売掛債権の譲渡先は1つ!絶対にやってはいけない二重譲渡とは?

2019/05/21
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ファクタリングは保有する売掛債権をファクタリング会社に譲渡し、入金の期日よりも前に現金化させることで資金を調達する仕組みです。

しかし、資金に困窮してつい魔が差してしまった利用者、債権を二重に譲渡してしまうケースもあります。

ただ、債権を複数のファクタリング会社に譲渡する行為や、他にもやってはいけない行為を行ってしまうと犯罪として取り扱われてしまいます。

そこで、ファクタリングを利用して資金を調達する場合、どのような行為を行ってはいけないのか、その内容についてご説明します。

 

ファクタリング審査で虚偽の申告を行うケース

ファクタリングで調達できる資金は、ファクタリング会社に対して売却する売掛債権額の範囲内です。もし、買い取ってもらおうと考えている売掛債権の金額よりも多く資金を必要とする場合、保有している売掛債権だけでは十分な資金を調達することができません。

また、少しでも買取金額を高くしたいと考えるケースもあるでしょう。

そのようば場合、ファクタリングの申し込みを行い、審査を受ける上で必要な情報提供の際に、虚偽の申告をしてしまう利用者もいます。

 

虚偽の申告とは

虚偽の申告とは、たとえば売却する売掛債権の取引先(売掛先)の経営状況、または利用する会社の与信に関係する質問などに対して、少しでも優位になるような実態とは異なる内容をファクタリング会社に伝えてしてしまうことです。

しかし、いくらファクタリング会社に良いことばかりを並べた情報を提供したとしても、審査の際には帝国データバンクや東京商工リサーチ、指定信用情報機関であるJICC 日本信用情報機構など、様々な信用情報機関に状況確認のため情報を照合します。

この信用情報機関には、提供された売掛先や利用者の基本的な情報だけでなく、業績推移、現在の借入情報、担保として差し入れいている資産などの情報が掲載されているので、嘘の情報を提供しても発覚してしまいます。

そのため、いくら都合のよいことばかり並べた情報を提供しても、審査結果によい影響があるどころか、虚偽の申告を行ったことで信用力を失い、ファクタリング自体利用できなくなる可能性が高くなってしまいます。

 

存在しない架空の売掛債権をファクタリングに持ち込む行為

売掛債権を保有していればファクタリングで資金が調達できるとわかっていても、取引先との間に売掛金が発生していないという場合、存在しないはずの売掛債権をファクタリング会社に持ち込み、現金化しようとする例もあります。

中には同じように資金に困った取引先と共謀し、もし架空の売掛債権が現金化できれば折半するといった取り決めを行い、ファクタリング会社を騙そうとする悪質なケースも存在するのです。

 

架空の売掛債権とは

架空の売掛債権として使用されるものの例として、

  • ・偽造やねつ造により作成した請求書
  • ・粉飾内容の決算書や試算表

などが挙げられ、これらをファクタリング会社に持ち込み現金化しようとするケースもあります。

ファクタリングの申し込み後には審査が行われますが、信用情報をもとに情報を確認しても見抜けない部分をうまく活用する悪質な例ですが、ファクタリング会社を騙そうとする詐欺行為といえます。

 

もし架空債権であることが発覚した場合

ファクタリング会社に持ち込んだ売掛債権が架空のものであることが発覚した場合、私文書偽造罪詐欺罪といった犯罪の対象となります。

仮に架空の売掛債権でファクタリング会社を上手く騙し、現金化させることに成功したとしても、実際の売却した売掛債権が期日になっても入金されなければ、その代金は詐欺を行った利用者が負担しなければなりません。

売掛債権の支払期日に売掛代金を支払うことができれば問題ないだろうと甘く考えているケースもあるようですが、今不足している資金がたった数か月で本当に準備できるでしょうか。

 

複数のファクタリング会社に同じ売掛債権を売却する行為

本来、売掛債権を譲渡する先は1つのはずです。しかし、資金に困り売掛債権額の範囲だけでは十分な調達に至らない場合など、同じ債権を複数のファクタリング会社に売却する二重譲渡を行う利用者もいます。

現物資産を誰かに売却するのなら、そのモノ自体がもともとの所有者から新しい所有者に手渡されることになるので、誰が資産の所有者か目に見えて確認できます。

しかし、売掛債権は、発生している売掛金の代金を支払ってもらうように相手に請求できる権利のことです。目に見えない資産であるため、誰が所有者なのか見て確認することはできません。

そこで、すでにファクタリング会社に持ち込んで現金化した売掛債権を、別のファクタリング会社にも同じように持ち込み資金に換えようとする二重譲渡を行おうとする利用者が出てくるわけです。

 

譲渡した債権は自分のものではない

すでにファクタリング会社に譲渡された売掛債権は、利用者のものではなくファクタリング会社のものです。それを勝手に別のファクタリング会社に譲渡してしまう行為は、委託物横領罪、さらに詐欺罪などに該当することとなるので犯罪として扱われます。

 

債権譲渡登記とは

ファクタリング会社では、持ち込まれた売掛債権が万一二重に譲渡されてしまったときのためなどに、誰がその権利を獲得しているのかを証明する債権譲渡登記を行うことがあります。

債権譲渡登記とは、誰が誰に対し、いつ対象となる債権を譲渡したのかを公的に証明する手続きです。一般的に登記と耳にすると、不動産登記などを思い浮かべると思いますが、債権譲渡登記の場合も同様に、第三者に対抗することを可能とします。

東京法務局が一括してその手続きを行うこととなっており、登記が行われると別個の債権譲渡登記ファイルに記載されます。

2社間ファクタリングを行う場合には、契約前に債権譲渡登記の有無が確認されることとなるでしょう。すでに譲渡されていることが確認できれば、その売掛債権はファクタリングには使用できないということです。

 

すでに譲渡されている債権か確認できなかったら?

3社間ファクタリングでは、売掛先に対して債権を譲渡する旨の通知が行われる、または承諾を得るという形で、第三者に対抗する要件を得ます。

債権譲渡登記が行われるのは2社間ファクタリングであることが一般的です。では、3社間ファクタリングですでに売却した売掛債権を別のファクタリング会社に持ち込み、2社間ファクタリングで譲渡しようとした場合には、債権譲渡登記が行われていないため二重譲渡の事実が発覚しにくい可能性があります。

 

どの譲渡先が優先される債権の所有者とされるのか

なお、誰が債権の所有者として優先されるのかは、たとえば債権譲渡登記が行われているのなら登記の日付が確定日付とみなされます。売掛先に確定日付の付された通知を行っているのなら、その通知が売掛先に到達した日時、承諾の場合には承諾の日時など、それぞれの日付の後先で優先順位が決まると理解しておきましょう。

判断が難しい場合には、専門家などに相談して判断を仰いだほうが確実となります。

また、ごく一部ですが、債権譲渡登記を抹消(なかったことに)し、再度、二重譲渡を行おうとする悪質な利用者もいるようです。

 

まとめ

そもそもファクタリングは利用者とファクタリング会社、双方の信頼関係を基準として成り立つビジネスです。そのため、取引を行う上で嘘の申告を行ったり、すでに譲渡している債権を別のファクタリング会社に譲渡する行為は、犯罪とされる以前に信頼を裏切る行為であると理解しておきましょう。

ファクタリング会社にも悪質な業者は存在しますが、優良なファクタリング会社は本当に利用者の立場になって資金を早めに調達できるように、その後の資金繰りが改善されることを考えながらファクタリングの手続きを進めています。

そもそも詐欺や横領といった行為は結果として。自分で自分の首を絞めることに繋がるため絶対に行わないようにしましょう。

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