【経理の基本!】売掛金と損益計算書の関係性を探る

2018/06/20
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売掛金は貸借対照表に記載されます。基本的には受取手形と同じところに記載されることになるわけですが、損益計算書には記載する場所はありません。しかし売掛金は損益計算書にも影響を与えることもあります。売掛金は売上に大きく関係しているからです。さらに売掛金の状態も損益計算書に影響を与えます。

こちらでは売掛金と損益計算書の関係性を詳しく探ります。

売掛金が多くなると損益計算書はどのようになるのでしょうか?
売掛金が少なくなると損益計算書はどうなるのでしょうか?

さらに売掛金が貸倒れてしまったときの会計処理とファクタリング時の会計処理についてもお話します。貸倒れ時もファクタリング時も損益計算書が深く関係してくるので注目です。

 

売掛金の金額と損益計算書の関係性とは

・売掛金が多くなると損益計算書はどうなる?

売掛金は売上によってのみ発生することになります。本業によって得られる収入が売掛金になるので、「売上が増えている場合に売掛金が多くなる」といった特徴があります。先月の売上が500万円で今月が1,000万円であれば、500万円分の売掛金や受取手形が先月から増えている可能性もあるわけです(現金取引を行っていない場合)。

ただし売上が増えているときだけ売掛金が多くなるわけではありません。注意してほしいのが、未収状態の売掛金が増えているケースです。取引先から期日に入金がされないような状態になってしまうと、売掛金は貸借対照表に記されたままとなります。しかし売上が増えているわけではないので、損益計算書の売上には反映されません。

【まとめ】
基本的には売掛金の増加はプラスと考えられるわけですが、損益計算書の売上をチェックしなければなりません。売掛金が増えており、売り上げも増えているのであれば問題はありません。本業が好調であることを示しています。

一方で売掛金が増えているのに売上が下がっているケースは最悪です。本業が不調であり、しかも売掛金の回収が上手くいっていない、と考えられるからです。
回収活動を実施し、そのうえで売上をアップさせていかなければなりません。

・売掛金が少なくなると損益計算書はどうなる?

基本的には売上が下がっている、と考えられます。損益計算書の売上額が少なくなるので、本業の調子はいまいち、ということを示しているわけです。
そもそも売掛金は売上によって発生するものです。売掛金が減っているということは、売上に何らかの問題が発生している、と考えられます。

売掛金が少なくなることはマイナスと捉えられがちですが、必ずしもそうとは言えません。
売掛金ですが回収率というものがあります。売掛金はあくまで将来的にお金を払う約束で発生するものです。100%回収できる保証がありません。取引先が破綻すれば、貸倒れてしまうことになるのです。
しかし回収活動を着実に行えば、回収率はアップします。回収率がアップすれば、仮に売上が一緒であったとしても保持している売掛金が下がる可能性はあるわけです。回収率がアップすれば会社としての資金繰りは改善することになります。
売上が下がっておらず売掛金が減っていたら「経営的には上手くいっている」ということになるのです。

【まとめ】
基本的に売掛金は売上に比例します。
よって売掛金が少なくなるということは売上が下がっている、と考えられるのです。営業努力などを実施して対処していかなければなりません。

ただし損益計算書の売上に特に問題が発生していないケースで売掛金が減っている場合には、会社としてはプラスです。回収活動がうまくいっている証拠なので、キャッシュフローが良くなっている、と考えられるからです。

 

売掛金が貸倒れてしまったときの会計処理とは~損益計算書への影響について~

問題なく売掛金を回収したときは、損益計算書に影響を与えません。
以下のような処理となります。

(借方)現金 50,000円 (貸方)売掛金 50,000円

双方ともに貸借対照表に掲載する勘定項目となっており、損益計算書に計上する項目はありません。発生した売掛金を現金で回収した、ということを記すわけです。

しかし貸倒れてしまった、ということは会社としては損失が出た、ということになるのです。売上が出た時に収益としてすでに計上してしまっています。よって収益をマイナスさせる損失の処理が必要になってくるのです。

以下に売掛金が貸倒れてしまったときの会計処理の例を記します。

(借方)貸し倒れ引当金 50,000円 (貸方)売掛金 50,000円

売掛金は回収できなかったとしても減らさなければなりません。そのうえで貸倒れ損失を計上するのです。「貸し倒れ引当金」という勘定項目を損益計算書に計上します。その貸し倒れ引当金によって売上で発生した収益をマイナスさせるわけです。

貸倒れ損失を計上するケースですが、基本的には取引先が破綻してしまったようなケースです。また何らかの債務整理を実施されることで回収が不能であると判断できるようなケースも計上してOKとされています。

・買掛金で相殺する方法もある

売掛金が回収できない場合で、その取引先に買掛金がある場合には相殺する処理方法もあります。取引先に承諾を取る必要がありますが、相殺で処理できた金額については損失計上をしないで済みます。

例えば売掛金10万円が貸倒れとなったケースで、その取引先に5万円の買掛金があった場合の会計処理は以下のとおりです。

(借方)買掛金 50,000円 (貸方)売掛金 100,000円
貸倒れ引当金 50,000円

買掛金と売掛金を相殺し、余った分を貸し倒れ引当金で処理するわけです。

 

ファクタリングをしたときの会計処理とは~損益計算書の影響について~

ファクタリングは売掛金を売却して資金を得る資金調達法として近年大きな注目を集めています。売掛金の現金化ということになるわけですが、ファクタリング利用時は売掛金額よりも少ない金額の入金となります。ファクタリング業者に手数料が発生するからです。よって損益計算書に影響を与える会計処理をしなければなりません。

以下に1,000万円の売掛金をファクタリングして800万円を受け取った、というケースでの会計処理例を掲載します。

(借方)現金 800万円 (貸方)売掛金 1,000万円
売上債権売却損 200万円

売掛金は期日まで待ってから回収をすれば、満額の入金となります。しかしファクタリングを利用すると、手数料が発生するのでその分を売却損として取り扱うことになります。売却損は損益計算書に計上されるものとなるので、損益計算書に大きく関わってくるのです。

こちらでは「売上債権売却損」との勘定項目を記載しましたが、他にも「売掛債権譲渡損」「売上債権譲渡損」「営業外費用」「雑損失」といった勘定項目で処理しても構いません。
しかし営業外費用や雑損失であると、どのような理由で発生した損失であるかを確かめるのが難しくなります。なるべく分かりやすい勘定項目を設定し、損益計算書に反映させましょう。

・ファクタリング契約時に売掛金を「未収金」に変化させる仕訳方法もある

ファクタリングの契約から入金までに時間がある場合には、一旦「未収金」として処理する場合もあります。

1,000万円の売掛金をファクタリング契約したら以下のように仕訳します。

(借方)未収金 1,000万円 (貸方)売掛金 1,000万円

売掛金を未収金に振り替えるわけです。
そして入金をしたら以下のように仕訳します。

(借方)現金 800万円 (貸方)未収金 1,000万円
売上債権売却損 200万円

未収金に振り替えているので、処理した上で売却損を計上するのです。

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