銀行から融資を受けて資金を調達することのデメリットとは?

2019/08/26
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会社経営を続けるにあたり、銀行から融資を受けることは必要なことなのだろうかと疑問を感じる方もいることでしょう。

実際、多額の資金を必要とする場面において、多様化する資金調達のうち、銀行からの借り入れに頼ることしかない可能性も出てきます。

しかし融資を受けるということは借金を増やすことなので、会社経営においてデメリットとなるのではないかと気になるところです。

そこで、融資を受けることでどのようなメリットやデメリットがあるのか、本当に必要なことなのかなど確認してみましょう。

 

銀行から融資を受ける前に把握しておきたいこと

銀行から融資は受けたほうがよいのか、もし借り入れで資金を調達するならどのくらいの金額が妥当なのかどのように判断するべきなのでしょう。会社経営といっても、業種や現在の成長段階などにより、状況はいろいろですので一律に答えを出すことは難しいと考えられます。

大切なのは、本当に融資を受けることが必要なのか、借り入れで資金を調達することでどのようなメリットがあり、反対に発生するデメリットにはどのようなことが挙げられるのかを知っておくことです。

 

融資を受けると気持ちが大きくなってしまいがち

銀行から融資を一度受けてしまうと、手元にまとまった資金が手に入り、気持ちが大きくなってしまうものです。

借り入れをする前は、不安や緊張もあり、申し込みで提出する書類や金融機関で実施される審査、資金を調達して毎月返済するまで、本当に正しく行うことができるだろうかと心配になってしまうものでしょう。

しかし、実際に審査を通過して融資を受けることが決定し、調達した資金でいろいろな資金使途の目的を達成すると、またお金が足りなくなったら追加で融資を受ければよいと考えてしまったり、たとえ追加融資を受けても返済額にはまだ余裕があると気持ちが大きくなってしまいがちです。

結果、借入金額が膨れ上がり、返済負担に苦しむといった経営者も少なくありません。

 

知らない間に限度額いっぱいまで借金が増える

気持ちが大きくなると、それまではお金の使い方も慎重だったはずなのに、多少無駄な費用が発生してもよいだろうと、投資という名目で無駄なお金の使い方をしてしまいます。

銀行は適正額でストップしてくれず、貸し出せる金額まで融資を行います。本来なら必要額で留めておくはずだった借入金額が、貸し付けてもらえる限度額まで膨れ上がっていることはめずらしくないのです。

このような事態に陥らないためにも、融資を受けるなら本当に借り入れるべきなのかを慎重に判断すべきといえるでしょう。どこまでが必要で、どこからが必要ないのか、その線引きをしっかり行うべきということになります。

 

銀行から融資を受けてもよいと考えられる場面とは

融資を受けることが必要だと判断される場合、借り入れで調達した資金使途は何かあらためて考えてみましょう。

 

支払いサイトの遅れを埋めるためのつなぎ資金の準備に

取引先からの売上分の入金までのサイトが長く、その間の運転資金が必要という場合などは、つなぎ資金を準備することが求められます。

時間が経過すればいずれ入金される予定のお金のため、時間的な要因により資金を求めるという場合には、融資を受けることを考えてもよいでしょう。

他にも成長スピードが想定していたよりも早く、現金を回収するよりも先に外注先に対する支払いが発生してしまうといったケースも、同じく時間的な要因によって必要な資金と判断できます。

 

●銀行融資以外で対応できるケースもある

ただ、これらのケースでは融資をうまく活用してもよいですし、後日受け取る予定の売掛金を現金化するファクタリングなどで資金を調達すると、借金を増やすといったデメリットを気にすることなく支払いに充てる資金を手にすることが可能です。

 

仕入れのために資金が必要という場合は?

ネット通販や小売業の場合、売ればあたる!と感じる商品がみつかったとしても、仕入れにかかる費用が不足していればチャンスを逃すことになってしまいます。

また、仕入れの数が増えれば1個当たりの単価を安く抑えることができるので、なるべく多く仕入れたいと考えるものですが、いずれにしても資金が必要です。このような場合において、銀行などから融資を受けることを検討することになるでしょう。

しかし、仕入れのために融資を受け、大量に商品を仕入れた場合には在庫リスクを抱えることを理解しておきましょう。

 

仕入れは在庫リスクを抱える点を理解しておくこと

なぜなら仕入れた商品は、実際に売れるまでは在庫として残り、在庫のままでは融資の返済資金に充てることはできません

その上、在庫の金額は仕入からは除いて利益の計算を行うため、仕入れを行う際にお金を支払っているのにもかかわらず経費としては計上できず、在庫分は利益が増えた形で税金が課税されます。

そのため、もし商品が売れないのなら販売価格を下げて在庫をお金に変えていく努力が必要となります。ただ、人気商品は売れゆきが好調な時期は限定されていることが多いので、価格を下げても売れずに山のように在庫が残ることも十分考えられるでしょう。

それらのリスクを踏まえた上で、商品を仕入れるために銀行から融資を受けるべきか考えなければなりません。

 

新規事業や設備投資のために融資を受けることは?

店舗の新規出店や改装、または製造業が機械設備など、新規事業や設備投資のために融資を検討することもあるでしょう。

事業を拡大するためにはある程度のリスクを取ることが必要となりますが、リスクを取っても成功する可能性が高いのか検討した上での決断が必要です。

失敗してしまう経営者に多いのが、あくまでも希望的観測のみで都合のよい事業計画書を作成し、銀行に提出して融資を受けるといったケースです。

これまでとは異なる業種へ転向し、融資を受けて新たな分野へ進出するといった場合、表面的なメリットや成功例などを信じきってしまい、実際には事業に行き詰るといったことが多くみられます。

よい事例ばかりを参考にするのではなく、失敗例も参考にしてブレーキを踏むことも経営判断として重要です。

 

もっとも危険なのは資金繰りの苦しさから逃げるための借り入れ

ここまではあくまでも前向きな目的に対する銀行からの融資ですが、ほとんどのケースで借り入れを検討する場面とは、資金繰りの苦しさから逃げるために資金を必要としているといえます。

低迷する売上で思うように利益が残らない、結果手元の資金不足に陥り、毎月の返済が苦しいことを理由に銀行から融資を受けたいというケースです。

中には社員に対するボーナスが支払えずに、銀行からお金を借りて払うといったことも中小企業ではめずらしいことではありません。

しかし、そもそもの経営状況が良好でないのに、一時的に必要とする資金を借金で調達して、経営がスムーズに進むようになるでしょうか。

 

多くの経営者が実は気がついている?

もしかしたらほとんどの経営者の方が、無駄な融資を分かっていても銀行から借り入れをしてしまうのかもしれません。しかし、融資を受けて資金を調達することにより、一時的な経営の苦しさから解放される方法を選んでしまうのでしょう。

ただ、本質的な問題部分を洗い出し、解決に導かなければまた同じことの繰り返しで、結果として会社は倒産、連帯保証人となっている経営者も自己破産するしかなくなります。

そうなると抱えている社員は仕事を失い、生活はたちまち困窮するでしょう。会社を経営する以上、会社の存続も守らなければいけないのと同時に、雇用した社員を守ることも大切なことです。

 

ときには苦しい決断に迫られることも…

ただ、経営状況によっては人員整理や事業縮小なども検討が必要になる可能性もあります。本当に資金を融資で調達することが必要か、危機的な状況を打開できるのかを十分に考えた上で、借り入れを行うべきか決めるようにしましょう。

いずれにしてもなぜ資金繰りが悪化しているのか、その原因はどこにあり、解決するために何が必要なのかを知ることが必要です。このような場合において、資金の調達だけでなく経営面でのコンサルティング業務を行っている専門家に相談することも方法の1つとして検討することをおすすめします。

 

いざというときの資金調達に備えて必要ない融資を受けることは?

本当なら今は資金をそれほど必要としていないけれど、その後、まとまった資金を調達することが必要となったときに、銀行と信頼関係を築いておきたいという理由で融資を受ける経営者もいます。

実際、銀行は晴れたときには傘を差し出し、雨になると傘を取り上げるとたとえられるほど、本当のお金が必要という場面では手を差し伸べてくれない可能性があります。

銀行も営利目的で商売を行っている以上、景気が悪く経営が悪化していてリスクが高いと判断できる会社に対し、お金を貸したくないと考えるのは当然のことです。

そのため、将来のことを考え融資を受け、利息をつけて返済を続け実績を作っておくことは、ある意味ではリスク回避に繋がるといえます。

ただ、借り入れを行う金額が大きければ、その分、負担する利息も増えてしまいますので、無駄な経費が増えてしまうというデメリットは理解しておくことが必要です。

 

融資を受ける最大のデメリットは返済負担

銀行から融資を受けるメリットは一度に大きな資金を手にすることです。使えるキャッシュの総量を増やすことができるという点で、大きなメリットがあるでしょう。

では銀行から融資を受けるデメリットは何かを考えたとき、借りたお金は返さなければならないという部分が挙げられます。

返済は毎月続けて行う必要がありますが、この返済に充てる原資となるのは売上に対して発生する利益です。

本業による儲けで生まれた利益を返済資金に充てていくことになりますが、この利益には約40%の法人税が課税されることになります。

そのため、毎月発生した利益はそのまま銀行からの融資の返済に充てることはできず、税引後利益を返済資金として使うことになるのです。

 

どのくらいまでなら毎月の返済額として設定してよいか

もし銀行から融資を受ける場合には、どのくらいの金額が毎月の返済額として適正であると判断すればよいのでしょう。たとえば運転資金の目安として挙げられるのが、月商の2~3か月分という考え方です。

他にも月々の返済可能額から考える方法がありますが、これは毎月いくらなら返済できるかを考え、そこから逆算して融資を受ける金額を決める方法です。

返済原資となるのは税引き後利益ですが、他にも経費でありながらも現金が減少しない減価償却費も返済原資になりえると考えることができます。

そこで税引き後利益と減価償却費を合わせた金額を12か月で割って計算し、毎月可能とする返済金額を求めます。

 

もし会社をたたんだときに全額返済できるか考えてみること

仮に会社を精算した場合に返済できる金額を考えてみることも必要です。実際に事業を続けることを断念し、廃業という選択をする場合に、抱えている借金をすべて返済できるのかという部分で融資を受ける金額を決めましょう。

まずは、資産のうち現預金と現金に換金できるものの合計額を先に求めます。該当するのは、現金に預金、売掛金、受取手形、在庫、差入保証金などです。

次に、借入金以外で支払う必要のある費用を求めますが、買掛金や未払金、支払手形などが該当します。

お金そのものとお金に換えることができる合計額から、借入金以外で支払う必要のある費用を差し引いた場合、融資残高がこの差額までなら、もし会社をたたんだとしても債務を残すことはないでしょう。

 

まとめ

銀行から融資を受けることが必要とする場面は多々ありますが、その場面で大きなまとまった資金を手にすることができるのはメリットです。

しかし、大きなお金を手にすることで、お金に対する考え方が変わってしまうことは大きなデメリットとして捉えておくべきでしょう。

融資を受けたことにより手にした資金は、なぜか簡単に使ってしまう傾向が多く見られます。

しかし、実際には銀行から借りたお金も働いて稼いだお金も同じお金であり、同じように扱われるべきなのです。

結局、融資を使ってまとまった資金を得ても、本来使われるべき用途に上手く活用されず、失敗してしまうケースも少なくありません。

融資を受けるということは借金を増やすことですので、慎重に借り入れを行うことを検討するようにしてください。

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