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国運営の金融機関なのに融資がおりない理由とは?

事業資金2019/03/22

事業資金を借り入れるとき、金利が安く中小企業でも借りやすいとされる国が運営している日本政策金融公庫からの融資を検討することは得策です。

日本政策金融公庫は、国が100%出資している金融機関ですので、国の目標とする政策により運営方針なども影響すると考えられる金融機関でもあります。

ただ、長期に渡り経済を活性化させる必要があると考えている国の考えが運営方針に反映されているので、民間の金融機関では融資がおりない中小や零細企業、個人事業主や創業者にも積極的に融資を行います。

しかし、その日本政策金融公庫に借り入れを申し込んでも、融資がおりないという場合、何が原因なのでしょう。

そこで、日本政策金融公庫の融資制度を利用するときに注意しておきたいポイントについてご説明します。

 

日本政策金融公庫の融資がおりれば信用力は高まる

日本政策金融公庫の融資制度いろいろありますが、資金市場の需要関係や政策により変わるものの、いずれも1~2%前後の金利設定です。さらに、担保や保証人を準備することなく融資を受けることができます。

融資がおりた後はしっかり返済を続ければ実績を作ることができ、民間の金融機関も企業の信用力を認めるようになるため、融資を行おうとする傾向がみられます。

経済を活性化させるためには、日本の開業率を高めて行くことが必要となります。そのため、創業融資は無保証で低金利という融資が基本です。

まずは新創業融資制度や中小企業経営力強化資金で融資を受け、実績を作り売上や収益をあげるようになれば、民間の金融機関から新たな事業開拓資金や設備投資資金を借り入れるという形が一般的です。

 

融資がおりなかった場合にはその理由を追及してみること

日本政策金融公庫などで借り入れを申し込んだけれど、融資がおりないという場合や、希望した金額が減額された上での融資となる場合には、ある程度、その理由を教えてもらうことができます。

多くは、保証人を設定しているケースでは不適格者であると判断された場合や、制度融資の対象ではない業種だった場合、事業計画や売上高に対して申込金額が大き過ぎた場合、自己資金が不足している場合などです。

 

要件を満たした上での申し込みか確認を

日本政策金融公庫では、融資制度の申し込みにあたり、対象とする方の要件が明確に決まっています。要件を満たしていなければ、いくら申し込みを行ってもそもそもの審査の対象にはなりません。

たとえば、融資対象の業種、融資の資金使途、企業規模、営業年数、本店所在地以外での申し込み、個人での業務経験、許認可の必要性など、申し込む融資制度によって求められる要件は異なりますが、満たした上での申し込みか確認しましょう。

 

自己資金が少ないと融資はおりないのか

たとえば創業資金の融資制度を利用する場合、自己資金は多い方がその後、資金を必要とする場面でも有利です。

創業融資を無担保・無保証で利用できる新創業融資制度では、創業資本の10分の1自己資金を準備する必要があるなど、要件を満たすことが求められます。

できるだけ多く準備したほうが、創業に対する意気込みとして融資担当者の受ける印象もよくなることは間違いないでしょう。

また、新創業融資制度の条件として、自己資金を準備する要件以外に、勤務経験や習得技能の要件も設けられています。

融資制度を利用できる要件として、

・雇用の創出を伴う事業を開始する方
・技術やサービスなどを工夫しながら多種多様なニーズに対応できる事業を開始する方
・現在勤務している企業と同業種の事業を開始する方で、勤務先企業に継続6年以上勤めている、または現在の企業と同業種の企業も合わせ通算6年以上勤めている方
・大学などで修得した技能などと密接に関連する職種に継続年以上勤めている方で、その職種と密接に関連する業種の事業を開始する方

などといった要件が他にもいろいろ設けられています。

いずれにしても、融資制度を利用できる対象とする方は、一定の経験がある方でなければならないということです。

 

見せかけだけの自己資金は疑われる要因に

自己資金が急増した場合には、見せかけだけの自己資金と疑われることになり、融資がおりない可能性も出てきます。

要件を満たすための自己資金に不足が生じているため、一時的に親や親族、友人などからお金を借りて通帳に入れる行為は、融資審査ですぐに疑われてしまうと理解しておきましょう。

 

創業計画書を作成するときの前提

融資を申し込む際には事業計画書を作成することが必要ですが、たとえば創業計画書であれば、日本政策金融公庫のホームページに掲載されている記入例の内容をそっくり真似して作成したり、空白が多い内容となっている場合は融資がおりない可能性があります。

また、外注依頼して作成を丸投げする行為も言語道断です。

創業計画書で、融資担当者は開業するにあたり、どのくらい熱意を持ち、実現できる内容になっているかを確認します。

そのため、空白があれば思うように説明はできないでしょうし、コンサルタントや税理士などに丸投げすると融資担当者に質問されても数字の根拠などをこたえることができなくなります。

コンサルタントや税理士などの専門家に相談する場合でも、あくまでも一緒に作成する ことが必要といえます。

 

共同経営者で会社を設立する場合の自己資本

もし複数名が共同経営者となって共に出資を行い、会社を設立した上で事業を開始するという場合は、共同経営者それぞれからの資金を新創業融資制度で準備しなければならない自己資金に充てることもできます。

なお、共同経営者であることが後のトラブルに発展することも考えられますので、それぞれが出資を行うのなら、役員にも就任しておくようにしましょう。

個人として事業をスタートさせるのではなく、会社を設立することは事業を始める上での意気込み本気度を示す材料にもなります。

もし自己資金が少ないことで融資制度を利用したい場合には、会社設立も1つの方法であると認識しておくとよいでしょう。

共同経営者がそれぞれ、これから始めようとする業種で十分な経験を積み、その中で自己資金を貯蓄した上で融資制度を申し込む場合は比較的有利に働くはずです。

 

担保や保証人があるほうが創業融資は有利

また、基本的に無担保・無保証人の融資制度だとしても、保証人や担保として差し入れる資産があるのなら、融資が比較的おりやすくなるといえます。

ただ、実際に日本政策金融公庫で実行された融資の多くが、無担保・無保証人という契約が全体の3割近くで、残りの7割が無担保、または無保証人のいずれかという形となっています。

融資がおりないことで事業を開始できないという場合には、担保や保証人を準備することで融資を利用できる可能性は高くなるとも考えられるでしょう。

 

まとめ

もし、民間の銀行融資よりも中小・零細企業などが借りやすいとされている日本政策金融公庫に借り入れを申し込んだけれど、融資がおりないという場合はショックを受けるかもしれません。

しかし、融資がおりない場合は、申し込み手続きを行う上で何か問題が発生している場合もありますので、なぜ借り入れを利用できないのか直接たずねてみるとよいでしょう。

求められている要件は満たした上での申し込みか、熱意や実現性の高さを伝えることのできる事業計画書は作成できているかも踏まえて確認することが大切です。

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