会社にとって永遠のテーマとなるのが資金繰りの問題です。大企業であったとしても、創業したての頃は資金繰りの悪化に頭を悩ませていたケースも多いのです。ずっと好景気の会社というものはありません。浮き沈みというものが必ずあるのです。
重要なのは資金繰りが悪化した時にいかに効率的に切り抜けていくのか、ということです。資金のショートが差し迫っているのに、審査に時間がかかる資金調達先を探しても意味はありません。その時々に合わせた資金調達方法を考えて選択していかなければならないわけです。
こちらでは会社の資金繰りの悩みを解決する一つの方法として売掛金の売買を紹介します。売掛金の売買はファクタリングと呼ばれているのですが、どのような特徴があるのかを明らかにしていきます。
目次
売掛金の売買は融資による資金調達とは異なる
・融資による資金調達と売掛金の売買の違いとは
最も大きな違いは返済の有無です。
・融資による資金調達・・・返済あり
・売掛金の売買による資金調達・・・返済なし
融資による資金調達を行った場合ですが、要はローンを利用したことになるわけです。ローンを利用した場合にはどうなるでしょうか。月々返済を行っていかなければなりません。
ビジネス系の融資に関しては個人向けの融資とは異なり、借り入れした翌月から返済が始まらないものもあります。数ヶ月や1年間などの据置期間が存在していることもあるのです。しかし据置期間後は毎月一定額を返済していかなければなりません。
一方で売掛金の売買による資金調達(ファクタリング)は融資ではありません。ローンではないので、月々の返済といった概念もないわけです。売掛金は将来的に入金されるものを約束された売上債権となっています。その売上債権を売却することで資金を調達するのです。ファクタリング業者としては、売掛金を受け取ればそれで取引は完了となります。
要は入金されるものの売買をすることによる資金調達なので、継続した返済は必要ありません。
金利についてもお伝えしておきましょう。
融資による資金調達の場合はローンとなるので金利は発生します。金利については業者によっても大きく異なるわけですが、銀行の場合は1%から5%程度に設定されることが多くなっています。ノンバンクの場合は5%から15%と効率に設定されることも珍しくありません。
一方の売掛金の売買に関しては金利が発生しません。そのかわりに手数料が発生するのです。売掛金の売買は、長くても2ヶ月から3ヶ月となります。入金されれば終了となるわけです。借り入れでもないので金利がつくことはありえません。
一方で手数料が発生するのです。期日よりも早く現金化する事への手数料となっているのですが、手数料率に関しては業者によっても異なります。さらに2社間取引と3社間取引でも手数料率は異なってきます。基本的に3社間取引のほうが手数料率は有利に設定されているのです。
売掛金の売買の審査は売掛先が重要視される
・融資とは異なり審査では自社が重視されない
融資を受ける場合ですが、審査は自社となります。そもそも返済するのは自社となるわけですよね。返済能力があるのか、ということをしっかりと調べ上げられるわけです。
売掛金の売買の審査について中心となるのは売掛先です。そもそも売掛金を支払うのは自社でしょうか。自社ではありませんよね。売掛先が支払うものになっているわけです。その売掛金の売買を実施するのがファクタリングでもあるので、審査については売掛先の支払能力が重視されるわけです。
融資を受ける場合ですが、自社のどういった部分が注目されるでしょうか。例えば決算が黒字であるのか、赤字であるのか、という部分がチェックされますよね。返済能力がある方が良いわけですから、黒字であることが望ましいとされます。しかし売掛金の売買の場合は自社が黒字であろうが赤字であろうがあまり関係ありません。重視されるのは売掛先の決算なのです。売掛先が黒字であれば支払能力があるということになり、ファクタリングの利用できる確率がアップします。
融資を受ける場合には税金の支払い状況もチェックされます。税金がしっかりと支払われていれば問題ありません。しかし税金が未納状態になっていると返済能力に問題があるのではないか、といったことが思われてしまうわけです。借り入れについては税金未納状態だとかなり難しい、ということになってしまいます。
一方で売掛金の売買である場合には、自社が税金未納状態であったとしても関係はありません。売掛金を支払うのは自社ではないからです。それよりも売掛先が税金をしっかりと支払っているかが問題になるわけです。
融資の時は借入件数や借入額が審査対象となります。企業として多くの借り入れを行っている場合には、返済能力に問題がると判断されてしまうので、審査が圧倒的に難しくなってしまいます。融資を受けるためにはなるべく他社借り入れ件数や借入額が少ないほうが良いのです。
売掛金の売買の場合には、自社の借入件数や額についてはとくに問題になりません。売掛金を支払う売掛先の借入状況のほうが大きな問題になるからです。
このように融資と売掛金の売買は審査対象が大きく異なる、といった特徴があるわけです。要は融資が受けられなかった会社であったとしても、ファクタリングであれば利用できるチャンスが大いにあります。
売掛金の売買における3社間取引の特徴とは
売掛金の売買で注目すべきなのが3社間取引です。3社間取引は自社とファクタリング業者だけが関わるわけではありません。売掛先も大きく関わってくるのです。
3社間取引は売掛金の回収がファクタリング業者によって直接行われる、といった特徴を持っています。要は支払期日に売掛先からファクタリング業者へ直接入金される、といった特徴を持っているわけです。2社間取引の場合は自社が仲介することになるのですが、3社間取り引きの場合は仲介しないことになるので、ファクタリングの利用が売掛先に発覚してしまうわけです。
もちろん売掛先に発覚しても問題ない、といったケースもあるでしょう。長く取引している会社であれば理解してくれるかもしれません。しかし業者によってはファクタリングの利用について理解してくれないこともあるのです。今後の取引にも問題が発生してしまうかもしれません。
より安全に売掛金の売買を行うためにも、前もってファクタリングを利用しても大丈夫そうな企業とダメそうな企業を選別しておくのもおすすめです。大丈夫そうな企業の売掛金が一定額あるのであれば、3社間取引を利用するのです。
・3社間取引のメリットとは?
売掛金の買取額が高く設定されます。
要は手数料率が低めに設定されるのです。
ファクタリング業者としても、売掛先から直接的に回収できるのでリスクが低い、ということになるわけです。2社間取引のように一旦依頼業者が回収してから支払ってもらう、となるとリスクが出てきます。依頼業者が使い込んでしまい支払ってもらえない、ということも考えられるわけです。
ちなみに3社間取引の手数料率については1%から5%程度となっています。例えば1,000万円の売掛金を手数料率3%でファクタリング利用したとすると、手数料は30万円となります。入金額は970万円にもなるわけです。
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