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売掛金に金利をつけるのは合法?支払い遅れがあるときの対応

ビジネスローン2018/01/25

飲食業や店舗などを経営していると、取引先から仕入れ値を払ってもらえない「売掛金の未払い」が生じるケースが多々あります。こちら側としても別の取引先に仕入れ値を払う必要がある場合には、このような支払い遅れは痛手になりますよね。支払いの遅れを繰り返されるとその怒りも強まり、金利をつけての入金を要求したくなるのが本音と言ったところでしょうか。

実際に売掛金の延滞に対して金利つきでの支払いを要求する事業主は存在するそうで、珍しいケースではないと言われています。そこで今回は売掛金に金利をつけるのは果たして合法なのか、取引先からの支払い遅れが生じた場合にどのような対応をすべきかについてお話しします。相手の怠慢に泣き寝入りする結果にならないよう、ぜひ今回の記事をご活用ください!

1.「損害遅延金」として請求するなら問題ない

銀行による融資やビジネスローンでは、金利つきでの融資金額の返済を要求します。これに対して売掛金は金融商品として分類されないため、「金利つきでの返済」は合法的だとは言えません。

しかし、売掛金の支払い遅れが発生している場合には、こちら側としては「損害遅延金」を請求する権利があります。「売掛金の支払いが遅れで金利を要求された。金利を求めることはできないはずだから、応じるつもりはない」と話す事業主をよく見かけますが、このケースでは相手は損害遅延金の意味で言っていることを押さえておく必要があります。金利という言葉は不適切となりますが、損害遅延金なら何ら問題のない対応です。

 迷惑料として解釈すべき

未払いを繰り返す側としては、「こちらにも事情があるから」「少しくらい遅れても問題ないはず」と思い、損害遅延金を求める事業者を煙たく感じてしまいがちです。しかし、事業を運営するのならお金のやりとりをしっかり守るのは最低限の条件であり、未払いのままで平気でいられる相手にこそ問題があります。

実際に売掛金の未払いを繰り返されると、取引先に多大な迷惑をかけます。仮に取引先が未払いを気にしないほどの黒字経営を継続できているとしても、金銭感覚がルーズな相手にはさすがにいら立ちを隠しきれないはずです。取引先から損害遅延金を要求されたら迷惑料としてとらえ、1日でも早く支払いに応じる必要があります。

「金利」という言葉には少し違和感があるものの、「損害遅延金」「迷惑料」としての意味合いでなら、十分に合法な対応が可能になります。金銭感覚にルーズな取引先に同じミスをさせないよう、遅れに対しては厳しい態度をとりましょう。

2.利息のつけ方には上限がある

「損害遅延金」として金利を要求することには問題ありませんが、だからと言って法外な金額を求めることは不可能です。怒りに任せて迷惑料を取りすぎるとこちらの立場が悪くなりかねないので、法律上で決められた限度額を確認しておきましょう。

売掛金の支払いに遅れが生じると、利息制限法による規制を受けることになります。

金融機関の金利は最大で20パーセント

実際に金融機関やビジネスローンでの融資では、金利をつけての返済が義務付けられています。また、個人・法人問わず、利息制限法による規制対象となります。

この場合、金利は最大でも20パーセントとなり、それ以上の高金利は認められません。実際に金融機関では2パーセント、ビジネスローンでは3~20パーセントが主な相場だとされています。原則的に20パーセント以上の金利を要求することは禁じられているため、それ以上の高金利での融資をうたう業者を見かける場合、その業者は違法行為をおこなっている可能性があります。

損害遅延金の上限は29.2パーセント

売掛金の未払いに対する損害遅延金も、利息制限法の規制を受けることになります。上限としては貸付利息の1.46倍でとなります。また、ビジネスローンなどで融資を受ける場合、年20パーセントの金利がつけば遅延損害金は最大29.2パーセントまでとなります。

つまり、こちら側としても法外な損害遅延金を要求することはできません。万が一こちらの社会的地位を落としかねないケースもあるため、利息をつける場合には慎重になりましょう。

売掛金の金額によって利息が異なる

売掛金の金額で利息が異なる場合もあります。例えば売掛金額が10万円未満であれば年20パーセント、10万円以上から100万円未満は18パーセント、100万円以上では15パーセントまでが上限となります。

売掛金の支払いが遅れているとそれ相応の利息を要求したくなりますが、ここでも規制の範囲内で事を進めていく必要があります。

3.売掛金の支払い遅れが発覚したら

事業の運営に仕入れなどの出費が必要となる場合、売掛金の未払いは大きな痛手となります。事業者としては金銭感覚にルーズな取引先はぜひとも避けたいものですが、現実的にはなかなか難しいものです。そこで、取引先からの未払いが生じたらどうするか、その対策についてお話ししていきます。

連絡して支払い遅れを伝える

1回や2回の範囲内であるならば、支払いが遅れている旨を伝えましょう。お金を要求することに気が引けるかもしれませんが、相手もこちら側の商品やサービスを利用しているのですから、対する支払いは当然の義務です。

あまりに対応がひどければ内容証明の送付や催促など、毅然とした態度をとりましょう。法的な対応も辞さないことを伝えれば、この段階で支払いに応じてもらえるケースもあります。

弁護士に相談する

相手がかたくなに支払いを渋る場合には、弁護士に依頼して法的手段を遂行しましょう。支払いが遅れているだけでなく、「商品やサービスが気に入らなかった」などと言い訳をして支払いを渋る取引先も少なくないためです。

商品の満足度はともかく、利用した以上は支払いの義務が発生しています。義務さえ果たせずに苦し紛れの言い訳をする相手には、こちらとしても厳しい態度で臨む必要があります。

ただ、弁護士に依頼するのにも費用が掛かるので、未払い金額に相応するかも確かめておきましょう。

行政から融資を受ける

取引先企業が倒産して売掛金を支払えない状態にある場合は、こちらの事業にも悪影響をもたらします。そこで公的融資の「取引企業倒産対応融資」を利用すると、当面の運転資金を得られます。

50万円以上3,000万円以内なら融資対象となり、8年以内の返済となります。返済に伴う金利は状況によって異なるため、申し込みの際に相談しましょう。

 

売掛金の時効に注意!

未払いを指摘しても支払いに応じない場合、取引先が「売掛金の時効」を期待している可能性がありますので、十分に気をつけましょう。時効の年数は業種によって異なりますが、1~3年の間で成立すると言われています。

もちろん時効をストップすることも可能ですが、時に相手が狡猾に動く場合もあります。ルーズな取引先に惑わされることがないよう、支払いの遅れには厳しく対応しましょう。相手にとっては負担となりますが、連絡が取れる限りは催促を継続することをおすすめします。

事業者にとって売掛金の支払い遅れは、極力避けたいもの。逃げられた挙句に時効が成立するなどの悲劇を防げるよう、可能な対応は迷わずに遂行していきましょう。また、利息制限法をはじめとする規制を守り、ご自分の立場が悪くならないように予備知識を深めておくことも、また大事なポイントです。

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