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資金を借り入れるときに使われる「貸付」と「融資」という言葉の違い

事業資金2019/03/05

資金を借り入れることを検討している場面において、「貸付」と「融資」という言葉が使われます。どちらも似た意味のように感じるかもしれませんが、使用する場面において違いがあることをご存知でしょうか。

そこで、融資と貸付という用語の意味の違いや、どのような場面に使用されるのかなどご説明します。

 

「融資」という言葉の意味

資金を融通して貸し出すこと融資といいます。

資金を求める個人や法人などに対し、返済することを約束した上で資金を供与する行為を指しています。

信用を供与する行為を行う上で使う言葉のため、貸し手となる立場が使用することが多いといえるでしょう。

 

融資が行われる場面

銀行や信用金庫・信用組合などの金融機関、さらに消費者金融などのノンバンクと呼ばれる金融業者では、利息という形で収益を得ることを目的とし、個人や法人などに対して様々な形の融資を行います。

個人向けの融資では、住宅資金や自動車取得資金、教育資金、キャッシングなど小口資金が主となり、法人向けの融資では、事業の運転資金や設備資金、従業員に対する賞与、決算資金などを目的としたものが主に扱われます。

融資の申し込みがあった場合には、金融機関や金融業者では審査を行われます。所得などから本当に返済する能力があるのか、資金使途や担保・保証の価値、過去の信用情報など、所定の基準に基づいた判断が行われ、融資が実行されるか決まります。

融資が実行された場合、金融機関や金融業者など資金を貸す側は債権者となり債権を保有することになりますが、資金を借りる側は債務者となって債務を抱えることになります。

 

 

「貸付」という言葉を使用する場面

条件を定めた上で、資金や権利、物品などを貸すこと貸付です。

貸す側と借りる側、当事者同士で、融資金額、利率、期間、担保などを取り決めることになりますが、借用証書を交わした上で貸付が行われることもあれば、手形を振り出した上での貸付という場合もあります。

また、使用料や期間などを定めた上で、権利や物品の貸付が行われることもあるため、貸し出す対象となるものなどによっても取引の内容は異なるといえるでしょう。

貸付と似た用語に貸出がありますが、この場合は、金融機関や金融業者などが貸付金を支出することを指す言葉として使われます。

信用を供与する業務の総称なので、金融機関の証書貸付や手形貸付などが行われる場面で同義に用いられる言葉でもあります。

 

 

融資の種類

融資にはいくつか種類がありますが、融資の方法にも貸付という言葉が使われます。主な融資の種類は、商業手形割引、手形貸付、証書貸付、当座貸越の4つですが、それぞれの融資形態の内容をご説明します。

 

手形貸付

手形貸付とは、金銭を借りる側が借用証書を交わす代わりに約束手形を銀行に振り出し担保とし、融資を受ける方法です。

手形は銀行に当座預金を開設すれば利用できますが、中でも手形貸付は1年以内の短期的な借り入れを希望する際に利用されることが多くなります。

融資に関しての取り決めは、借用証書がない代わりに手形を振り出す前に提出する銀行取引約定書に記されます。

銀行取引約定書に従った内容で手形を振り出すことになるため、都度、契約内容の設定や書面を交わす手間がかかりません。

また、手形には銀行名が記載されるので、金銭の借り入れを希望する企業の署名・捺印だけで利用できる容易さもメリットといえるでしょう。

 

●手形貸付が利用されるケース

手形貸付を利用することが多い業種は、建設業やIT業などです。たとえば建設業の場合、工事が完了して売上代金が入金されるまで期間が長期に渡ることもありますが、その間にも材料費や外注費などの支払いは発生します。

そこで、手形貸付で短期的に運転資金を借り入れておき、売上代金が入金されたときに返済する引当資金に利用するケースが多いようです。

 

証書貸付

証書貸付とは、

  • ・契約日
  • ・融資金額
  • ・融資利率
  • ・遅延損害金
  • ・返済方法
  • ・返済期間

などの条件が記載された金銭消費貸借契約証書を交わした上で実行される融資です。

一般的には長期的に借り入れを行うことを希望するときに利用されることが多いので、新規事業の立ち上げや事業拡大、設備投資、長期運転資金などに利用されることが多くみられます。

 

●証書貸付で一般的に採用されている返済方法

返済方法には元利均等返済と元金均等返済の2種類がありますが、証書貸付で採用される返済方法は元金均等返済であることが一般的です。

元利均等返済が毎月支払う返済額が一定となる返済方法であるのに対し、元金均等返済は毎月支払う返済額に含まれる元金の額が一定となる返済方法といえます。

元利均等返済よりも元金が減るスピードが早いため、同じ融資期間であれば元利均等返済より総返済額が少なくなることがメリットです。

ただし、返済が開始されたばかりのときは返済額が高くなるので返済負担も重くなり、融資が実行されるときに必要な収入も高くなることがデメリットといえるでしょう。

 

手形割引

手形割引とは、企業などが保有する期日到来前の手形を、額面金額から期日までの割引料を差し引いた金額で銀行に買い取ってもらう方法です。

手形を譲渡して現金化するため、売買という性格を持ちますが、銀行では融資としての位置付けでの扱いとなります。

支払期日前の手形を現金に換えることができ、資金を調達するまでのスピードも早いため、製造業や建設業、卸売業などで広く利用されています。

 

●手形割引で利用した手形が不渡りになった場合

ただし、もともと手形を振り出した企業が支払期日までに支払代金を準備できず、振出人の口座から代金の引き落としがなされなかった場合にはその手形は不渡りとなります。

もし手形割引に使用した手形が不渡りとなった場合、手形割引は銀行からその手形代金を代わりに請求されることになる点に注意しましょう。

 

●手形割引に似たファクタリング

手形ではなく、売掛金を現金化する方法であるファクタリングも有効な資金調達の方法です。企業が保有している支払期日前の売掛金をファクタリング専門業者に売却し、手数料を支払った上で現金化します。

手形割引と大きく違うのは、融資という扱いではなくあくまでも売掛債権の売買取引であること、もし売掛先が倒産するなどで売上代金が支払われなくてもその弁済負担を負う必要はない点です。

手形割引よりもリスクが低く、早ければ即日現金化することも可能な資金調達の手法なので、銀行融資などを利用しにくい中小企業などに多く利用されています。

 

当座貸越

当座貸越とは、設定した融資限度額の範囲内で、自由に融資を受けることや返済することが可能となる融資です。

一般的な銀行融資を利用した借り入れでは、資金が必要な場面にその都度、銀行などの審査を受けることが必要となります。しかし、当座貸越であれば緊急的に資金が必要となった事態でも慌てることなく、すぐに資金を調達することが可能です。

大口の売上があがったことで急に高額な資金が必要となった場合に利用しやすい融資の方法ですが、銀行側にしてみれば貸し倒れリスクが高い融資方法のため審査は厳しくなります

不動産担保や流動資産が十分にあり、経営状態がとても優良な企業でなければ利用することは難しいといえるでしょう。

 

●当座貸越の契約期間

契約期間もほとんどは1年であることが多く、期間が満了すれば更新手続きを行うことが必要である場合もあります。また、財務内容などで更新ができないと判断された場合、貸越残高を長期融資に変えて分割による弁済を行うことが多くなるといえるでしょう。

 

まとめ

貸付とは事前に融資における条件などを定めた借用証書を交わすなどの方法で、金銭や権利、物品などを貸すことです。融資という用語は、資金を融通することを指す意味で使われるため、銀行などの金融機関や金融業者が使用することが多くなるといえます。

銀行が行う融資の方法にもいくつか種類があり、その中でも貸付という言葉は使われています。

それぞれの融資の内容はそれぞれ違いや特徴があるため、どの方法がもっとも自社に適しているのか判断して資金調達の方法として活用するようにしましょう。

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