売掛金の適切な水準|高ければよいのか?低ければよいのか?

2018/07/17
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自社にとっての売掛金の適切な水準を知りたい、という方も多いでしょう。売掛金は資産に分類されるので、多ければ多いほど良いのでは、と思っている方もいるかも知れません。一方で売掛金は未入金の不確かな資産でもあるので、少なければ少ないほうが良い、と考えている方もいるでしょう。

こちらでは適切な売掛金の水準についてお伝えします。どの程度の売掛金であれば良いのでしょうか?

 

売掛金の適切な水準は回転期間から算定できる!

売掛金の適切な水準を導き出すのは難しいわけではありません。
売上債権回転期間というものを調べて、その期間が適切であるかを調べればよいのです。

【売上債権回転期間の計算式・・・(売掛金+受取手形)÷(売上高÷365日)】

以上の計算式で売上債権の回転期間が把握できます。
そして適切な回転期間についても知っておく必要があります。

適切な回転期間は業種によっても大きく異なっていますが、基本的には「1.5ヶ月から2ヶ月程度」となっているのです。
売掛金の入金ですが、基本的には「月末締め翌月入金」となっています。

例えば4月1日に売上があれば、5月31日に入金をすることになります。回転期間は2ヶ月間となります。
一方で4月30日に売上があったとします。その場合も入金は5月31日です。回転期間は約1ヶ月です。

要は最長で2ヶ月程度入金にかかり、最短で1ヶ月程度で入金する、ということなのですこの期間よりも大幅にずれているような回転期間が計算で出てきてしまった場合には、売掛金や受取手形に何かしらの問題が発生している、と見て間違いありません。

では以下の条件で実際に計算してみましょう。

・売掛金・・・3,000万円
・受取手形・・・500万円
・売上高・・・1億5,000万円

計算式は「(3,000万円+500万円)÷(1億5,000万円÷365日)」となります。
計算結果は、「(約)85日」となりました。
回転期間は約2.5ヶ月となっているので、多少売上債権の水準が高い、ということがわかります。回収に遅れが出ている可能性があるので、回収活動に力を入れなければなりません。

売上債権の入金期間が長くなってしまうと、それだけ資金繰りが悪化する可能性が高くなります。予定通りに入金されていない、という可能性が出てきてしまうからです。
売上債権に遅れが出ているものがないかを確認してください。遅れが出ているものがあれば売掛先に連絡をして入金してくれるようにお願いしましょう。

 

資金調達がしやすくなる売掛金の水準とは

・売掛金が低水準のほうが資金調達はしやすくなる

売掛金は流動資産に分類されるので、一定額があったほうが良いとされていることは間違いありません。売掛金は将来的な入金を指しており、返済能力にも関わってくるのです。
しかしそれでも資金調達をするためには、売掛金は低水準であったほうが良い、とされています。

なぜ売掛金が低水準の方が資金調達をしやすくなるのでしょうか?
「売掛金の回収が上手くいっている」と判断できるからです。そもそも売掛金が高額になっている会社の多くが、回収が上手くいっていません。売掛金を持っていたとしても、将来的に貸倒れてしまえば意味がないのです。かえってマイナスとなってしまいます。偽りの資産と言っても過言ではありません。

融資を行う金融機関としては、入金するかわからない売掛金よりも実際に会社にある現金を重視します。売掛金が定期的に入金をしていれば、現金はある程度確保できているはずです。返済能力がプラス評価されるので、融資による資金調達が受けやすくなるわけです。

金融機関側も融資の審査では前述した売上債権の回転期間をチェックしてきます。回転期間があまりにも長い場合にはマイナス査定となってしまうので、審査落ちになる可能性も出てきてしまいます。

・売掛金を低水準にすれば経営的なメリットも有る

売掛金を低水準にできれば、貸倒れのリスクが少なくなります。将来的に入ってくるお金だよりの経営からも脱却できます。いまある現金で対応できるような経営戦略を立てられるようになるわけです。

売掛金が貸倒れる、ということは、なんとしてでも避けていかなければなりません。しかし長く事業を行っていると、取引先が破綻して倒産に至ることも珍しくはありません。多少なりとも貸倒れは発生してしまうのです。
問題はその貸倒れをいかに少なくしていくかです。

まずは取引先の調査を実施してください。経営状態に問題がある場合には、取引を手控える、といったことも必要でしょう。また取引量を減らす、という対策をするだけでもリスクに備えることになります。

・そもそも未回収の売掛金の回収作業は困難を極める

売掛金が未回収となってしまうと、企業にとっては大きな負担となります。入金が遅れている旨を伝えるだけで対応してくれれば良いかもしれません。しかし取引先は資金難になっているからこそ支払いを行ってくれないわけです。連絡をしたからといって、素直に支払ってくれるとは限りません。

支払いがなければ督促を行います。督促については内容証明郵便を利用しなければなりません。将来的に法的手段を取る時に一つの証拠として利用できるわけです。

督促しても入金がなければ交渉を行います。交渉についてはいくつかの手法があります。例えば出荷した商品などがまだ残って入れば、その商品を引き上げるのです。他にもその取引先に対して買掛金がある場合には、未収の売掛金と相殺することも可能です。ただしいずれも売掛先の承諾を受けなければなりません。勝手に行ってはならないのです。

交渉でも回収ができない場合には、いよいよ法的な手段を取らなければなりません。法的な手段であれば、財産の差し押さえなどもできるので、取引先に一定の資産があればある程度は回収できます。しかし訴訟を起こしたとしても満額が支払われるわけではありません。企業としてある程度のダメージをおってしまいますし、何よりも手続きが煩雑なのです。なるべくは訴訟までには至らないうちに回収できるのがベターです。

 

売掛金額が高水準になってきたときの対処法とは?

・ファクタリングで入金スピードを早めること

売掛金が高額になってしまうと、資金繰りに問題が生じてしまいます。
その資金繰りの対策をするためにも、ファクタリングの利用がおすすめなのです。

ファクタリングは売掛金の期日前に現金化する一つの方法となっています。要は売掛金をファクタリング業者に売却することによって、現金を期日前に獲得できるわけです。

売掛金が多くなっている場合には、一定額をファクタリングにて早めに入金させましょう。資金を前もって獲得しておくことで、資金繰りの悪化は避けられます。さらに売掛金を減らすことにもなるので、資金調達をするときに金融機関から低く評価されるようなことは避けられるわけです。

ちなみにファクタリングですが償還請求権無しで契約を結んでいれば、貸倒れても自社としてはノーダメージとなります。

・売掛金の管理を強化すること

売掛金を一括管理していませんか?
一括管理となってしまうと、回収の遅れに気づかない可能性もあります。
よって取引先ごとに売掛金を管理してください。取引先ごとに売掛金を管理することで、各取引先にどれだけの売掛金があるのか、期日は過ぎていないのか、ということもすぐに分かるようになるわけです。

売掛金は回収できなければ意味がありません。効率的に回収するためにも管理を強化するのです。

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