儲かっているのになぜ倒産するの?|売掛金と黒字倒産の関係

2018/03/22
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業績は良いのです。売上も伸びており、会社としては景気が良いはずなのに実際に倒産してしまう事例があります。摩訶不思議なことではありますが、日常的に起きていることでもあります。

こちらでは黒字倒産が起きてしまう理由についてお話します。実は黒字倒産には売掛金や受取手形が大きく関わっているのです。売掛金や受取手形が多くある、という会社は実は危ないかもしれません。

売掛金や受取手形の比率が高い会社の経営者の方は必見です。

 

黒字倒産事例1|取引先が倒産することで自社も倒産する

・売掛金や受取手形が入金されない

メインの取引先が倒産してしまえば、大きな影響を受けることは避けられません。特に注意しなければならないのが、数千万円と行った規模の売掛金や受取手形があるケースです。

仮に倒産をされてしまえば、それらの高額な売掛金や受取手形が入金されなくなってしまいます。もちろん取引先が倒産したからといって回収できないわけではありません。しかし倒産するということは、その会社は融資を受けているはずです。その融資を受けるために資産に抵当権がついている可能性が極めて高いわけです。そうなると全く回収できない、という可能性も捨てきれません。

予定されていた入金がないのだけでもきついのに、全く回収ができないともなれば今度は自社が支払い困難になってしまいます。買掛金の支払いや金融機関から融資を受けている場合には返済ができなくなってしまうわけ。

早めに資金調達ができれば問題ありませんが、取引先の倒産が前触れなく起こってしまった場合には手の施しようがないことも考えられるのです。

・経営者はどのように対処すればよいのか?

①取引先の倒産を予見する
②取引先を分散する(1社に頼らない)
③現金取引を重視する

事前に取引先の状況を把握しておく他ありません。前もって取引先の状況を確認できていれば、事前に取引量を減らして倒産によるリスクを引き下げることも可能です。またファクタリングなどを利用して、早めに売掛金を現金化してしまう事もできるわけです。

取引先企業が続けざまに倒産していくことを連鎖倒産と呼んでいるわけですが、前もって取引を分散させることも大切です。1社におんぶにだっこ、といった状態であれば、その会社が倒産すれば何もできなくなってしまいます。難しいかもしれませんが「メインの取引先を持たない」ということも経営の防衛には役に立ちますよ。

現金取引をメインにする、ということも取引先の倒産による黒字倒産を防ぐ方法となります。しかし現金取引には応じていない企業もあるので難しいかもしれません。

 

黒字倒産事例2|借入金の返済ができなくなり倒産する

・返済するための現金がないことによる倒産事例

売上は好調であったとしても、売掛金の入金は1ヶ月後から2ヶ月後。受取手形に至っては、2ヶ月後から3ヶ月後となるケースも珍しくありません。

特に急に売上が伸びた会社に起こりがちなのが、売上はアップしているものの会社の資金は枯渇している、といった状況です。銀行などから融資を受けている場合には、毎月返済をしなければなりません。しかし売上は良くても会社に現金がないので返済ができません。

金融機関に返済ができないとなると、資産などの差し押さえが行われてしまう可能性もあります。滞納状態が長く続けば、工場などの不動産を差押えされてしまうかもしれないわけです。事業の根幹が抑えられることになり、経営ができなくなり倒産へ至るわけです。売上があったとしても状況によっては返済ができなくなる典型的な事例です。特に借り入れがある、という方は返済金の確保は最重要課題なのです。

売上が伸びると、どうしても仕入れを強化してしまいがちです。しかし仕入れるということはお金が必要になるわけです。しかも買掛金の支払いが先にくるような状況になってしまうと、会社の現金が枯渇してしまいます。いわゆる資金ショートといった状態になることも考えられるわけ。

・経営者はどのように対処すればよいのか?

①コストを削減する
②さらなる融資を受ける
③手形割引を利用する

ビジネスチャンスがきているので難しいとは思いますが、経費を削減するような対策が重要です。売上が右肩上がり、ということはコストも増えるわけです。製造業であれば原材料を多く仕入れることになります。卸売業であれば商品を仕入れます。売上が大きくなるということは仕事量が増えるので社員を増やすかもしれません。

それらの全てに資金が必要になってくるわけです。今回の事例の黒字倒産を防ぐためには、わざと売上を抑えて資金を確保する、といった方法でも対応できます。売上アップのチャンスが来ていたとしても、資金がショートして倒産したのでは意味がありません。会社に一定の資金が残り返済ができるようにした状態で経営するのです。

業績が良いので、さらなる借り入れで凌ぐ方法も良いかもしれません。提出する資料の内容を見て金融機関側も「問題なし」と判断してくれれば、さらに借り入れできるケースもあるのです。しかし借り入れを重ねると月々の返済金がさらに大きくなってしまいます。好調が続く確証がなければ難しいかもしれません。

受取手形があるのであれば、手形割引を利用する手もあります。受取手形は特に入金するまでには時間がかかってしまいます。時間がかかるからこそ倒産してしまうわけです。受取手形を利用して早めに現金化してしまえば、資金が確保できるので黒字倒産は避けられますよ。

※手形割引を利用する際は、信頼できる取引先のものを選択してください。受取手形が回収できないような状況になると、自社に請求されてしまうのです。

 

黒字倒産事例3|税金が納められずに倒産する

・売上の重視するあまりに税金を忘れてしまう

会社には目標というものがあると思います。
「今季の目標は8,000万円」などと掲げている会社もあるでしょう。

そこで期末などに営業を頑張って一気に目標を達成する事例も少なくありません。しかし期末周辺での売上のほとんどが受取手形や売掛金となってしまうと、税金の支払いまでに現金が確保できない、というケースも考えられるわけです。

売掛金や受取手形が入金するまでには数ヶ月掛かることも考えれます。目標の達成に力を入れすぎてしまった結果、税金を支払う能力がなくなってしまったのです。

税金については、売上の発生時点が関わってくるわけです。期末に駆け込みで売上があると、その売上が当期純利益に関係してきてしまい、一気に税金の発生額が増えることもあります(法人税)。期末の急激な売上のアップ、というものもリスクが有るのです。

もちろん税金が支払われていなかったとしても、すぐに倒産するわけではありません。入金後に改めて支払う方法もあります。しかし税金が未納である、ということ自体が会社の経営に暗い影を落としてしまうのです。たとえば税金が未納になってしまうと銀行融資が受けられなくなる可能性が高いです。税金が未納である事実が今後の資金繰り悪化の原因になってしまうこともあるので注意しましょう。

・経営者はどのように対処すればよいのか?

①目標達成にこだわりすぎないこと
②税金が未納になる前に資金調達する

目標を達成しても会社の経営は続いていくわけです。その後の経営のことも考えなければなりません。
目標を設定するのは大切ですが、固執しすぎるのは良くありません。柔軟に対応すべきなのです。

税金未納でなければ融資が受けられるチャンスはあります。税金の支払いが発生する前に、借り入れをしておきましょう。事前に資金調達しておけば問題ありません。

黒字倒産事例4|必要以上の在庫がある

・仕入量が多すぎる
・商品がさばけずに膨大な在庫を抱えてしまっている

上記のような状態になってしまうと、企業として大きな負担となってしまいます。いくら売上が良かったとしても、その売上を上回るような仕入れをおこなっていれば出ていくお金のほうが結果的には多くなってしまうかもしれません。

また注意しなければならないのが、仕入れした商品や原材料などは自社が管理しなければならない、ということです。管理費がかかってくるわけです。
商品や原材料はどこに保管しているのでしょうか?倉庫を借りている、という企業もあるのではありませんか?
大量の仕入れを行ってしまえば、今の倉庫は手狭になりより広いところが必要になるかもしれません。より大きな倉庫を利用するようになると、毎月の賃料も高くなってしまうのです。企業として大きな負担になり、資金繰りが悪化してしまいます。

経営者はどのように対処すればよいのか?

会社に一定の資金が残るようなバランスで仕入れを実施してください。また在庫はなるべく抱えないようにすることも大事です。もしも大量に仕入れて急に売れなくなったら、それこそ目も当てられない状況になってしまいます。景気などの動向も加味しつつ、その時の状況に合わせた仕入れが必要になってくるのです。

黒字倒産事例5|設備投資の見通しの誤り

・設備投資による回収が見込みと異なるケース

会社としては事業を拡大するために設備投資をするケースも珍しいことではありません。経営的にも勝負をかけなければならない時期、というものが存在しているわけです。

そこで設備投資を実施して売上をさらに増やそうとするわけですが、必ずしも目論見通りにいくとは限りません。設備投資を行うときには、どのくらいで投資した分を回収できるかを予測します。

基本的には2年間から3年間程度で回収できる、と考えて設備投資をするわけです。しかし必ずしもその予測通りにいくとは限りません。結果的に5年間や6年間かからなければ設備投資分を回収できない、ということも考えられるわけです。

・経営者はどのように対処すればよいのか?

見通しの誤りによって資金繰りが悪化して黒字倒産に至ってしまうケースもあります。設備投資は特に高額になります。店舗や事務所を増やす場合には、不動産の購入費用や賃料などがかかってくるわけです。今後かかってくるコストという部分も加味して設備投資をするか考えなければなりません。

回収が難しいという結果が出た場合は、勇気を持って撤退することも大事です。状況が好転したときに再び設備投資をするか検討すれば良いのです。

黒字倒産事例6|入金よりも支払いが先にくる

・創業してから間もないときには特に注意すること

前述したように、企業間取引は基本的にツケです。後で支払ったり、入金があったりするわけです。

そこで問題になるのがいつ入金するのか、いつ支払うのか、という部分です。仮に支払いが先に来て入金があとに来る、という状況を想定してみましょう。入金がないのに支払うというのはかなり難しいですよね。会社のお金を取り崩して支払いを行わなければならないかもしれません。特に創業してから時間が経っていないときには、企業的な体力もありません。支払うため資金が足りなくなる、ということもあるわけです。

・経営者はどのように対処すればよいのか?

創業してから間もないときには、まず入金がくるようにしましょう。そして支払いがあとに来るようにするのです。買掛先に連絡して送らせてもらう、という方法もあります。前もって連絡しておけば、対応してくれるかもしれません。迷惑をかけてしまうことになるかもしれませんが、何も言わずに支払いが遅れるよりはマシです。

支払いサイトについて考え直してみるのも良いでしょう。売上債権の入金間隔を短くして、支払い間隔を長くするのです。

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