《2020.9更新》ファクタリングで必要とされる債権譲渡登記はオンラインで申請可能?

企業が保有する売掛金を売ることで資金を調達できるファクタリング。ファクタリング契約の際には、債権譲渡登記が必要なので別途費用がかかるという説明を受けることがあります。

その際にオンラインなどを使うのか?そもそもどのような流れで登記が申請されるのだろうか…と疑問を感じたことはないでしょうか。

登記の申請といえば、不動産の所有者を変更する登記や資金調達の場面で抵当権を設定、または解除といった登記が一般的です。

ファクタリング会社が買取る売掛金に対して登記を行うと耳にしても、馴染みがないため方法がよくわからないしリスクに感じる方もいるでしょう。

また、申請手続きは資金を貸付る銀行依頼の司法書士などに任せているので、特に自分が関わることもないという方も少なくありません。

そこで、ファクタリングにおいて必要とする債権譲渡登記のメリットやデメリットを踏まえ、どのような流れで登記が申請されるのかご説明します。

 

債権譲渡登記の方式の種類

ファクタリングは未回収の売掛債権を売却して資金調達する方法であるため、融資を受けるわけではないことから担保も必要なく、返済負担を負うこともありません。

ファクタリング会社によっては即日現金化が可能のなるなど、迅速性が高い資金調達方法ではありますが、利用する際には手数料が発生します。

その手数料を左右するのが債権譲渡登記ともいえます。

現在、債権譲渡登記の方式は3種類あり、それぞれ内容に違いがあります。

債権譲渡登記は他の登記手続きよりも申請数は多くない登記のうちの1つといえますが、ファクタリング利用において行われる登記は実際にどのような方法や流れで手続きが行われるのか確認しておきましょう。

 

書面方式

申請データを磁気記録媒体(CD-RやCD-RW)に格納したものと、登記申請書や委任状など添付書類を印刷したものを登記所に郵送もしくは持参して申請する方式です。

 

オンライン方式

登記・供託オンライン申請システムにより、申請に必要な書式すべてをオンラインで送信する方式です。

注意したいのは、会社の本店商号・代表者を証明する書面である資格証明書など別途、郵送や持参することはできないということです。

さらに、代理人の電子署名に加えて、申請人の電子署名も必要になります。

 

事前提供方式

事前に申請データを登記・供託オンライン申請システムを使ってオンラインにより送信し、登記申請書や添付書類は、登記所に郵送もしくは持参して申請する方式です。

書面申請で使用する磁気記録媒体のデータを、前もってオンラインで提出すると理解しておきましょう。

オンラインで送信して2週間以内に書類の提出がなければ自動的に提供したデータは削除されること、また、登録免許税を電子納付することはできない点に注意が必要です。

 

なぜ債権譲渡登記がファクタリングに必要か

そもそも債権譲渡登記制度とは、法人が行う金銭債権の譲渡について、債務者以外の第三者に対しての対抗要件に備えるために用いられる制度です。

本来であれば、原則確定日付のある証書で債務者に通知を行う、または債務者の承諾を得ることで第三者に対抗することは可能です。

しかし、2社間ファクタリングなど売掛先に通知を行う場合や承諾を得ない方法で取引が行われる場合には、この債権譲渡登記を用いることでファクタリング会社が第三者に対する対抗要件を得ることが可能となるため必要とされる場合があります。

 

証明書もオンラインで請求可能?

通常であれば債権譲渡登記を行ってもその事実を売掛先に知らせることはないので、ファクタリングを利用する会社も安心して審査を受けることができ、資金調達できるのは大きなメリットです。

なお平成23年4月1日より、オンラインにより交付請求をした債権譲渡登記の概要記録事項証明書は、全国の登記所窓口で交付が可能となっています。

ただオンライン交付請求で債権譲渡登記の証明書を請求し、登記所窓口で交付を受けるときには、本人確認書類として「法務大臣の定める書面」を窓口に提出することが必要とされています。

オンライン証明書の交付請求手続を行う場合、申請用総合ソフトを利用する場合と、かんたん証明書請求を利用する方法があります。

申請用総合ソフトを利用するなら、ネット接続されたパソコンに債権譲渡登記の申請人プログラムのインストールが必要です。登記・供託オンライン申請システムの申請用総合ソフトをインストールする手続きを忘れず行うようにしてください。

 

ファクタリング利用で不安を感じるなら

このように、債権譲渡登記を行うにはいくつか方法があり、その証明書を取得する方法も一般的には複雑であると留意しておきましょう。

ファクタリングで債権譲渡登記が必要となっても、わざわざ売掛先が自分の売掛金が譲渡されたのではないかと確認にいくとは考えにくいといえます。

ただし必ずしも売掛先に債権を売却した事実を知られないとも限りませんし、金融機関からの融資を希望している場合には銀行側が審査において確認するリスクは発生します。そうなると銀行融資の貸付審査には通らなくなってしまうという大きなデメリットを抱えることになりますので、できる限り債権譲渡登記は避けたい手続きでもあります。

何よりもファクタリングを利用する際には手数料が発生するため、債権譲渡登記が必要になればその分費用負担は大きくなってしまいます。さらに債権譲渡登記は法人のみが可能となっている制度のため、個人がファクタリングで資金調達する場合には利用できません。

このような場合も踏まえてファクタリングで資金調達する際には、債権譲渡登記を行わずに取引を行うなど柔軟対応を可能とするファクタリング会社を選択することをおすすめします。

違法な取引を行い、逮捕されている業者もあるほどなので、必ず口コミなどを参考に安心できる業者と契約を結ぶようにしてください。

中小企業がリスクマネジメントを実践する前に知っておきたいこと

企業経営で事業が成長していく過程の中では、様々なリスクに直面することになります。中小企業でも立ちはだかるリスクにどのように対応していくのか、しっかりマネジメントしていかなければならない状況です。

しかし、事業を成功させたいと考えていても、複雑化するリスクに何を行えばよいかわからない、そもそもどのようなリスクが潜んでいるか認識できていないということもあるようです。

そこで、リスクマネジメントはなぜ必要か、そもそも中小企業はどのようなリスクを抱えているのかをご紹介します。

 

リスクマネジメントの前に理解しておきたいこと

企業経営において、利益を100万円生みだすことと、100万円の損失の発生を防ぐことは同じ価値といえます。リスクマネジメントとは、この100万円の損失を未然に防ぐことであり、経営にかかわる危機を防ぐための管理を行うことです。

中小企業の場合、少しでも売上を向上させなければと営業活動ばかりに目を向けてしまい、足元のリスクへの対策は疎かになってしまいがちです。しかし、そのリスクに足元をすくわれることになると、せっかく売上を向上させても本末転倒という結果に至ってしまいます。

多種多様なリスクが潜み、複雑・多様化していることをしっかり理解しておく必要があるでしょう。

 

自社工場が火災で焼失したら?

もし、自社工場が火災で焼失したとしたらどうでしょう。火災保険に加入しているから、また工場を新しく建て直せば問題ないと思うでしょうか。

工場が火災でなくなってしまうと、事業を再開できる状況になるまで企業の生産活動は停止してしまいます。さらに保険だけですべてをまかなうことができるとも限らず、投入する資金も必要となります。

稼働できない間に取引先を失うことも考えられますし、従業員に対する給料も支払えなくなり、操業停止の危機にさらされることになるでしょう。

工場を建て直すことができれば丸く収まるというわけではなく、1つのリスクにより様々なリスクを引き起こすこととなり、結果として事業継続を断念しなければならなくなる可能性もあると考えておくべきです。

 

業績が順調でもリスクは存在する

仮に何も問題なく、業績が順調に推移していたとしても、規制緩和や消費者の需要が多様化などで社会の動き自体が変化し、企業経営に影響することも考えられます。どれほど業績がよくても、事業縮小や倒産というリスクにさらされている状態であることを認識しておかなければならないのです。

 

リスクマネジメントとは

企業経営は常にリスクと背中合わせの状態であると理解しておき、そのために何を行えばよいか考えるべきです。

リスクマネジメントとは、企業活動における悪影響を低減させるために、要因となる部分を特定し、資産や活動を保護するために必要な管理を行うことです。

企業活動におよぶ悪影響とは、経営損失をもたらす可能性のある不確実な要因のことですので、それは何か洗い出すことから始めましょう。

 

企業経営におけるリスクとは

リスクマネジメントにおいては、何がリスクとして潜んでいるかを把握することが重要になります。企業経営において考えられるリスクには次のようなものが挙げられますので、それぞれの内容を把握しておきましょう。

 

財産を損失するリスク

火災や爆発、台風や豪雨・地震などの自然災害、盗難などで生じる直接的な損害に関わるリスク

 

収入が減少するリスク

自社工場が罹災したことによる生産停止や取引先の倒産などで売上や利益が減少するリスク

 

賠償責任を負うリスク

たとえば新製品が商標権侵害にあたる商品名だったなど、他人の権利を違法に侵害したことにより損害を発生させたことで法律上の賠償責任を負うリスク

 

人的損失のリスク

経営者など役員、従業員のケガや病気などで信用を損失するリスク

 

ビジネスリスク

新規に参入した事業者により自社製品のマーケットシェアが低下するなど、新製品開発や海外進出など営業戦略上発生するリスク。さらに株式投資や商品取引、為替操作、融資など、資産運用上かかるリスク

 

中小企業を取り巻くリスクは多岐に渡る

主なリスクを挙げましたが、他にも中小企業を取り巻くリスクは多岐に渡ります。これらのリスクにどのように対策を講じていくのか検討することが求められますが、実際、多くの企業はこれらリスクに対して無防備な状態です。

経営者がリスク自体を認識できていなかったり、リスクはコストであることを認識できていないケースもあります。注意すればリスクは発生しないものだと、安全を人的な依存にすりかえてしまっていないでしょうか。

天災による被害や抱える損失はどうしようもないリスクだと考える方もいるようですが、対策によって発生する被害や損失を低減させることは可能です。

 

まとめ

それぞれのリスクにかかわる意識の持ち方や対応次第で、リスクが発生したときに企業経営に及ぶ危機も大きく異なってきます。少しでもリスクを回避・軽減させるために必要なのがリスクマネジメントです。

ただ、リスクを把握できても何を実施していけばよいのかわからないというケースもあるでしょう。このような場合、経営の専門家であるコンサルタントなどに相談するといったことも検討が必要です。

事業を継続するにあたり、結局は資金が十分あれば対応できるとも考えられますが、資金をどのように調達するかに合わせ、事業経営においての相談も可能なコンサルタントに相談することで、今行うべきことが見つかるかもしれません。ただしくリスクを管理するためにも、まずは相談してみてはいかがでしょう。

会社を設立して事業を営む場合に知っておきたい法人格の種類

現在、日本で法人として事業を営んでいる株式会社などは、商業登記を行って法律上、法人としての権利や義務、資格を得た上で活動しています。

そこで、法人格とは何を示す言葉なのか、どのような種類があるのかなどご説明します。

 

法人格で法人としての活動や権利を取得することが可能

事業を行う上で人格は最低限必要とされるものですが、それは人としての在り方や法律行為の主体としての人格のことです。

ここで示す人格である法人とは、法律により、権利を保有し、目的の範囲で行為を行うことや権利を認められた存在という意味を指します。

様々な法律によっていろいろな種類の法人格があり、主に次のような種類の法人格が存在します。

  • 株式会社
  • 合同会社(LLC)
  • 合名会社
  • 合資会社
  • 一般社団法人
  • 一般財団法人
  • 特定非営利活動法人(NPO)
  • 有限責任事業組合(LLP)

従来までは有限会社も存在していましたが、有限会社法が2006年に廃止されたことによって、現在は設立することができなくなっています。

 

法人格で事業を営むメリット

法人格として事業を営むことはなくても、個人のまま活動することも可能ですが、面倒な手続きを経て法人格を取得する理由には次のようなことがあげられます。

  • 個人で事業を行うよりも法人事業のほうが低い税率が適用され節税になる
  • 社会的に法人のほうが信用力は高いとみなされ、取引の幅も広がる
  • 決算時期の設定が自由にできる
  • 法人格でなければ許可を取得できない事業もある
  • 許可を取得することで事業承継が円滑になるケースもある

といったことが考えられます。

 

どの法人格を選ぶべきか

では、複数ある法人格からどれを選べばよいのでしょう。

それぞれ長所と短所があるので、どれが最もメリットが高いということではありませんが、営利事業を営むのなら会社法によって規定されている法人格を選びます。

種類としては、株式会社、合同会社(LLC)、合名会社、合資会社です。

 

設立費用がかかるのは株式会社

法人設立に費用がある程度発生し、会社を設立した後でも決算の公告義務、役員任期に関しての手続きなど手間はかかります。しかし、営利事業を行う上で信用力は高まるでしょう。

資本金は1円で設立できるものの、登記事項として掲載される以上、事業内容に見合う資本が設定されていなければ信用力は高まりません。

 

費用を軽減させるなら合同会社など

合同会社(LLC)、合名会社、合資会社などの場合、法人設立にかかる費用を安く抑えることができますし、決算公告も必要ありません。役員の任期もないので、株式会社より設立後の手間は省けますが、社会的な信用力という部分では株式会社におとります。

また、合名・合資会社の場合は出資者の無限責任を負うことになるので、会社が倒産して債務が残ると、自己の財産を弁済に充てるといったことも必要となります。

対する合同会社(LLC)は設立費用も安い上に、有限責任であることや、役員の任期もないので比較的設立した後も負担が少ないでしょう。

ただ、代表取締社長と名乗ることはなく、肩書きは代表社員になります。

 

その他、少し特殊な法人格

他にも一般社団法人や一般財団法人、特定非営利活動法人(NPO)などの法人格が存在しますが、非営利活動を行う法人ではあるものの収益事業を行っても特に問題はありません。

ただ、営利法人ではありませんので剰余金や残余財産を受ける権利は得ません

NPO法人は社会的な信用度は一般的に高めと思えますが、特定非営利活動促進法に定められている17の分野に活動範囲が限定されることなり、法人設立の際にも認可が必要です。

事業報告も毎年実施し、ネット上で決算書が公開されるといった部分も理解しておく必要があるでしょう。

 

まとめ

このように、法人格といっても様々な種類があり、事業を営む上でどれを選ぶべきかもそれぞれといえますので、もっともよい方法を選択できるように専門家などに相談しながら決めるとよいでしょう。

キャッシュフローを改善させるには返済のシミュレーションが重要!

中小・零企業の多くでみられがちなのが、間違った財務や金融戦略を行うことにより、本当なら利用できたはずの資金調達の機会を逃していることです。

キャッシュフローの管理がしっかりできておらず、本業ではなく資金繰りにばかり時間を充てることにならないよう、将来的なシミュレーションを行うことは非常に大切であるといえるでしょう。

特に借り入れで資金を調達する場合、毎月の返済がその後の資金繰りに大きな影響を及ぼすことを理解しておく必要があります。

財務の策を何も講じず、経営危機や破綻といった状況に追い込まれないために、どのようなシミュレーションを行えばよいのかご説明します。

 

しっかり財務の知識を付けておくことも必要

資金調達の場面で、融資を受けようとしても審査で否決されたり、金融機関の担当者との話をする上で伝えたいことが伝わらなかったり、求められている書類の作成などができなかったりと、財務の知識がない状態で経営を行うとこのようなトラブルが発生しやすくなります。

財務に対して何の知識も持たず、対策も講じていない状態で経営を続けることは、経営危機や破綻というリスクを高めることになると理解しておくようにしましょう。

 

資金調達はどのような流れで行うのか

もし資金を調達する時には、必要な金額をどこから準備するのか検討しなければなりません。

そのためには、

  • 税込での総必要額の算出
  • 自己で準備できる資金額の決定
  • 資金調達額の決定

という3項目を決定し、

総必要額-自己資金額=資金調達額

を決めることになります。

 

どこから資金を借り入れるのか決める

資金を調達する方法が借り入れだとしたら、どこから融資を受けるのか選ぶことも必要です。

日本政策金融公庫、民間の銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、ノンバンクなど、金融機関もいろいろあります。

どこを選択するかによって、借り入れできる限度額や設定される金利も変わるでしょう。毎月の返済方法や金額などを確認し、資金調達後はキャッシュフローにどのような影響が及ぶのかシュミレーションしていくことが必要です。

 

キャッシュフローに悪影響を及ぼさない返済計画の立て方

借り入れを行い資金調達する場合、その後、何年で償却するのか、毎月の返済額などをいくらで設定するのかによって、その後の資金繰りは大きく変わります。利用する金融機関が決まったら、返済年数や金利などの返済方法を確認しましょう。

一般的なのは元利均等返済方式ですが、初年度から返済する方法のか、それとも1年据え置きするのかなど方法もいろいろです。

 

場合によっては1年据え置きのほうがよいこともある

初年度から返済する場合には早く完済できますが、資金繰りが厳しい状態でいきなり返済負担が増えるのも考えものです。その場合、ある程度資金繰りが改善した後に返済を始められる1年据え置きという方法を選択することも視野に入れましょう。

1年据え置きの場合は、借入金総額の金利部分のみを1年間支払って、2年度から元金と金利を支払うことになります。

運営資金を蓄えることにも繋がりやすく、2年後以降のキャッシュフローが楽になるというメリットがあるので、安定して利益を出すことを考えるなら選択することも方法の1つといえます。

 

返済年数を決める場合の注意点

また、何年で返済するのかを決める場合、早く借金をなくしたいと思うあまり、短期で設定してしまうとキャッシュフローに影響します。

返済年数を短くすれば総支払額は少なくできますが、その分、毎月の返済負担を重くすることになります。無理なく返済できる年数を考えて決めることが重要です。

 

焦り過ぎは禁物!キャッシュフローを悪化させないシミュレーションを

資金を調達することが必要になったとき、とにかく早く手元に現金を!という思いが強くなる傾向があるため、その後の返済計画や資金繰りにどのような影響が及ぶのかまで考えられないという場合もあるでしょう。

しかし、一時的に資金を調達してその場はしのげたとしても、またすぐにキャッシュフローが悪化すれば何の意味もありません。

一時しのぎに終わらないためにも、しっかり返済のシミュレーションを行い、キャッシュフローが本当に改善できるのか確認しておくことも大切です。

貸付金債権と売掛債権は別のもの?それぞれの性質とその違い

財産に対して、ある人が他の人に対しての行為を請求する権利を債権といいます。債権にも色々な種類がありますが、人に対して請求する権利で、排他性を持たないことが原則とされています。

では、貸付金債権と売掛債権、どちらも同じような性質のものと理解できる部分もありますが、どのような違いがあるのかご説明します。

 

貸付金債権とは

貸したお金のことを貸付金といいますが、この言葉は他人や他社に貸したときだけ使用するのではなく、たとえば自社の従業員に対して企業が貸し付けを行った場合や、子会社などに貸した場合なども使われます。

貸したお金については返してもらう権利を得ますが、お金を返してほしいと返還請求できる権利貸付金債権といいます。

 

売掛債権とは

では、商取引で発生した売掛債権などはどうでしょう。売掛債権とは、売上が発生し、商品やサービスの販売・提供は完了しているものの、その代金をまだ回収していない状況でその支払いを請求できる権利です。そのため、考え方によっては貸し付けを行っているものとも取れることができます。

 

売掛債権も貸付金債権に含まれるのか

商品やサービスの売買によって発生する売掛金などについて、その代金を回収するために請求することができる権利です。

単に金銭の貸し付けを目的として手形が振り出されることもありますが、この場合は貸付金に含まれることとなるので貸付金債権に該当するといえます。

しかし、同じ手形でも売掛金を回収することを目的とした手形や、その他取引で発生した債権のうち支払期限が6か月以内など短期間で返済されるものは含まれないとされています。

 

貸倒引当金の算定を行う場面での売掛金と貸付金

貸付金債権と売掛債権は違った扱いになるわけですが、企業で貸倒引当金の算定を行う場面では、一括評価金銭債権にかかる貸倒引当金の対象となるのは売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権とされています。

 

売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権に該当しないものとは

ここで気になるのは、この「売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権」に該当しないのはどのようなものかという部分です。法人税基本通達によると、該当しないものとして次のものが例として挙げられています。

 

●預貯金や公社債やこれらの未収利子、未収配当などに類する債権

預貯金などについては、寄託債権と返還請求を行うことがいつでも可能ですので、回収ではなく返還を予定する債権であることから該当しないとされています。

 

●一時的な預け金などに類する債権

不動産の賃貸借契約において発生する敷金や保証金は、入居中にトラブルが発生したときのための担保という性格を有している費用であり、支払うというよりは預けるお金といったものですので該当しないとされます。

金融商品会計基準において将来、返還される建設協力金など差入預託保証金については、返済期日までの支出を割り引いた現在価値を時価とし、その金額が貸付金として処理されることになります。ただ、あくまでも預託保証金であることに変わりはありませんので、税務上においては該当しないとされます。

 

●資産を取得する目的で支払った前渡金など

資産を購入するために支払った手付金や前渡金は、資産を実際に購入した時の購入代金に充てられる費用であるため、先に一部を前払いしていることになりますので該当しないとされます。

 

●将来精算される費用の前払金

前払給料、概算払旅費、前渡交際費など、一時的な立て替えや仮払いとして処理される前払いの費用は該当しません。

ただ、誰かのために立て替えて支払ったというケースにおいては金銭の貸借であると考えることができるため、もし仮払金や立替金で処理していたとしても、「売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権」に含まれることになりますので間違わないようにしましょう。

ビジネスローンは便利だけれど後の返済負担が苦しくなる?

審査基準のハードルが低めに設定されている上に無担保・無保証人であり、利用する金融業者によっては即日融資も可能となるビジネスローンを、資金調達の方法として利用する中小企業も少なくありません。

何と言っても借りやすさが最大のメリットではありますが、やはり高めに設定された金利で返済負担が大きく感じてしまう部分はデメリットでもあります。

そこで、どのような場面においてビジネスローンを資金調達に利用すればよいのか、返済負担に苦しまないための有効的な活用方法を確認しておきましょう。

 

通常の融資とはどのくらい金利に差があるのか

たとえば中小企業が銀行で融資を受けた場合、適用される金利は2.0%~9.0%程度です。

しかし一般的なビジネスローンの金利は3.0%~18.0%とその幅が大きく、多くの場合上限ギリギリの金利が適用されることになるため返済負担が大きいと感じてしまうのも無理はありません。

融資額が大きく、借り入れを行おうとする企業の信用力が高ければ低い金利が適用されることになるでしょうが、現実的に考えると、初めて借り入れを行う場面で下限金利が適用されることはほぼないでしょう。

これだけ金利に差が出てしまうと、無計画にビジネスローンで借り入れを行い、運転資金に充てる行為を繰り返すことは返済負担に追われる状況に陥るだけでなく、本業で利益を出すことも難しい損益状態を作ってしまうことにも繋がります。

 

ビジネスローンを利用するとよい場面とは

そこで、もしビジネスローンを資金調達に利用するのなら、売上の見込みがある資金調達や、受注が決まっている原材料の仕入代金必要な人員の補充などの費用に充てることが望ましいといえるでしょう。

将来入金が予定されている出費に対して利用するのなら、実際に売上代金などの入金があったときにビジネスローンの返済に充てることができるからです。

確かにビジネスローンは金利が高いので、恒常的に運転資金に充てることは望ましくありませんが、売上代金が入金されるまでの一時的な資金繰りとして活用するのなら、それほど金利負担を重く感じることもないと考えられます。

 

高金利から低金利へのシフトも検討が必要!

また、ビジネスローンも利用する金融機関によって設定される金利はいろいろです。もし高い金利でのビジネスローンを利用している場合、低い金利のビジネスローンに借り換えが可能であれば、そちらにシフトすることも検討しましょう。

そもそも銀行や政府系金融機関など、低い金利が設定される融資からの借り入れが可能になれば、ビジネスローンを利用する必要性はなくなります。

もしビジネスローンを利用することで一時的な資金を調達でき、資金繰りが改善していけばいずれは長期で低金利の融資を利用するなど、返済負担に追われることのない方法への借り換えなども検討していくことを検討してください。

 

まとめ

ビジネスローンを資金調達の手法として活用する理由はそれぞれでしょうが、多くの場合が銀行のプロパー融資などは審査が通らないという場合や、急いで資金の調達が必要であるという状況であるケースです。

早ければ即日融資も可能となり、担保や保証人なども必要ありませんのですぐに資金が必要という場面でも対応できる手法であり、上手く使えば有効な資金調達が可能となります。

しかし、金利が高めに設定されていますので、利用する場合には短期でとどめておくことを心掛けてください。

また、即日資金を必要とする場合で、売掛金を保有していればファクタリングという方法も検討できます。ファクタリングは売掛金を売却して現金化する資金調達の手法ですが、こちらは借り入れではありませんので返済負担に追われることはありません

当然ながら、担保や保証人も必要なく、早ければ即日現金化も可能です。資金を調達する方法は借り入れ以外にもありますので、調達後の資金繰りに不安がある場合にはファクタリングを利用してみるとよいでしょう。

悪質か優良かどちらの貸金業が見分けるときには登録番号にも注視を

貸金業とは、貸金業法に「金銭の貸借の媒介」を業とするものとされていますが、預金業務を行って貸付原資を調達している銀行とは異なり、貸金業者では預金業務は行わず、銀行融資や社債・増資などで貸付原資を確保しています。

消費者金融なども貸金業の1つですし、他にも信販会社やクレジットカード会社、リース会社など、とても幅広い業態の事業者が貸金業として事業を展開しています。

そこで、貸金業者から借り入れを行う場合、ヤミ金業者などに騙されないためにも注視しておきたい貸金業者としての登録番号についてご説明します。

 

貸金業登録の種類は2つ

貸金業者は貸金業法に従い貸し付けを行いますが、すべての貸金業者は財務局または都道府県で貸金業者としての登録を行うことが義務付けられています。

また、貸金業登録には2つの種類がありますので、それぞれの違いを確認しておきましょう。

 

財務局長登録

2つ以上の都道府県に渡り営業所を設置する場合には財務局での登録が必要となり、各営業所の所在地を管轄しているそれぞれの財務(支)局に申請して登録手続きを行います。

 

知事登録

1つの都道府県でのみ営業所を設置する場合には都道府県での登録が必要となり、営業所の所在地を管轄している都道府県に申請を行います。なお、地域や条件によって、日本貸金業協会が窓口になるケースもあるようです。

 

注視したい貸金業の登録番号とは

貸金業者として登録を行った場合、必ず登録番号が与えられます。ただこの登録には3年間という有効期限が設けられていますので、引き続き貸金業者として事業を営むのであれば更新手続きが必要となります。

与えられた貸金業登録番号には、登録を行った財務局や都道府県名、登録更新の回数をあらわす数字、業者を識別するための番号という3種類の内容で構成されます。

 

具体的にどのような番号で表示されるのか

例として、大手消費者金融であるプロミスの貸金業登録番号を確認する場合、正式名称はSMBCコンシューマーファイナンス株式会社ですが、公式Webサイトにも以下のようにしっかり登録番号の記載がされています。

関東財務局長(12)第00615号

まず、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社は東京都中央区銀座が本社所在地であり、全国各地に営業所がありますので関東財務局で登録を行ったことが登録番号から確認できます。

(12)という記載の数字は、これまで11回、貸金業を継続させるための更新手続きを行っていることを示します。

では、この貸金業としての登録番号が表示されている金融業者なら、間違いなく優良な貸金業者なのかといえばそうではありません。

 

登録番号の更新を示す数字には注意を

登録番号にある数字のうち、( )内の数字が「1」の場合、登録して年数が浅い金融業者であるといえます。登録すれば「1」という数字からスタートになるため、まだ1回も更新手続きを行ったことがない金融業者であるといえます。

まだ更新経験のない金融業者にも優良な業者は存在しますが、実績という部分でみれば数字が大きい金融業者よりも浅いということです。

中には本当は悪徳な金融業者なのに、その実態を隠すためにひとまず貸金業者として登録を行っているようなケースもあるため注意しておきましょう。

 

登録番号自体が偽物であるケースに注意!

また、悪徳業者の中には、存在しない登録番号を自社のWebサイトに掲載し、長年貸金業者を営んできたかのように見せている場合もあります。

うっかり登録番号だけで騙されないようにすることも大切ですが、番号が本物か見分けがつかないという場合もあるでしょう。

このような場合に備えることができるように、日本貸金業協会の公式Webサイトでは、検索すればヤミ金業者かどうか確認できるクイック検索が利用できるようになっています。

無登録なのに登録番号を詐称していたり、実在する業者との関連会社を装いっていたケースなどいろいろですが、もしクイック検索で調べると登録されている金融業者だったという場合には、ただちに借り入れや申し込みは中断し、相手に一切連絡を行わないようにしましょう。

中小企業でも与信管理は必須!どのように行えば効率的?

もし発生した売掛金が回収不能となったら、貸し倒れとなった売掛債権を抱えることとなり大きな損失が発生します。このような事態を防ぐため、中小企業でも取引先の与信管理を適切に行うことが必要です。

ただ、規模が大きくない中小企業では、与信管理部門を別途設置する余裕がなかったり、与信審査を行う担当者が不足していることもあるようです。

そこで、正しく与信管理を行うための注意点やリスクマネジメントの方法などについてご説明します。

 

与信とは何を意味する言葉か

商品や製品、サービスを取引先に販売・提供した場合、その場で現金としてその対価を受け取るのでなければ、代金を受け取る権利である売掛金を保有することになります。

すでに与信はこのタイミングで発生することになるわけですが、販売・提供による売掛金から、回収・取立による現金までの間に、信用を供与していることとなるため与信という言葉が使われます。

 

与信管理が重視される理由

利益や売上を最大化させることが目的としますが、目的を追求する過程で、売掛債権や与信金額の増大は避けて通ることができない部分です。

与信金額が増えると不良債権を抱えるリスクを高めることになるので、売掛債権が増えても損害は抑制すること与信管理として必要になります。

 

与信管理として行うこと

与信管理として行うことは、取引先の経営内容を評価した上で信用取引を行うか判断するための情報を入手・分析する信用調査、さらに信用供与における最大金額を算出して、取引を可能とする金額に限度を設定・運用することです。

 

与信管理に必要な情報を入手する方法

企業別の情報を入手する方法として、たとえば社内の営業担当者や経理担当者から情報を入手する内部調査以外にも、取引先となる相手企業から直接情報を入手する直接調査、さらに外部から情報を得る外部調査、外部機関などに調査依頼をかける依頼調査があります。

 

内部調査

営業部や経理部など、社内にすでに蓄積されている情報から調査を行う方法で、担当者個人がいろいろな情報を保有していないか面談しながら聞き出していくことも必要です。

 

直接調査

直接相手の企業を訪問して調査を行う場合もあれば、遠方などで訪問できない場合には電話やメールなどを利用して行われます。

直接訪問する場合には、ヒアリングのときなどに、事務所や工場の就労環境、在庫の程度、設備状況などを把握することができます。

 

外部調査

インターネットなどで相手企業のホームページを閲覧したり、企業データベースを検索したりする方法です。

相手企業の取引先(仕入先、販売先、近隣業者、事務所ビルのオーナー、取引銀行など)や同業者などから情報を入手することで、本当に公開されている情報が正しいのか確認することができます。

それに加え、商業登記簿や監督官庁の登録情報を閲覧するといった方法も行いましょう。

 

複数の部門で協力しながら徹底した与信管理を

中小企業などは従業員数そのものが少ないこともあり、与信管理部門などを設けて取り仕切りながら管理を行うことは難しいでしょう。

ただ、与信管理は単独で行うものではなく、いくつかの部門がそれぞれ役割を分担しながら行うほうが効率的です。

経営者がすべて担当しようとせず、承認を申請する担当者と承認をする責任者を分けるなど、担当を分散させて行うようにしてください。

 

定期的な見直しも忘れずに

与信管理とは、この企業と取引を行っても問題ないかという部分に加え、この企業とならいくらまで取引してもよいかという判断を行うことです。取引先ごとにそれらを設定し、定期的に見直しておくことも必要となります。

リスク回避のためには、売掛債権が発生する取引先だけでなく、仕入先、外注先、下請先、貸付先など、様々な取引先の信用に対して管理していくようにしましょう。

入金された金額よりも売掛金が多い?差額が生じた場合の処理方法

売上を計上した後は、一定期間分の売上分の代金を取引先ごとにまとめ、請求書を作成することになります。

ただ、支払期日を迎え、入金された売掛金の代金が、請求した金額より少ないなど、金額が合わないこともあるかもしれません。

入金された金額のほうが多い場合もあれば、少なく入金されてしまうこともあるでしょう。

多い場合には差額を返金すればよいだけかもしれませんが、少ない場合にはなぜ差額が生じているのか、その原因をつきとめなければなりません。

そこで、もし請求額と入金額に差が生じたときの対処方法をご説明します。

 

売掛金残高と入金額に差額が生じている原因

請求した売掛金の金額と、実際に取引先から入金されている金額に差額が生じている場合、次のようなことが原因と考えられます。

 

振込手数料が差し引かれていないか

もし入金された金額のほうが請求した金額よりも少ない場合には、振込手数料分が差し引かれている可能性があります。

振込手数料をどちらが負担するのか、双方が話し合い事前に取り決めておくことが必要です。

取引先件数が多い場合、振込手数料がかさめば負担も大きくなりますので注意しておきたい部分といえるでしょう。

 

売掛金と買掛金とで相殺されていないか

取引先に請求する金額と支払う金額があるなど、売掛金と買掛金がどちらも存在している場合には、代金が相殺されて入金されていないか確認してみましょう。

 

双方の検収日がズレていないか

締め日よりも前に商品を出荷していた商品も請求として含めていた場合でも、取引先では締め日より後で検収を行ったことでその分の金額にズレが生じていることもあるかもしれません。

 

単純な振り込み金額の間違い

単に取引先が振込金額を間違えている可能性も否定できませんので、原因不明のズレは確認したほうがスムーズです。

 

入金そのものが支払期日とズレている場合

売掛金の入金額にズレが生じているなら原因を追求すれば解決しますが、入金そのものが支払期日にされずに起こる入金ズレは避けなければなりません。

入金ズレが起きる原因は、取引先の資金繰り悪化、資金ショート、単に入金し忘れているなどいろいろな状況が考えられますが、いつ入金されるかわからない状態で待っていても自社の経営に悪影響を及ぼします。

 

1社に依存した取引は危険

1つの取引先に取引を依存している場合、その取引先からの売掛金が回収できなければ、新たな仕入れは行うことができませんし、様々な経費の支払いにも行き詰ってしまいます。

そうならないためにも、取引先は分散させておくこと、支払いサイトの長い売掛金などは事前に早期化させることなど検討が必要です。

 

適切な売掛金の管理が重要

取引先に請求した金額と入金された金額に差が生じることはめずらしいことではありませんが、金額がズレたままで放置しているとその後の会計処理に影響を及ぼしますし、資金繰りにも悪影響を及ぼす可能性があります。

いずれは修復して取引先が管理している買掛金の金額と、自社の売掛金の金額が合致する状態にしておかなければならないので、差額の内容はすぐに原因をつきとめ修復させるようにしてください。

なお、入金ズレが起きている場合には、先方に再度請求書を発送するなど、放置しないことが大切です。

もしそれまでに取引先が資金ショートしてしまい倒産すれば、売掛金は回収できないまま残ってしまいます。そうなると自社が行うべき支払いにまで影響することとなり、最悪の場合連鎖倒産してしまうかもしれません。

支払いサイトが長めの売掛金は特に注意し、ときにはファクタリングなど売掛金を早期で現金化できる手法を用いて先に資金を手に入れることも検討するようにしてください。

債権譲渡を行う場合にこれだけは注意しておきたいこと

債権譲渡とは、債権の内容は変更せずに債権を移転することです。債権の買収や回収などの場面で行われることになりますが、特に債権を回収する方法として用いられることが多くみられます。

ただ債権を譲渡するときには、一歩間違うと後で大きなトラブルに発展することもあるため、いくつかこれだけは注意しておきたいという部分をご説明します。

 

債権の回収の場面で債権譲渡が行われる流れ

たとえば、取引先対する未回収の売掛金など、売掛債権を保有していたとします。しかし、取引先の経営状況が悪化してしまい、すでに売掛債権を弁済する資金力を失っていたとしましょう。このとき、売掛代金を支払う代わりに、取引先が保有している手形など売掛債権が譲渡されることもあります。

 

債権を譲渡することのメリット

債権譲渡は、債権を譲渡する側にもメリットがあります。たとえば、回収できる見込みが低い売掛金を保有している場合、その売掛債権を支払いの代わりに充てることができれば、手元の資金を減らすことなく支払いが完了し、さらに貸し倒れリスクを回避することもできます。

さらに、未回収の売掛債権が発生しており、徹底した回収作業を行わなければならないけれど、本業に専念したいという場合にも他社にその回収を渡すことで管理の手間を省けます。

 

債権譲渡で重要になる第三者に対する対抗要件

企業間で債権譲渡が行われた場合、取引先から譲り受けた債権に対する弁済を、取引先が保有していた売掛先から受けることはできますが、その売掛先に債権の主張はできません。債権譲渡契約の内容は、債権を譲渡した側とされた側だけの間でだけ有効ということです。

契約内容に効力を持たせたいなら、第三者に対する対抗要件を獲得することが必要となりますが、その方法は次のとおりです。

 

債務者からの承諾

第三者に対する対抗要件は、債権を譲り受けた側が債務者に対して債権の効力を主張するために必要なことです。

しかし、債務者にしてみれば、知らない間に自社の債権を保有する企業が変わり、しかも直接関わりのない企業から売掛代金を取り立てされるのは納得できないでしょう。

そこで、債務者から債権譲渡に対する承諾を得ることにより、対抗要件を獲得することが可能となります。

債権譲渡通知の郵送

債権譲渡においての対抗要件を獲得するためには、債権が譲渡した旨を知らせる通知を行うことも方法の1つですが、重要なのは債権譲渡の確定日付を通知に付しておくことです。

確定日付とは債権譲渡が行われた事実とその日付を公的に示すものなので、確定日付を付した証書を通知することが必要になるわけです。

債権に保証人が含まれている場合の扱い

もし債権に保証人が含まれている場合には、債権を譲り受けた側が保証人に対して債権を行使する場合に、保証人に対する対抗要件も獲得することが必要です。

 

第三者への対抗要件を取得しておくことの重要性

債権譲渡の契約の効力を発生させようとするなら、債務者に対して譲り受けた側が債権の存在を示す条件を満たすことが求められます。

そこで、契約を締結する上で、契約自体には関係のない債務者に対し、債権を譲り受けた側が対抗要件を取得しておくことになります。ただ、そもそもなぜ対抗要件が重要となるのか、その理由は次のとおりです。

債権の二重譲渡を防ぐ

債務者に対しての対抗要件を獲得しておくことが必要な理由として、債権を譲り渡した側が債権の二重譲渡を行うことを防ぐことが挙げられます。

1つの債権を二重に譲渡され、債権者が複数存在することになれば、債務者は誰に対して弁済すればよいのかわからなくなります。このような事態を防ぐために、の対抗要件を取得しておくことは重要です。