売掛債権は担保にしても売却しても資金を調達可能

2020/11/09
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中小企業などが銀行など金融機関からお金を借りるときには、土地や建物などの不動産を担保にすることが多いといえます。

しかし現在では、同じ資産でも売掛債権を担保にして融資を受ける売掛債権担保融資などが注目されるようになりました。

この売掛債権は、担保にしてお金を借りることもできれば売却して現金化することも可能です。

そこで、中小企業が売掛債権を資金調達に活用することのメリットや、具体的にどのような方法なのかご説明します。

 

売掛金を担保にしてお金を借りる売掛債権担保融資

売掛債権担保融資は名称どおり、売掛金を担保にお金を借りて資金調達する方法です。

銀行などの金融機関に対し、売掛金を担保に差し入れることで信用力を補い、スムーズにお金を借りることができるようにするための手法となっています。

土地や建物など不動産を資産として保有していない中小企業でも融資を受けることが可能になりますので、中小企業を救済するための手段として新たにはじまった仕組みともいえるでしょう。

 

売掛債権担保融資で資金調達する際の注意点

売掛債権担保融資でお金を借りるときには、売掛先の信用力が十分であることが前提であり、さらに売掛先に対する通知・承諾が必要になることが多いようです。

仮に売掛先への通知や承諾を得ることが不要である場合でも、債権譲渡登記が条件になりますのでその点は金融機関で確認しておきましょう。

 

貸し倒れリスクは自社が抱えたままになる

売掛債権担保融資で資金調達した際、期日までに売掛金が回収できなかったときには、その損失を被るリスクを自社が抱えます。

売掛債権の貸し倒れリスクは銀行など金融機関に移転されるわけではありませんので、万一の際のリスクは十分留意しておくことが必要です。

 

売掛債権担保融資なら保証制度が活用可能

経済産業省中小企業庁では中小企業が売掛先に対し保有する売掛債権を担保に、金融機関から融資を受ける場合の信用保証協会が行う保証制度を創設しています。

もともとは売掛債権のみが対象でしたが、現在は制度が拡充され、売掛金だけでなく在庫などを担保にお金を借りるときも保証の対象です。

 

流動資産担保融資保証制度で対象となるのは?

流動資産担保融資保証制度を利用できるのは、中小企業(製造業では資本金3億円以下または常時使用する従業員数300人以下の会社など)です。

中小企業が保有する在庫や売掛債権を担保にして、金融機関から融資を受けるときに信用保証協会が債務保証を行う仕組みとなっており、金融機関を通じて申し込みできます。

 

保証制度の具体的な内容

保証限度額は2億円ですが、在庫・売掛債権のいずれかのみを担保に差し入れた場合、どちらも提供する場合でも限度額は変わりません。

そして保証割合は8割となっており、制度を活用して設定できる借入限度額は2億5千万円までとなっています。

保証料率は年率0.68%、保証期間は1年間(個別保証は1年以内)となっており、法人代表者以外の保証人は徴求されません。

ただし譲渡担保の保全を目的として次のいずれかを行うことが必要とされています。

  • ・在庫を担保とする場合には動産譲渡登記
  • ・売掛債権を担保にするなら債権譲渡登記
  • ・売掛先に対する通知
  • ・売掛先から承諾を得る

 

保証制度で対象となる可能性のある在庫の種類

仕入れた商品による在庫商品や、製造業では製品在庫なども保証制度の対象となります。

他にも原材料・仕掛品・半製品・貯蔵品なども含まれます。

ただ、固定資産として計上される車両運搬具や機械設備などは含まれませんので注意しましょう。

 

保証制度の対象となる可能性のある売掛債権とは?

保証制度で対象となるのは、売掛債権の中でも売掛先が事業者である主に次のような債権です。

  • ・売掛金債権
  • ・割賦販売代金債権
  • ・運送料債権
  • ・診療報酬債権
  • ・その他の報酬債権
  • ・工事請負代金債権

などであれば、保証制度を活用して売掛債権を担保に融資を受けることができます。

 

売掛債権を担保にせず売却して現金化する方法とは?

これから銀行からお金を借りたいけれど、不動産など担保に差し入れる資産を持っていないときには、売掛債権があれば担保にして融資を受けることができます。

確かに便利な方法であり、国からの保証制度なども設けられているので安心です。

ただ、融資を受けるということは返済しなければならない借金を抱えることになるため、売掛債権を担保にするのではなく売却して現金化することも検討してみましょう。

その方法がファクタリングであり、保有している売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、現金化させて資金調達する方法です。

 

売掛先への通知や承諾は必要?

売掛債権担保融資の場合、売掛先に対する通知または承諾を得る、もしくは債権譲渡登記が必要です。

一方のファクタリングの場合には、2社間(自社・ファクタリング会社)または3社間(自社・ファクタリング会社・売掛先)のどちらで契約するかにより通知や承諾などの必要性が異なります。

まず3社間の場合には、売掛先に対する通知や承諾を得ることは必須要件となりますが、2社間の場合には債権譲渡登記を行うことで通知や承諾は必要ありません。

また、ファクタリング会社によっては、2社間であっても債権譲渡登記を必要としないケースもあるようです。

 

貸し倒れリスクは移転される?

ファクタリングは売掛債権を売却した時点で、貸し倒れリスクもファクタリング会社に移転されます。

そのためファクタリング利用後に売掛金が回収できなかったとしても、自社が損失を被ることはありません

ただしファクタリング会社もプロですので、売掛先の信用力などを確認し、リスクが高いと判断する場合には売掛債権の買取りを拒否される場合もあります。

 

悪質な業者には注意が必要

ファクタリングについては、金銭の貸付ではないため貸金業法による規制を受けません。

そのためファクタリング会社に支払うのは利息ではなく手数料ですが、2社間の場合にはリスクの高さを加味した手数料が設定されます。

そのため比較的手数料が高額になりやすいことが特徴ですので、契約しようとするファクタリング会社をしっかりと見極めることが必要です。

一般的な金利水準から大きくかけ離れている手数料を設定される場合、信頼できるファクタリング会社とはいえません。

仮に悪質な業者と契約を結んでしまうと、後々売掛先も巻き込むこととなり、その後の取引に影響を及ぼす可能性も出てきます。

自社のみの問題にとどまらないと十分留意し、慎重なファクタリング会社選びが重要といえるでしょう。

 

まとめ

売掛債権を担保にするのか、それとも売却するか迷うところでしょうが、いずれにしても不動産など資産を保有していなくても資金調達が可能です。

ただ、迅速性が高いのはファクタリングであり、業者によっては即日現金化が可能になるはやさなので急いでお金が必要なときには有効に活用できます。

問題なのはファクタリング業界が十分な法規制が整備されておらず、悪質な業者などが横行しやすい環境になっていることといえます。

もしもファクタリングで資金調達する際には、契約するファクタリング会社をしっかり見極め、信頼できる業者と選ぶようにしましょう。

また、お金を借りるのと現金化するのでは、キャッシュフローや貸借対照表への影響も変わります。

その後の経営状態にも影響する部分ですので、その点を十分に理解した上でどちらを選ぶか決めるようにしてください。

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