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「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」を解説!今活用したい銀行融資制度

令和4年3月4日、「中小企業の事業再生等に関する研究会(一般社団法人全国銀行協会)」は、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」を取りまとめました。

ガイドラインは、中小企業者が「平時」や「有事」などそれぞれの段階で迅速に事業再生に取り組むことができるように、銀行などに協力を求めることを目的としています。

銀行などが中小企業者の維持・発展や、事業再生の後押しするきっかけとなることが期待されますが、その内容と今活用したい銀行融資制度について解説していきます。

「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」の目的とその対象

新型コロナウイルス感染拡大の影響や、ロシア・ウクライナの問題により、事業にも影響が出ている中小企業者は少なくありません。

そこで、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」は主に以下の目的で策定されました。

ガイドラインで対象となる「中小企業者」とは、資本金額または出資総額が3億円以下の会社・常時使用する従業員の数が300人以下の会社・個人などです。

「小規模企業者」とは、おおむね常時使用する従業員数が20人(商業・サービス業は5人)以下の事業者を指しています。

詳しくは、中小企業庁の「中小企業の定義について」に記載があります。

「金融機関」は、中小企業者に対し融資を行っている銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫・農業協同組合・漁業協同組合・政府系金融機関です。

「対象債権者」は、「金融機関」と銀行などからの債権譲渡を受けているサービサー・貸金業者を指します。なお、私的整理が必要な場合には、その他債権者も含みます。

ガイドラインに示されている「有事における中小企業者の対応」

新型コロナウイルス感染拡大の影響は、まさに中小企業者にとって「有事」といえます。

売上激減に収益力低下、過剰債務などで財務内容は悪化し、資金繰りが立ちいかなくなっている企業は少なくありません。

経営に支障が生じるときには、置かれた状況により早期に経営改善を図り、事業再生など検討・実行することが望ましいといえます。

そして円滑に事業再生など図るためにも、中小企業者と銀行など金融機関がそれぞれの立場を認識・理解しあい、一体となって取り組んでいなければなりません。

そこで、中小企業者の迅速・円滑な事業再生などを図るために、ガイドラインでは中小企業者と金融機関が事業再生などに取り組むときの基本的な考え方を示しています。

「有事」のときに求められる中小企業者の対応

ガイドラインでは中小企業者が有事に至ったとき、事業再生などを図るためには、原則として次の対応を行うことが求められるとしています。

  1. 銀行など金融機関に対し、正確・丁寧に経営状況と財務状況の適時・適切な開示を行う
  2. 自律的・持続的な成長に向けて、本源的な収益力回復に向けた取り組みを行う
  3. 必要に応じて専門家などに相談し、自力で事業再生計画を策定する
  4. 段階によって必要とされる以下の対応を行う

「有事」のときに求められる銀行など金融機関の対応

中小企業者に対し、銀行など金融機関・保証協会・サービサー・貸金業者・リース債権者は、原則として次の対応を行うことが求められます。

政府系金融機関の事業再生に向けた融資制度

政府系金融機関のうち「日本政策金融公庫」では、中小企業者の事業再生を支援する制度として、次の融資制度で企業をサポートしています。

それぞれどのような制度か確認し、活用できるものはうまく利用して事業再生につなげていきましょう。

事業再生支援資金

地域経済の産業活力維持に貢献することや、技術力などからみたときに経済的・社会的に有用と認められる事業再生を支援する制度です。

民事再生法の規定による再生手続開始の申立てなど行った場合に利用できます。

企業再建資金

地域経済の産業活力維持に資する事業などを行う中小企業者が、経営改善・経営再建などに取り組む必要があるとき、その自助努力による企業再建を支援するための制度です。

経営改善、経営再建等に取り組む中小企業で、早急に企業再建を行う必要がある場合に利用できます。

挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)

新規事業や企業再建などに取り組む中小企業の財務体質強化を目的とし、資本性資金を供給するための制度です。

直接貸付で、

を利用し、

などに取り組む場合に利用できます。

シンジケートローン特例

企業再建・経営改善などに取り組む方に対し、民間金融機関と連携し資金供給する特例制度です。

企業再建資金(企業再生貸付)を利用する場合に適用されます。

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