売掛金は必ず回収できるとは限りません。売掛先の経営状態によっては、回収できなくなる可能性もあるのです。回収不能となってしまったら大変でしょう。自社が傾いてしまうかもしれません。
こちらでは売掛金が回収不能になったらどういった対策をすればよいのかを明らかにします。さらに売掛金が回収不能になる前に採用すべき方法としてのファクタリングについても説明します。
事業を行うにあたり売掛金の管理には頭を悩まされることになるわけです。前もって対策方法を知っておくことで、焦らずに冷静に対処できるはずです。
目次
■そもそも売掛金の回収不能とは?
「入る見込みの現金が入ってこなくなること」を意味しています。
売掛は商品を先に渡すことになります。もちろん後に代金を支払う約束をしています。そのことを売掛金と呼んでいるのですが、売掛金の回収不能は単純に言えば「ツケで商品を売り、そのお金を回収できない」という最悪の状態を示しているのです。
・売掛金が回収不能になるとどうなるのか?
最悪、倒産してしまうこともありえます。
企業は現金がなくなれば経営が立ち行かなくなります。運転資金が底をつくと倒産してしまうわけです。
売掛金は資産項目になるので、黒字倒産に至ってしまう可能性もあります。
いかにして売掛金の回収不能を防ぐか、ということが企業にとって重要になってくるわけです。
■売掛金が回収不能になった場合の対策方法
1.交渉による回収
2.売掛債権譲渡による回収
3.売掛対象商品引きあげによる回収
4.内容証明郵便による回収
5.買掛金との相殺による回収
6.法的手段による回収
7.回収を諦める
・交渉によって回収する
売掛金が回収不能になったからといって、泣き寝入りする必要はありません。漫画杭は回収できなかったとしても、交渉をすれば支払える金額だけでも対応してもらえる可能性はあるわけです。
交渉がうまくいくかは交渉力と売掛先の出方が大きく関わってきます。
交渉によっての回収は法的なものではないので、なるべく事を荒立てたくないケースに適しています。
・売掛債権譲渡による回収方法
売掛先が支払えるだけの現金を持っていなかったとしても、売掛金を持っているケースがあります。その売掛金を譲渡してもらうわけです。
売掛金の回収不能を他社の売掛金で回収する、という方法です。
・売却商品の回収による売掛金の回収
売掛先に販売した商品を回収します。売掛金のもととなった商品を回収することで、売掛金も回収した、とする方法です。
商品の引きあげによる売掛金の回収を採用する場合には、売掛先の同意を得てください。勝手に商品を回収してしまうと罪に問われてしまいます(窃盗罪)。
・内容証明郵便を出して回収する
最もオーソドックスな方法ではありますが、回収できる可能性が高いとはいえません。
内容証明郵便を売掛先に出して、要は督促をするようなものです。相手方に対して売掛金を支払うように要求します。さらに売掛金の回収には時効があります。製造業・卸売業・小売業の売掛金の時効は2年とされているのですが、内容証明郵便を出すことで時効を一時的にストップできるのです。
内容証明郵便ですが弁護士から出してもらうことも可能です。しかし弁護士から出したとしても、法的な効力を持っていません。内容証明郵便を出したからといって、売掛金をすぐに回収できるわけではないのです。
・買掛金と売掛金を相殺する
回収不能となった売掛金の売掛先に買掛金があった場合には、双方を相殺することによって回収することも可能です。
こちらの方法は売掛先としても受け入れやすいので、比較的効果が高い方法と言って間違いありません。
手続きも簡単で、未払いの売掛金と買掛金を相殺することを内容証明郵便で出せば完了です。未払いの買掛金があれば、との条件がありますが、おすすめの回収方法です。
・最後の手段|訴訟によって売掛金を回収する
ここまで紹介した方法で回収できなかった場合には、訴訟をおこす他ありません。しかし法的手段といっても幾つかの方法があり、手続きや効果も大きく変わってきます。
【支払督促について】
裁判所から売掛先に対して支払いを命じる督促状を送ってもらいます。
正式な裁判手続きをするわけではないので、比較的法的手段としては手軽な部類に入ってきます。その代わり強制執行が出来るわけではないので、効力が強いとはいえません。
【民事調停について】
裁判官と調停委員会に仲介してもらいます。
お互いの主張を調整して和解を探っていくことになります。
手続きも簡単であり、費用もそれほどかかりません。さらに民事調停で成立したものは、裁判の判決と同等の効力を持っています。もしも和解内容のとおりに行動してもらえなかった場合には、強制執行の申し立ても可能となります。
【少額訴訟について】
簡易裁判所にて行われるものです。
60万円以下という少額の金銭しか請求できませんが、手続きも簡単で時間もあまりかからない、とのメリットがあります。
【公正証書について】
公証人役場にて公正証書を作ってもらいます。
役場での対応ですが強い効力を持っており、証書に書かれているとおりに支払わなければ強制執行が可能となります。
【強制執行について】
「差し押さえ」のことを指しています。
交渉などで回収するのが難しい場合におすすめの方法です。
強制執行は手続きを踏んで行わなければなりません。時間も掛かるので、強制執行をいきなり考えるのではなく様々な方法を模索した上で、「最終的には差し押さえ」との考え方がおすすめです。
・売掛金の放棄
売掛金をそのままにしておくと利益とみなされてしまいます。そこで売掛金を経費に計上する必要があるのです。経費に計上するためには、内容郵便などで売掛金を放棄する旨を伝え書類として証拠を残さなければなりません。
売掛金の放棄を行う前には、税理士などの専門家の意見を聞いておきましょう。
■売掛金が回収不能になる前に|ファクタリングを有効活用
・どのタイミングでファクタリングを利用すべきか
回収不能になってからでは遅いです。できるだけ早い段階でファクタリングを利用しましょう。
ファクタリング業者は売掛先を調査して、その上でOKするかNGとするかを決めています。回収不能になった時点で、売掛金をファクタリング使用としても、基本的に拒否されてしまうわけです。
・ファクタリングを利用するメリット
1.売掛金の回収が確実にできる
2.売掛先の信用度を推し量ることが出来る
3.売掛金の回転期間を早めることが出来る
ファクタリングは売掛金を買い取ってくれるサービスです。売掛金の回収は100%出来るとは限りません。売掛先の業績によっては難しいこともあるのです。しかしファクタリングを利用すれば売掛金の全額とはいきませんが、一定額は回収できます。
ファクタリングサービスを利用することで、取引先の状況をある程度把握できます。ファクタリング業者は売掛先の信用力を調査します。もしも結果が良ければ、ファクタリングOKとなるわけです。また信用力によって手数料が変化するシステムもあります。
信用力が高いとされれば手数料が少なくなり、信用力が低いとされれば手数料は高くなります。要はファクタリングサービスを利用することで、取引先の経営状況を知ることも出来るわけです。
ファクタリングを利用すれば、売掛金の回転期間が圧倒的に短くなります。通常は数カ月掛かるところが早ければ最短即日ということもあり得るわけです。企業は活動をするために一定の資金を確保しておく必要があります。売掛金は入金まで通常は数ヶ月かかるので、回収期間をいかに短くするかが経営の安定化に関わってくるのです。
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