会社を立ち上げている人や、個人事業主の方が利用しやすく作られているのがビジネスローンです。実際に使われているローンの中には、色々なタイプのビジネスローンが用意されていて、リスクや金利設定などが大きく異なっています。どのような形式を利用したとしても、メリットとデメリットが当然生まれてくることになりますので、将来的なリスクを軽減するために何を行っていくのがいいのかしっかりと考えてください。
目次
ビジネスローンは初心者におすすめ
これまで会社の経営などを行っていなかったり、個人事業主となり仕事を行っていく場合には、ビジネスローンは有効になります。会社を立ち上げたばかりの状況でも、審査を通過できる可能性を持っているからです。審査に落とされるような状況が続き、ローンを使えないような状況になってしまうことが避けられるので、安心して利用し続けることができます。
初心者の方には安心できる要素がもう1つあります。それは会社側に相談を行いやすいことです。ビジネスローンは、対応している会社が相談に応じてくれることも多くなっているので、困っているときに相談しておけば解決できることが多くなります。話をしてから融資を受ける決断を行っても問題はありません。
初心者向けとされている一方で、経営が安定するようになると、ビジネスローンのサービスは使いづらくなってきます。最初のうちは安定させるために活用できるのですが、安定し始めると融資をしてくれる金額が小さくなっているように感じて、他の融資を受ける傾向が多くなってしまいます。
ビジネスローンの種類を知っておこう
ビジネスローンにも、幾つかの種類が用意されています。これによって、融資を受けられる金額が変わっていきますので、種類については十分に理解をしてから考えてください。
不動産担保型ビジネスローン
不動産を担保に出すタイプのビジネスローンです。不動産担保ローンとほぼ変わりませんが、ビジネスローンとして活用する場合のみ利用できる設定となっています。個人的に利用したい場合は、普通の不動産担保ローンを選択することになります。
こちらを利用するメリットは、基本的に融資額が大きくなることです。多くの会社が1000万円以上の融資に対応しており、1億円近くまで融資を受けられるようにしています。ただ、不動産の金額によって融資額は制限されるので、最大まで受けたいと思っている場合でも苦労する傾向があります。
担保に出すことは、支払えなかった場合に不動産を差し出すことになります。売却して回収されるような状況となりますので、支払えなかった場合のリスクが非常に大きくなります。ビジネスローンでも、リスク自体はかなり大きなものとなっていますが、その分だけ借りられる金額が多くなっていることでメリットを得られます。
不動産担保を出さないビジネスローン
もう1つの方法が、不動産担保を出さないようにしているビジネスローンです。こちらの場合は、ビジネスローンでも利用しやすい設定となっています。無担保で利用できるものもありますので、余計なリスクが生じてしまうこともありません。安心して利用できる形になりますので、初心者の方はこちらの方がいいです。
その一方、借りられる金額がかなり小さく、思っていたような融資を受けられない傾向があります。金額が多ければ多いほど安心できる部分もありますが、あまり金額を貸してくれない傾向にあります。1000万円以下に制限されることも多くなっており、会社によっては財務状況をチェックした上で、100万円以下という選択肢も当然あります。
担保を出さない形式を採用しているところは、消費者金融や信販会社が多くなっています。普通のキャッシングと同じような方針で使っていくことになるローンですので、ビジネスローンでも支払いのリスクが高くなります。金利が高くなる傾向も多いので、他のサービスとしっかり比較することも大事です。
それぞれに不安材料が残される
不動産を担保に出す場合は、高額な融資に応じてくれる会社が多くなっていますが、審査が厳しい傾向にあります。ビジネスローンを利用したいと思っているのに、不動産の状況が思わしくないから駄目とか、希望額に到達できるような不動産とみなされないだけでも審査に落とす場合があります。
更に、不動産担保は、支払えなかったときの問題が非常に大きくなってしまいます。持っていた不動産が消えてしまうことになりますので、事業に失敗したときの負担が大きくなってしまうのです。
一方で不動産担保を使わない方法なら、リスクは小さいように感じられます。しかし、融資を受けられる金額が小さすぎることで、会社の経営を安定させるまでの金額に到達できないことが多いです。その上で金利が高く設定される傾向にありますし、カードローンのような使い方も多くなってしまうので、不動産を担保に出さない形式も不安材料があります。
ビジネスローンと他のサービスの比較
多く利用されるようになったビジネスローンですが、他のサービスとの比較もしっかり行っていかないと、あまりいい結果が得られない可能性もあります。他のサービスについても検討していく必要があるので、ビジネスローンとの違いを知っておきましょう。
ビジネスローンと金融機関の融資の違い
金融機関から融資されている場合は、高額な融資にも対応できます。ビジネスローンの場合は、制限されていることが多いことに加えて、不動産担保の金額が上限とされていることも多くなるため、あまり多くの金額を借りられない傾向があります。こうした傾向を考えると、ビジネスローンのほうが借りづらいです。
金融機関の問題は、審査が厳しくなっていることと、こちらも不動産の担保を要求されることが多いです。担保がなければそもそも融資は実現されないと書いている会社もありますので、負担はビジネスローンを超えてしまうケースがあります。しかも金融機関は、あまり経営状況が良くない会社には融資を行わない傾向がありますので、結果的に経営が悪いと融資を受けられる方法がなくなってしまいます。
ビジネスローンと増資の違い
増資は、経営をある程度安定させて、株式を発行できるようになってから行うものです。ローンという形ではなく、支払いは行いません。その分だけ配当金という形でお金を出さなければなりませんが、配当金は経営の状況によって変更できるので、経営が悪化しているようなら中間配当をなくす方法も使えます。
増資の場合、株式を購入してくれないことにはお金を捻出できません。大量に購入してくれる企業や個人が必要になってきます。ビジネスローンの場合、会社に依頼を出しておけば融資を実現できる可能性があるので、手間という部分ではビジネスローンのほうが楽です。
株式を発行しているリスクとして、会社の経営権を掌握される可能性があり、乗っ取りなどの可能性も当然生まれてきます。ビジネスローンにはないリスクを背負って、増資という形を採用しているのです。ビジネスローンを使っていたほうが、将来的なリスクはありませんが、金額は増資のほうが圧倒的に多く得られる傾向があります。
ビジネスローンとファクタリングの違い
ファクタリングは、売掛金を購入してもらう方法で融資を受けることができます。売掛金は、支払われるまでにかかる時間がかなり影響してくるので、早く受けたいと思っている会社が多いです。そこでファクタリングに対応している会社にお願いして、売掛金を購入してもらい早期の支払いを受けます。
ファクタリングは、ビジネスローンと違い融資額の限界が非常に大きくなっています。更に不動産の担保が必要ありません。不動産を出さなくてもいいのに、1億円近い金額の融資設けられるようになりますから、事業展開を早めたいと思っている企業には最高の方法です。
一方で売掛金が発生していない場合、ファクタリングを利用できません。特に準備もしていない状況から利用できるビジネスローンと異なり、事前の準備が必要となります。そして、売掛金を譲渡できる契約を行っていないと、ファクタリングで売掛金を購入してもらえません。相手企業との交渉次第では、ファクタリングが使えない状況になります。
形式自体も異なっており、ビジネスローンは借入という方法ですが、ファクタリングは債権という形式になります。債権を購入してもらうことで得られる金額となり、早期の現金化を図るために利用している方法と考えてください。
違いを理解してサービスを検討する
ビジネスローンは、最初のうちは利用したいものですが、途中から厳しい状況になってきたり、借りられる会社があまり多くなりません。不動産担保ローンを活用して、高額な融資を狙っていく方法もありますが、ビジネスローンよりも金融機関に相談して、融資を実現したほうが金利面で優遇されることもあります。
増資やベンチャーキャピタルを利用する方法は、そもそも会社側が増資を行っている形式ですので、ビジネスローンとは全く違う方法です。立ち上げてからすぐに実現できる方法ではありませんから、基本的にある程度安定させてから利用してください。ビジネスローンを活用して成長させ、最終的に増資を行って更に会社の発展を行う方法も基本的な手法とされています。
ファクタリングは、ビジネスローンすら利用できなくて困っている企業が活用していく方法です。ビジネスローンでも落とされてしまうものの、売掛金が残されているなら現金にすることが可能です。お金が残されているようなら、売掛金から会社を立て直すことが可能ですので、お金で困っているときにも使いやすい手法となります。
ビジネスローンだけが対象となるわけではなく、他の方法もうまく活用していくことで、より多くの融資を期待していくことが大事になります。使う順番などによって、もしかしたらメリットを大きくして、経営の安定化を図りやすくなるかもしれません。
事前に全ての計画を考えよう
ビジネスローンを利用する場合でも、不動産の担保が必要となる可能性もありますので、事前にしっかりと考えていく必要があります。更に、事前の準備によって、他の手法についても考えられるようになってきます。ビジネスローンだけに頼るのではなく、他の方法によって融資を受けることも検討してください。
融資を受けられる方法によって、将来的に会社の経営が変わっていくようになります。経営をかなり安定させるような融資を受けられる場合と、逆に経営を苦しませるような状況を作る融資があります。ビジネスローンの場合は、金額を調整して借りられる部分もあるので、最初のうちは活用していることで不安定な状況を作らない良さを持っています。
他の方法を使っていく場合は、ビジネスローンとどのような部分で違いを持っているのかに加えて、なるべく準備を進めるようにしてください。手法によっては、準備するものが異なってくる傾向がありますので、必要なものを準備できない場合は、融資を受けられないのです。
わからないときは相談も行ってみる
ビジネスローンに関連している相談だけでなく、他の手法についても検討してもらえるように、契約している税理士やコンサルタントなどに相談してみるのもいいでしょう。融資の方法のについてしっかりと話をしてくれて、決定までの不安を軽減してくれる可能性があります。
相談を行わずに決めてしまうと、将来のリスクを把握することができなくなります。相談をしっかりと行っていることで、不安に思われる部分をなくしたり、専門家がおすすめするような融資を受けられるようになります。特に会社を作ったばかりであれば、専門家に聞いてから方法を決定した方がいいでしょう。
ビジネスローンは使える融資の1つと考える
審査を通過できる可能性をある程度持ち、これから仕事を始めたいと思っている企業や、ある程度の実績を持っているものの、融資をローンによって行いたいと思っているなら、ビジネスローンを活用していくといいでしょう。他の方法に比べると、無理をしないで融資を受けられる可能性があります。
何処かで他の方法に切り替えるように考えていくのも大事です。ファクタリングのように、売掛金を早期に現金に変えていることで、融資を安定させる場合もあります。ビジネスローンだけに頼らないで、他の方法も一緒に検討しながら、一番理想的な経営を作れる方法を考えましょう。
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