でも事業計画書は重視される

銀行は提出された決算書の数値から分析を行い、企業を格付け融資の可否などを判断します。

ただ、決算書の内容だけで融資可否を判断するのではなく、ほかにも様々な書類の提出を求め総合的に決めていくこととなりますが、その書類の1つが事業計画書です。

事業計画書に記載されている内容から、事業が成功し借りたお金の返済原資を生むことができるのか、将来性などを判断し融資可否を決めることとなります。

特に中小企業の場合、決算書の数値だけで判断されると融資を受けにくくなることもあるため、事業計画書はとても重要な書類になると認識しておきましょう。

 

銀行の融資審査で提出を求められる書類とは?

銀行からお金を借りようと申し込みを行った場合、銀行の融資担当者から審査で必要となる次の書類の提出を求められることになります。

どのような書類が必要となるのか、それぞれで押さえておきたいポイントなどを確認しておきましょう。

 

決算書

銀行融資の際に、決算書は必ず提出を求められます。

融資の可否や金額は企業の格付けにより決まりますが、この格付けは「定量的評価」「定性的評価」の2つで判断されます。

定量的評価は決算書の内容で判断され、定性的評価は経営者の姿勢などが評価に影響することとなります。

重視したいのは定量的評価であり、決算書を分析した上で評価が決まることから、その内容次第で融資を受けることは困難になってしまいます。

 

試算表

試算表は決算書作成前の集計一覧表であり、月ごとや期の途中経過などの損益を確認するためのものです。

決算月から3か月以上経過しているタイミングで融資の申し込みを行う場合、担当者から提出するように求められることが多いくなります。

 

資金繰り表

資金繰り表は現金の収支をまとめた表であり、一定の区分や科目に基づいて一定期間の現金の動きや実態を把握するために作成します。

日々作成することにより、資金が不足してしまうことを防ぐことができますが、実際に会社にどのくらいの現金があるか把握するため提出を求められると認識しておきましょう。

 

事業計画書

事業計画書はこれから始める事業などが、今後数年に渡ってどのような経営となり利益を生み出していくのか、道筋を示す書類といえます。

5~10年の損益計画や資金計画、そしてどのように実現していくかなど記されることとなります。

事業計画書は会社や事業の成長性を確認し、貸し付けた資金と利息を返済してもらうことが可能か、銀行が判断するために提出を求められます。

どのように事業展開していくのか、戦略として考えていることなどを銀行が把握し、その内容に納得すれば融資をしたいと感じてもらえるはずです。

 

事業計画書作成のポイント

銀行から融資を受ける際、資金を貸し付けたいと感じてもらえる事業計画書を作成するためにも、まずは担当者が確認するポイントを把握しておきましょう。

ただ、魅力ある会社や事業と感じてもらうと、過度なアピールや実現できない内容を記載しても審査は通りませんので注意してください。

 

経営理念の記載は必須

経営理念とは、事業の管理・遂行でどうあるべきかという根本的な考えや道筋のことで、最終的に目指す理想を明文化したものといえます。

抽象的なイメージのため、銀行から融資を受けるときに特に重視されることはないだろうと考えがちですが、売上規模や経常利益が多い会社ほどしっかりとした理念を掲げているものです。

銀行の融資担当者でも、まずは経営理念から確認するケースもあるため、しっかり検討し事業計画書に記載しておきましょう。

 

精度の高い説得力のある数値の記載を

事業計画書に記載する数値は予想も含まれますが、できるかぎり正確で精度の高い数値が必要です。

そして記載された数値は、整合性が取れている説得力のある目標や戦略であるものでなければなりません。

売上や利益の目標を単に数字で記せばよいわけではなく、目標達成の課題は何か、その問題を解決する方法なども具体的に示すことが必要です。

具体的な計画を作成することで、事業における経営指針にもなるためしっかり検討していきましょう。

 

実現できる計画を示すこと

銀行の融資担当者は、貸し付けた資金が何に使われ、どのような資金計画で返済されるのか確認していきます。

そのため事業計画書に記載された目標や数値は夢物語では意味がなく、実現可能なものでなければなりません。

これまでの事業内容やその規模と整合性が合っているかも確認されますので、身の丈に合わない高い目標を掲げてしまうのは逆効果です。

高い目標を掲げる場合でも、実現できる見込みとなる根拠を説明できなければならないと留意しておきましょう。

また、業界独自の専門用語ばかりを記載してしまうと、銀行担当者が見ても判断できない内容になってしまいます。

自社が所属する業界以外の誰が見てもわかる内容で記載することに加え、膨大な資料になりすぎない配慮も必要です。

 

事業に対する熱意もしっかり伝える

経営理念と同じく、経営者の姿勢や従業員のモラルなども融資可否の判断材料となります。

事業を成功させたいという思いや熱意などを自らの言葉で表現し、事業計画書に記載しておきましょう。

 

事業計画書の具体的な記載内容

事業計画書は決まった書式やフォーマットはないため、作成しやすい形で作っても問題ありません。ただ、先に述べた作成のポイントと合わせて、次の項目は必ず記載しておくようにしてください。

 

会社概要

会社名・所在地・代表者・設立日・資本金・株主構成・主な事業内容・従業員数など列挙しておきます。

なお、まだ創業して年数が経過していない場合には、経営者の経験・能力・人柄などを確認してもらうためにも、経歴について記載しておくとよいでしょう。

 

経営理念(ビジョン・目的)

事業の目的や、事業を行うことで何を実現させていきたいのか記載します。

抽象的な言葉ばかり使ってしまうと、内容が把握しにくく実現可能な事業か判断できなくなるため、具体的な内容で記載することが必要です。

具体性がなく、実現可能か判断できない事業計画書を提出しても、銀行は融資をしたいとは感じないと認識しておくべきといえます。

 

販売する商品または提供するサービスの強みや特徴など

事業により販売する商品や提供するサービスなどについて記載しますが、顧客ニーズの高いものであることが重要です。

商品またはサービスがどのくらい顧客にとって価値のあるものか、ニーズの高さなどはもちろんのこと、競合他社と比べたときの強みなども記載していきます。

自社独自の強みや特徴をアピールすることで、より将来性が期待できる事業と認められることとなるでしょう。

なお、ターゲット層は広すぎず狭すぎないことを基本に、エリア・年齢層・家族構成などを設定していきます。

 

市場環境や競合

事業の関係する市場環境や競合なども分析し記載が必要です。これは融資を受けるためだけでなく、事業を続ける上で経営者自身が事業環境を理解しておくことにも大切なことといえます。

 

数値計画

事業計画では数値計画がメインとなりますが、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフローなどそれぞれで計画を立てていきます。

資金計画のシミュレーションだけでなく、あらわした数値を実現させるための戦略を反映させていくことが必要です。

財務計画のゴールとなる目標数値や、得意先ごとの売上、長期資金計画なども盛り込んで記載していきましょう。

 

販売計画

商品の販売またはサービスを提供する手段とそのために発生する経費を示すのが販売計画です。

材料や部品を仕入れ、工場などで加工・製造するといった過程でも経費は発生します。そして開発や研究、試作品の作成などにも費用がかかる上に、実際に販売する上での広告宣伝にもコストは発生することとなります。

販売にかかる経費を分析し、売上として計上できる予想との損益分岐点を出しておくことが必要です。

 

損益分岐点とは

損益分岐点とは、売上高と費用の関係が等しい状態であり、発生する費用を収益でカバーできた損益「ゼロ」の売上高のことです。損益分岐点移行は利益が出ることをあらわします。

損益分岐点売上高=固定費÷{(売上高−変動費)÷売上高}

という計算式で算出できますが、変動費として挙げられるのは材料費・仕入原価・外注費・販売手数料などで、固定費として挙げられるのは地代家賃・人件費・リース料・広告宣伝費などです。

 

仕入先や生産方法

商品を販売するためにはどのように調達するのか、その仕入れ先が必要です。

仮に商品のニーズが急激に上がり、売上が好調となっても仕入れ先が決まっていなければ販売ができなくなり、ビジネスの機会を失うことになります。収益を見込めることを示すため、仕入れの方法や数量・価格なども記載しておきましょう。

また、自社生産するには生産数量や製造原価など生産計画が必要です。

 

売上と利益の見込み

上記を根拠とした年間の売上と利益の見込みを記載します。予想を立てるときには、たとえば1日ごとや1か月ごとなど、数字を積み上げ年間予想として表示します。

 

組織の体制

中小企業の場合には限られた人員で運営することとなりますが役割分担は必要となるため、それぞれが担当する業務の範囲など決め明確しておきましょう。

 

返済計画

最終的に銀行の融資担当者が知りたいのは、先にも述べたとおり貸し付けた資金が何にどのように使用されるのか、そして返済が確実に行われるかです。

銀行はこの返済計画により、返済原資を生み出す能力があるのか、元金と利息を遅れず返してもらえるかを判断します。そのため銀行から融資を受けるときの絶対条件を記載することになると認識しておきましょう。

試算表や資金繰り表などを参考に、毎月どのくらい返済が可能であり、返済原資を捻出できることを具体的に記載していきます。

とはいえ不測の事態が発生する可能性もあるため必ず計画書通りとは限りません。希望的観測だけで計画を立てても、銀行から見れば現実味に欠けると判断される可能性もあるため、厳しく見積もり余裕のある返済計画を立てておくことが必要です。

 

連帯保証人や担保があれば返済計画は必要ない?

銀行から融資を受けるとき、中小企業の場合には担保や保証人を求められることが一般的です。万一返済が滞ったとき、貸し付けた資金を回収する備えとして要求されることとなりますが、この場合でも返済計画は必要です。

 

まとめ

銀行から融資を受けるときには事業計画書を提出することになりますが、資金調達を成功させるためには先に述べたポイントをしっかりと押さえた上で作成していきましょう。

多額の資金を貸し付ける上で、銀行は貸したお金を確実に返してもらえるかどうかを気にしています。

そこで最終的に返済計画を立てるために、

  • ・毎月の売上の見込み
  • ・毎月発生する経費の予想
  • ・毎月のキャッシュフロー(返済原資)
  • ・どのくらいの期間で返済するか
  • ・毎月どのくらい返済するか

を考えていきましょう。

毎月返済する金額をキープしたままで、経営は破綻しないのか、納税などに問題は発生しないかも確認してください。

事業計画書に記載されている経営であれば、事業の実現性が高く計画通りに返済が可能であると、銀行担当者を納得させることができる内容でなければなりません。

銀行から融資を受けるには提出する事業計画書の内容がその結果を大きく左右することとなるため、経営者が独自で作成するのは不安を感じることもあるでしょう。

この場合、資金調達の専門家などであれば細かくアドバイスしてもらうことも可能なため、もし事業計画書作成や資金の調達方法で心配があるなら相談してみることをおすすめします。

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