【2020.5】売掛金の未回収リスクの対策法|ファクタリングと売掛保証とは

2018/06/13
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売掛金(売掛債権)の回収リスクはどの会社も抱えている問題ですが、基本的に企業間取引は掛けによる取引が一般的です。その場で現金で決済せず、一定期間をまとめて請求し現金の受け渡しが行われる流れとなります。

 

掛けによる取引は売上が上がった分が入金されるまで、1か月や2か月という時間がかかるため、それまでの間に発生する支払いに充てるお金が不足しやすくなってしまいます。

 

売掛金(売掛債権)が回収できる期日までに、取引先の状態が悪化してしまえば未回収となる可能性も否定できず、連鎖するように自社の資金繰りも悪化してしまう可能性さえあります。

 

このような売掛金(売掛債権)の未回収リスクを取り除く方法として挙げられるのが、売掛保証とファクタリングです。

 

そこで、売掛補償とファクタリングとはそれぞれどのような仕組みであり、どちらを利用するとよいのか説明します。

「売掛保証」とは

売掛保証とは、売掛金(売掛債権)が回収できなかった場合に、保証会社が未回収となった金額分を保証してもらえる仕組みです。取引先が倒産してしまい、売掛金が回収できなくなったとしても発生している売掛金(売掛債権)そのものが保証されるので安心できます。

 

売掛保証を利用しても取引先には知られることはありませんが、無料で利用できるわけではなく保証料が発生します。

 

保証料はどの保証会社を利用するのか、契約の方法などによっても異なります。長期間にわたる保証を利用した場合には月0.5%程度の保証料で抑えることが可能ですが、短期間で保証してもらう場合には2.0%程度の保証料が発生することが多いようです。

 

仮に5千万円の売掛金(売掛債権)に対し、2.0%の保証料率で売掛保証した場合には100万円を保証料として負担しなければならないということになります。売掛金の金額が大きい場合には、発生する保証料も増える点は留意しておくことが必要といえるでしょう。

 

また、売掛保証は取引先が倒産した場合などに保証される仕組みなので、無事に売掛金(売掛債権)が回収できれば負担した保証料は無駄になってしまいます。

 

事前に取引先の経営や財務状況が悪化しているなどで貸し倒れとなる可能性が高い場合にはよいですが、すべての売掛金(売掛債権)に対し保証をつけてしまうと支払った保証料は無駄になる可能性が高いです。

 

売掛保証を利用する場合の審査は、基本的に取引先がメインとなります。売掛金(売掛債権)が入金されない場合に保証されることになるので、保証会社も取引先の信用力を重視した審査を行います。

 

審査後に保証開始日が設定され、対象となっている売掛金(売掛債権)が保証されますが、あくまでも回収できなくなったときに売掛金(売掛債権)を保証する制度なので資金を調達してお金を増やす方法ではない点も認識しておきましょう。

 

売掛金(売掛債権)を資金調達に活用するのなら、売却して手元のお金を増やすファクタリングを活用する方法が適しています。

 

「ファクタリング」とは

ファクタリングとは保有する売掛金を、取引先から回収できる期日よりも前に売却して現金化する方法です。売掛金(売掛債権)をお金に換える方法なので、資金調達を目的とした手法として活用されています。

 

売掛金(売掛債権)はすでに売上として計上されている代金ですが、取引先から入金されるまでは一定の時間がかかるものなので、期日までの時間を短縮させたいときに適している手法ともいえるでしょう。

 

売掛保証と比較すると、ファクタリングは未回収リスクを防ぐよりも資金調達の方法として活用されるものと考えがちですが、期日よりも先に現金化させるため貸し倒れリスクの回避にもつながる方法でもあります。

 

ファクタリングは償還請求権なしの契約が一般的なので、利用後に取引先が倒産しファクタリング会社が代金を回収できなくなったとしても、その責任を利用者が負う必要はない点もリスクヘッジにつながりやすい点です。

 

なお、ファクタリングには2社間取引と3社間取引があります。

 

2社間取引は自社とファクタリング会社だけで基本的なやり取りを行いますので、取引先に知られることなくファクタリングを利用できます。ただし取引先から売掛金(売掛債権)を回収するのは自社が行うことになるので、回収後はそのままファクタリング会社にそのお金をスライドさせ渡すことが必要です。

 

このとき、取引先から回収した代金を自社の支払いに充ててしまったり流用したりという利用者も少なからず存在します。ファクタリング会社はこの利用者による代金の使い込みリスクを考慮したうえで手数料を設定することになるので、3社間取引よりも手数料は高くなると留意しておいてください。

 

3社間取引は取引先も契約に加わることになるので、売掛金(売掛債権)はファクタリング会社が回収します。その分、手数料は低く設定されるので十分な資金調達につながりやすいですが、取引先にファクタリングを利用する旨を事前に通知し承諾を得る流れが必要です。

 

取引先によっては随分資金繰りに苦労している会社だとレッテルをはられてしまい、今後の取引に一定の影響が及ぶ可能性も否定できませんので、それらを考慮した上で利用したほうがよいといえるでしょう。

 

なお、2社間取引は売掛金額の10%から30%程度、3社間取引は売掛金額の1%から10%程度が手数料の目安です。

 

手数料分、当初取引先から回収できるはずの金額より低い金額を受け取ることになるので、継続してファクタリングを利用し続けると資金繰りが悪化しやすくなる点にも注意しておいてください。

 

さらに売掛保証と同様に、基本的な審査対象は取引先の信用力です。ファクタリングの場合も売掛金を取引先から確実に回収できるかがポイントとなるので、信用力の高い取引先の売掛金(売掛債権)であれば手数料も安く設定される可能性があるといえるでしょう。

 

ファクタリングのよいところは何といっても売掛金(売掛債権)が現金化されるまでのスピードのはやさです。ファクタリング会社によっては当日中に審査結果が伝えられ、即日手元のお金が増えることもあるのでスムーズな対応の業者を選ぶようにしましょう。

 

売掛金を守るには売掛保証とファクタリングのどちらがよいか

売掛保証を利用するとよいのは、資金繰りは正常だけれど売掛金の未回収リスクを引き下げたいと考える企業などです。それに対しファクタリングは、すでに売上として計上されている売掛金(売掛債権)の未回収リスクを引き下げたいのはもちろんのこと、急な資金が必要な場合や資金繰りを改善させたいと考える場合に利用するとよいでしょう。

 

売掛保証とファクタリングはどちらも売掛金(売掛債権)の未回収リスクを引き下げることが可能であり、審査でも取引先の信用力が重視される点は共通しています。

 

ただファクタリングであれば手数料分は確実に売掛金(売掛債権)が目減りしてしまいますが、期日よりも先に代金を受け取ることができます。しかし売掛保証の場合は、取引先の信用力が低下していることを見込んで利用する場合はよいですが、信用力の高い取引先の売掛金(売掛債権)に対し利用してしまうと保証料分損をする可能性があります。

 

その他未回収リスクを引き下げる方法とは

売掛金の未回収リスクを引き下げたいのなら、取引先の信用力が低下していないか情報を入手し続けることが大切です。与信管理を徹底し、もし経営不振に陥っていたり財務状況が悪化していたりという状態が確認できれば、それまでの取引を見直すことも必要となるでしょう。

 

売掛金(売掛債権)はすでに売上として計上されているけれどまだ回収できていないお金ですので、確実に回収できなければ自社の資金繰りは悪化してしまいます。

 

売上は上がり利益は増えていても、手元のお金が不足していれば様々な支払いができなくなり倒産してしまう可能性さえ出てきます。確実に回収できるように、売掛金(売掛債権)は適切な管理を行うようにしてください。

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