資金繰りが悪化すると安易に手を出してしまうのがビジネスローンです。確かに審査もそれほど厳しくなく利用しやすいのは確かですが、返済に困り今後の資金繰りを悪化させる原因になってしまいかねません。
そこでビジネスローンを利用する前に、その他の資金繰りの改善方法を試す必要があります。こちらでは資金繰りの改善方法としておすすめのものを幾つか紹介します。
資金繰りが悪化しつつも「数ヶ月程度は対応できる」といった時間的な余裕がある方は必見です。
目次
休眠資産を発見して現金化する
・休眠資産とは?
会社の資産となっているものの、資金化していないもののことをさしています。資産であれば現金化して資金繰りの悪化を防げるわけですが、そもそも休眠資産を把握していない、といったケースも少なくありません。
まずは会社の休眠資産をあぶり出すことが重要なのです。
・回収期限が過ぎている売掛金はありませんか?
休眠資産となりがちなのが売掛金です。売掛金は期限がくれば現金化され入金されるはずですが、取引先の事情で先延ばしになってしまう可能性もあるのです。仮にずっと回収していないと、売掛金の時効を迎えてしまうかもしれません。時効を迎えてしまう前に確実に回収しなければならないのです。
「売掛金を請求しても支払ってもらえないのでは?」といった諦めの気持ちを持っている方もいるかもしれません。しかし中には単に買掛金の支払いを忘れているケースもあります。請求をするとすぐに支払ってくれるようなことも多くあり、回収期限を過ぎている売掛金があればとりあえず請求してみましょう。
※回収できない場合には法的手段に出て、強制執行などの対応を考えても良いかもしれません。
・有価証券がたくさんありませんか?
会社の余裕がある時には有価証券(株式)を買うケースもあります。その有価証券を現金化せずに保有し続けてしまう会社も数多くあるのです。
有価証券については、売却時に利益が出ることもあれば損が出ることもあります。しかし損が出たとしても売却することで会社としての資金は増えることになります。資金繰りは改善することになるので、特に必要性がない有価証券については利益が出なかったとしても現金化して資金繰りの改善を図りましょう。
もちろんすべての有価証券を売却する必要はありません。どの程度の資金が獲得できればOKなのかを計算し、その必要額に到達する程度の有価証券を売却すればよいのです。
・商品が在庫化していませんか?
販売できると踏んで多くの仕入れを行った際に起きがちなのが商品の在庫化です。在庫はできるだけない方が良いです。管理コストがかからないですみます。
商品が在庫化している場合には、安価な価格で販売して現金化する方法もあります。今後売れるかわからないまま在庫化するよりは、利益が出なかったとしても一定の資金を確保するほうを優先すべきなのです。
将来の資金計画を予測する
・収入と支出を正確に予測すること
資金繰りが悪化している場合には、今後を予測することも大事になります。来月はいくら入金していくら出金するのか、ということを予測し、2ヶ月後3ヶ月後とチェックしていくわけです。
資金計画を正確に予測できれば、そもそもいくら資金が足りないのか、ということもわかります。結果的にビジネスローンを利用しなければならないような状況に陥ってしまったとしても、いくら資金が足りないかを把握しなければ借入必要額もわかりませんよね。将来の資金計画は非常に重要なのです。
将来の資金計画については、希望的観測で行ってはなりません。必要になる資金に大きな差が生まれてしまうかもしれないのです。
毎月の入金額と出金額を参考にして、より現実性のある資金計画を行ってください。もしかすると資金繰りが困難になるのが一時的であることが分かるかもしれません。数カ月後には資金繰りが改善して、経営難の状態は回避できる、といったことまで資金計画で見えてくるかもしれないのです。
手元の資金がどれだけあるかを正確に把握する
・資金の現状を知ることが大前提
資金繰りの悪化、ということですが、そもそもそれは事実なのでしょうか。中小企業であれば、資金の現状の把握はそれほど難しくはないでしょう。事務所も一つしかなく支店もない、といった状態であれば、会社にある金庫は一つだけでしょう。口座も一つしかないと思います。手元の資金はすぐに把握できるはずです。
一方で事務所が多数あったり、全国に支店があったりというケースであれば手元の資金の計算は難しくなります。もしかすると把握していない口座などが発見出来るかもしれません。各店舗に小口現金があり、本社でも確認が取れていないものがあるケースも珍しくはないのです。
手元の資金があるのに資金繰りが厳しいと勘違いしてビジネスローンを利用しても意味がないですよね。自社で賄えるのであれば、ローンを利用せずに対応するべきです。
銀行からの借り入れを検討してみる
・最初から諦める必要はない
「前年度が赤字だから・・・」
「中小企業だから・・・」
「業歴がそれほど長くないから・・・」
「債務超過になっているから・・・」
上記のような言い訳をして銀行からの融資を諦めていませんか?チャレンジせずに諦めているのであれば、まずは一度申し込みだけでもしてみましょう。もちろん銀行は審査に時間をかけてくるので、ある程度は余裕がある状態の企業でなければ難しいと思います。しかしビジネスローンは金利が非常に高いので、利用するのは危険です。貸付条件がより有利な銀行融資も検討すべきなのです。
・銀行との交渉について
銀行からの融資を受けるためには、銀行を納得させる必要があります。自社の融資をすることがどれだけ安全なのかを伝えなければなりません。
まずはどのくらいの金額がなぜ必要なのか、といったことを明確に説明しなければなりません。「資金難なのでこのくらい貸してください」だけでは銀行は融資してくれないのです。
「このような理由で〇〇〇万円必要であり、融資後の返済も問題ない」といったことを伝えなければならないのです。
書類としては事業計画書が必須となります。事業計画書にて「融資されたお金をどのようなことに使い、その結果どのような経営状態になるのか」も説明しなければなりません。事業計画書については、単なる希望を述べるだけではだめです。現実味のある内容にして銀行の首を縦に振らせるのです。
売掛金があるなら一時的な資金調達法もおすすめ
・ファクタリングを利用してみよう
売掛金はあるものの資金繰りが悪化している、というケースも多いのではありませんか?
「来月や再来月になれば入金される売掛金があるが、現状は資金がショートしそう」といった企業も多いと思います。
そこで売掛金を早期現金化してしまうのです。業者に対して売掛金を売却して、資金繰りを改善させます。ファクタリングは売掛金の売却なので、特に返済は必要ありません。売掛先から売掛金が入金されたら業者に振り込むだけです。
ファクタリングについては、時間的な余裕が無い時に特におすすめです。ビジネスローンの融資スピードは早いですが、ファクタリングも負けてはいません。業者によっても審査スピードや融資スピートは異なりますが、最短即日で対応してくれるところもあるのです。
急な資金繰りの悪化に苦慮している方は売掛金の売却も考えましょう。
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