ファクタリングの発祥と歴史|いつから始まった資金調達の手法なのか

2019/04/25
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中小企業の資金調達の方法として、現在便利に活用されることが多くなったファクタリングですが、これは企業や個人が保有する未回収の売掛金をファクタリング会社に売り、現金化して資金を得る手法のことです。

だんだんと日本でも馴染みのある資金の調達方法として浸透しつつありますが、ファクタリングはいつから資金を得るために用いられているのか、その歴史を紐解いていきます。

 

ファクタリングの発祥から現在まで

ファクタリングをそもそもの起源を辿ると、古くは古代メソポタミアまで遡ることになります。この時代を経て、航海時代が幕開けとなり、国同士の海外貿易をきっかけとして今のファクタリングに至るといった流れです。

紀元前1772年、現在のイラクやシリア、クウェートなどは古代メソポタミアと呼ばれる地であり、そこに存在した交易者であるタムカルムはトレーダーとしてビジネス取引にファクタリングを取り入れたとされています。

当時は紙幣など存在せず、通貨として使用されていたのは穀物や銀です。その中でも貸借の法律により、利子率の定めなどはありました。

新バビロニア時代に突入すると、金融取引を行う銀行のような業態も登場し、銀行家によって国王に対して資金を貸し付けたり、小切手、為替手形などを行っていたともされています。

 

現代のファクタリングが姿を見せ始めた1300~1400年代

1300年代になると、イングランドで衣料品商人や交易者が用いる資金の調達方法として現代のファクタリングが形を見せ始めるようになりました。

1600年代、アメリカの植民地主義者は、イギリスに出荷された綿や木材、たばこなどの原材料に前払いを求めるようになります。

本拠地をロンドンとする商業銀行家は、1620年にアメリカへ航海するため、請求書を使った売掛金担保融資で植民地主義者に資金の提供を行ったともされています。

移住者との交易で利用され、主に衣装に関するものが行われていたため、国際ファクタリングに似た利用方法だったわけです。支払いを補償する制度としてファクタリングが利用されていたので、現代のファクタリングとは少し利用目的が異なっていたと考えられます。

ただ、一時は世界の4分の1を支配していたともされるイギリスで生みだされたのが現在のファクタリングの概念であり、それがアメリカに伝わったといえるでしょう。

 

本格的なファクタリング手法は1900年ごろ

ファクタリングの歴史は一説では上記のように紀元前や14世紀という説もありますが、本格的に現代用いられている手法が広まったのは1900年ごろと考えられます。

世界に名を残す実業家がまだ現役だったその時代に登場した金融取引であり、高度経済成長を支える手法の1つだったわけです。

1910年代、アメリカの衣料品や繊維会社は、原材料を購入する方法として請求書を用いたファクタリングを使用するようになります。これにより、中断させず継続して商品を生産することができた繊維産業や縫製産業は急速に成長を果たすことができました。

1940年代になると、繊維産業と製造業でファクタリングの必要が高まったことを認識した米国の銀行が、ファクタリングサービスを提供し始めます。銀行とファクターの間では、現物商品ではなく請求書または債権を購入するという形で取引が行われました。

1970年代には金利上昇と銀行規制でファクタリングがより資金の調達方法として一般化するようになり、1980年代、貯蓄・融資の危機が高まることで銀行は顧客からの支援を必要とするようになり、支援のファクターへと変わっていきます。

1990年代には金融巨人だけでなく、規模の小さいファクタリング企業が特定産業をターゲットとして立ち上がるようになりました。

 

いよいよ2000年代!現代のファクタリングへ

そして2000年代、インターネットやクラウドシステムなど、様々な技術革新でファクタリングは活動の幅を広げるようになり、現在、融資や出資ではない新たな資金調達の手法として不可欠な存在となっています。

現代のファクタリングは100年以上という長い歴史があり、すでに認知され浸透したアメリカの市場規模は5~10倍といわれています。

その一方で、まだまだファクタリングに対する認知度が低く、浸透が浅いと感じられるのが日本ですが、日本にファクタリングが登場したのはいつなのでしょう。

 

日本でファクタリングが登場したのは?

日本でファクタリングが登場したのは1970年代初めです。当時、日本で主流だったのは掛け取引ではなく、手形による取引で、都市銀行系の子会社を主とした債権回収や信用調査を含むコンサル業が一般的でした。

手形取引とファクタリングでは目的が似ているということで、広く周知されることがなく、一部の限られた会社でのみ利用される手法で留まっていたようです。

1991年にはバブルが崩壊し、手形取引はだんだんと減少していくことになりますが、これがきっかけとなってファクタリングが注目されるようになったようです。

 

2000年ごろから一気に時代の流れが変わる

2000年ごろからは日本でもインターネットが当たり前のように普及するようになり、電子決済なども行われるようになりました。

貸金業法も改正されたことで利息制限が設けられるようになり、経営が苦しくなった小規模の貸金業者が次なるビジネスモデルとして、ファクタリングに移行したという背景もあります。

近年では、政府がファクタリングの利用を推進していることも、だんだんとファクタリングが浸透しはじめた理由でしょう。

 

経済産業省も売掛債権を流動化させる取り組みを推進

経済産業省中小企業庁では、中小企業は売掛債権を積極的に資金調達の手法として取り入れることを推進し、売掛債権が流動化されることへの取り組みを行っています。

民法改正により、債権譲渡禁止特約を無効とする動きも、売掛債権が資金調達の手法として取り入れやすくなるようにする取り組みの1つと考えられます。

 

それでもまだまだ馴染みが薄い日本

ただ、日本ではまだ売掛債権を売却して資金を調達するという手法に馴染みがなく、本来ならニーズに合致する方法でありながらも利用されにくい環境であるともいえます。

売掛先に売掛債権を売却することを知られると、資金状況が悪化していると悪く推測されることになり、その後の取引に影響を及ぼす可能性があることを恐れて利用したくてもできないという企業も存在します。

もっと日本にファクタリングは真っ当な資金調達の手法であることが広く周知されるようになり、中小企業などが有効に活用できる状況になるべきといえるでしょう。

 

近年では2社間ファクタリングが主流に

このような状況から、売掛先には売掛債権を売却する事実の通知は行わず、ファクタリングを利用する会社とファクタリング会社との信用取引だけで実施する2社間ファクタリングが多く利用されています。

2社間ファクタリングは、ファクタリング会社が背負うリスクが重くなるため、間に売掛先を含んで取引を行う3社間ファクタリングよりも手数料は高めの設定です。

中にはその認識を利用し、法外な手数料設定で儲けようとする悪徳な業者も存在し、さらにファクタリングをしにくい環境が作られてしまったともいえます。

 

優良なファクタリング会社に依頼することが重要

ただ、正規の取引で顧客ニーズにこたえようサービスを展開している優良なファクタリング会社も多く存在しています。

ファクタリングを利用したいけれど不安があるという場合には、優良なファクタリング会社を紹介してくれる見積もりサイトなどを上手く活用し、設定される手数料などを比較しながらどこに依頼するか決めると安心です。

 

まとめ

ファクタリングの歴史を辿ると、数世紀にも渡って利用されてきたことが確認できます。

今日でも資金調達の大きな選択肢として活用されるべき手法であり、資金繰りを改善させるために必要不可欠といえます。

事業を継続・拡大させるためには、手元の資金がショートしてしまわないことが最も重要ですので、そのための新たな資金調達の手法としてファクタリングがもっと有効に活用されるようになることが望まれます。

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