売掛金の回収には裁判が必要?適切に不払いを解決する方法とは

2020/11/06
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取引先から売掛金の支払いがない場合、回収するため裁判手続きを検討することもあるでしょう。

しかし裁判となれば費用も時間かかるため、できるだけ余計な出費をせず早期に売掛金を回収する方法としては適していません。

ただ、売掛金の回収が遅れてしまうと他の債権者の支払いが優先されてしまう可能性もあり、裁判をしたほうがよいと考えてしまうものです。

そこで取引先から入金がない場合、裁判を検討する前にまず何をするべきか、適切な売掛金回収の方法をご説明します。

 

取引先から売掛金が回収できないときまず行うこととは?

期日になっても取引先から売掛金が入金されないというケースはめずらしいことではなく、たとえば相手が請求書の確認を忘れていることもありますし、入金したと勘違いしていることもあります。

その場合には、取引先に連絡すればすぐに入金してもらい、解決できるでしょう。

しかし相手にそもそも売掛金を支払う意思がない場合は、裁判など法的手続きも必要になる場合もあります。

いずれにしても取引先に問い合わせ、なぜ支払いが遅れているのかいつなら支払うことが可能なのか確認しましょう。

いくら売上や利益が上がっていても、手元の資金が増えなければ資金繰りは悪化します。

 

裁判の前に行っておくべきこと

取引先に何らかの事情があって売掛金の支払いがされない場合や、そもそも相手に支払う意思がない場合には、回収不能となる前に次のことを対策として検討することが必要です。

 

内容証明郵便で催促を

売掛金の未回収が発生した場合、取引先に支払ってほしいと請求しても入金がされない場合には、内容証明郵便で催促することが一般的です。

弁護士などに相談した場合でも、まずは内容証明郵便での催促を回収方法として提案されますが、これは売掛金という債権の時効を一時的に中断させることが可能だからといえます。

内容証明郵便とは発送する文書の内容や、誰から誰に対しいつ差し出したかなど、郵便局が証明してくれる特殊な郵便制度です。

相手に対し、心理的なプレッシャーを与えることもできるため、法的な拘束力はないものの売掛金回収につながりやすくなります。

後で裁判になったときにも、内容証明郵便が請求の証拠となるため必ず発送したほうがよいといえます。

 

新たな出荷は停止する

売掛金の回収遅延が発生しているのに、また新しく商品を出荷してしまうとさらに未払いの売掛金を増やすことになります。

そのため取引先には、遅延している支払い分を入金してもらえるまで、新たな出荷はできないと伝えましょう。

その上で交渉し、すでに発生している売掛金を回収するようにします。

その後、取引が続くことを考えれば関係をできるだけ悪化させないことも必要なので、裁判などの手続きを避けるためにも必要な方法です。

しかしあくまでも双方が任意による話し合いを行うことになるため、交渉が決裂する可能性もあると留意しておいてください。

 

相殺できる債権がないか確認を

売掛金が発生している取引先が、自社にとって買掛先でもあり、まだ支払っていない買掛金があるのなら相殺できないか検討してみましょう。

もし相殺可能な買掛金がある場合、内容証明郵便で相殺の通知を送付することが必要となります。

 

内容証明郵便を送っても効果が見込めない場合

取引先と結んだ契約の中に即時解除条項がある場合には、倒産など経営破綻したときに契約は即時解除できます。

そのため売掛金が支払われない場合でも、契約条項に従い契約を即時解除させ、すでに引き渡してある商品は回収可能です。

取引先と契約書を交わしていないケースや、契約書の中に即時解除条項がない場合でも、取引先から承諾を得て同意書を作成すれば商品を回収できます。

 

売掛金が消滅時効を迎えてしまう前に

売掛金は売掛債権の1つであり、未回収の代金を請求する権利です。しかし消滅時効があるため、一定の時期を迎えるとその権利は消滅します。

取引先が売掛金を払ってくれない状態が続き、時効を迎えてしまうと回収不能となり、踏み倒しされてしまう可能性もあるため注意しましょう。

売掛債権の時効は従来まで、売掛金の種類によって時効となる時期は異なっていました。

しかし2020年4月1日に改正民法が施行されたことで、

  • ・権利を行使することができることを知った時から5年

統一されています。

ただ、事情により売掛債権を行使できることを知らなかった場合は、権利を行使できるときから10年となります。

ちなみに2020年4月1日よりも前に発生している売掛債権の消滅時効は次のとおりです。

  • ・時効期間1年…宿泊料・運送費・飲食代金など
  • ・時効期間2年…月謝や教材費・製造業・卸売業・小売業の売掛金など
  • ・時効期間3年…診療費・建築代金・設計費・工事代金・自動車修理代など
  • ・時効期間5年…上記以外の商取引で発生した売掛金

 

時効の進行を止める方法

内容証明郵便で請求することにより、時効は一時的に中断されます。ただ、時効の完成をとめることができるのは6か月間だけです。

他にも時効を中断させる方法として、債務の承認があげられます。これは取引先が未払いの売掛金の存在を認めることを指しており、売掛金の一部を支払うという行為でも存在を認めたことになります。

そのため取引先に債務の承認をしてもらうとよいですが、口頭だけでは証拠が残りにくいため注意してください。

 

その他裁判所などに協力してもらう法的手段も有効

売掛金を回収するためには裁判をする前に、裁判所に協力してもらえる法的手段がありますので検討しましょう。

 

人的担保を確保

取引先の代表者などに保証人になってもらうなど、人的担保を確保することも有効です。

 

売掛金について公正証書を作成

公証役場で公正証書を作成することで、未払いの売掛金を裁判所の判決なしで強制執行できます。ただし公正証書を作成する場合には、取引先も含め双方で公証役場に出向くことが必要とるため、協力を得ることが必要です。

 

裁判所から売掛金の支払督促を送付してもらう

正式な裁判をしなくても、裁判所から取引先に未払の売掛金を支払うように命じる督促状を送付してもらうことができます。

 

裁判官などに仲介してもらう民事調停

裁判官・調停委員が当事者間を仲介する形で、それぞれの主張を調整しながら和解成立に向けた話し合いの場を設けてくれる制度です。

 

売掛金が少額なら少額訴訟

売掛金の請求金額が60万円以下の場合には、簡易裁判所で1回の期日で審理を終え判決することを原則に裁判手続きが可能であることがメリットです。

 

裁判による判決次第で強制執行も可能

裁判による判決などに基づき、裁判所の執行官が強制的に行う手続きです。

 

最初から裁判で売掛金を回収しようとしないこと

売掛金が回収できない場合、早く裁判をしなければ!と焦って手続きをしないことです。

契約書など証拠が揃っており、取引先が争ってこないと予想されるのなら、支払督促や少額訴訟などの検討が望ましいでしょう。

特に売掛金が少額の場合、回収にかかる費用はできるだけ抑えなければ、回収できても手元に残るお金は少なくなってしまいます。

費用を抑えて早期に売掛金を回収する方法としても、支払督促と少額訴訟は有効です。

 

売掛金を裁判以外で回収したいなら

取引先から期日に売掛金が支払われない場合や、遅れてしまうことで資金繰りは一気に悪化してしまいます。手元の資金が不足すれば、補填するために銀行から融資を受けることなど、何らかの方法で資金調達しなければならなくなるでしょう。

しかし銀行融資は申し込みから審査、融資実行まで一定の時間がかかるため、すぐそこまで迫っている仕入れ代金や経費などの支払いに間に合わなくなる可能性もあります。

そのような切羽詰まった状況にまってしまう前に、売掛金をファクタリング会社に売却し、現金化するファクタリングを利用しておけば期日を待たずに手元のお金を増やすことができます。

ファクタリングは売掛金の回収を代行してもらえる方法といえ、回収業者に依頼する感覚で利用できます。

ただ、利用する際にも審査が行われるため、信用力の低い取引先の売掛金は買い取ってもらえない可能性もあります。さらに手数料もかかるため、本来入金される金額よりも目減りすることは避けられません。

しかし事前にファクタリングを利用し、現金化しておけば売掛金未回収でイライラすることもありませんし、何よりも管理の手間が省けるはずです。

審査で取引先の信用調査も行われますので、与信管理にも活用できることがメリットともいえるでしょう。

 

まとめ

期日になっても取引先から売掛金が入金されない場合、どのような方法で回収すればよいのか迷ってしまうものです。

このまま回収できないまま、取引先が倒産し貸し倒れとなる可能性も頭に入れておかなければなりません。

しかしそうなる前に、早期に回収できるようまずはなぜ遅れが発生しているか取引先に確認しましょう。

取引先との関係が悪化し、今後の取引に影響のないよう、まずは交渉から始めることがおすすめです。

それでも入金してもらえない場合には、裁判以外にも様々な法的手段がありますし、法的手続きよりも前にできることはあります。

スムーズに売掛金を回収するためにできることからはじめていきましょう。

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