企業が必要とする資金とその調達先の種類とは?

2019/05/30
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起業して順調に経営が進んだ場合、いずれは事業を拡大させていきたいと思うものでしょう。ただ、事業拡大には資金が欠かせませんので、どのように必要な資金を調達するのか検討しておく必要があります。

設備投資や材料仕入れなど、必要となる資金は把握できていても、その支払いに充てるお金は商品やサービスを販売・提供できた後です。

売上があがっても、回収期日までは入金されませんので、その間の必要資金はいずれかの方法で調達することが重要となります。

そこで、どのような場面で資金が必要になるのか、どのような調達方法の種類があるのかを把握しておきましょう。

 

事業資金の種類と内容

事業を営む上で必要となる資金の種類は、運転資金、設備資金、赤字資金の3種類です。それぞれ何に充てるための資金なのか、使用の目的をご説明します。

 

運転資金

事務所の家賃の支払いや、従業員に対する給与の支払いなど、毎月発生する資金です。

 

設備資金

機械や備品など設備に必要な資金のため、金額が大きくなるケースがほとんどです。ただ、中長期的な収益に貢献するものなので、出資した分、将来の収益としてどのくらい回収できるかが重要となります。

 

赤字資金

事業収支が赤字の場合、流出する資金を補うための資金です。赤字資金は純粋損失型先行投資型に分けることができますが、純粋損失型の場合は事業損益が赤字で改善の見込みが不透明な場合です。

そのため、資金を出してくれる相手を見つけることが困難になると予想されますが、もし営んでいる事業が社会的事業なら、寄付してくれる相手を見つけることで資金を調達できる可能性もあるでしょう。

対して先行投資型の場合、将来の事業拡大のための支払いが原因で赤字をあらわしているため、将来性が認められることで資金を出してくれる先を見つけることができるかもしれません。

 

資金はどこから調達するべきか

事業に必要な資金の種類とその内容がわかったら、どこからその資金を調達すればよいのか考えていきましょう。資金を調達する種類はいろいろありますが、必要とする資金によって調達先は変わります。

 

銀行や政府系金融機関からの融資

民間の銀行は、預金者から預かったお金を、借り入れを希望する方に対し融資という形で提供します。ただ、預金者の保護し、健全な経営を行うことを重視することが必要となるため、貸し倒れリスクが高い企業には資金の貸し付けは行いません。

そのため審査のハードルが高く、借り入れを希望しても融資が実行されるとは限らないため、このような場合には政府系金融機関である日本政策金融公庫などからの借り入れを検討するとよいでしょう。

日本政策金融公庫は、日本経済を活性化させ、それにより雇用を生んだり国民の生活が豊かになることです。

日本の企業の9割以上は中小企業ですので、中小企業の経営が成り立たなくなると日本経済も成立しなくなってしまいます。そこで、民間銀行で融資を受けにくい中小企業を支えるため、借り入れの相談にも積極的に応じてくれるはずです。

 

エンジェル投資家

欧米の演劇業界やアメリカのハリウッドやブロードウェイなどでは、事業を支援する個人の支援家をエンジェルと呼んでいたことに由来し、起業家のスタートアップに必要な資金を支援してくれる出資者をエンジェル投資家と呼んでいます。

エンジェル投資家はもともと起業家や実業家だった方なので、ただ資金を提供するだけでなく、起業したあと事業が軌道に乗ることができるようにアドバイスなども行ってくれます。

日本ではあまり馴染みがない資金の調達先ですが、海外ではメジャーな投資法として知られています。

エンジェル投資家は出資の代わりに会社の株を取得し、事業が上手く進んで大きな利益に繋がることを期待します。新規事業を軌道に乗せることは簡単ではありませんので、その失敗してしまうリスクを背負った状態で支援してくれます。

 

ベンチャーキャピタル

ベンチャー企業の株式などを引き受けることで支援を行い、いずれは株式公開企業などに発展することを期待して投資を行う投資家の集団です。

株式が公開した後は売却によってキャピタルゲインを得ることを目的としています。

ベンチャーキャピタルはファンドの運営責任者なので、ファンドのリターンを最大化することが必要です。

もしファンドの期限が近づいても上場できない場合、株式は発行会社や経営陣、第三者などに売却し資金を回収するため、上場できない場合は大きな責任がついてくることを理解した上で選択するようにしましょう。

ただ、ベンチャーキャピタルから投資してもらうと、評価されている企業とみなされ追加出資を受けやすくなります。

また、事業提携先を紹介してもらえたり、ベンチャーキャピタルからの役員の派遣などで経営支援を受けることも可能となるでしょう。

さらに保有する知識やノウハウを提供してもらうこともできるので、事業の軌道修正はしやすくなるはずです。

 

クラウドファンディング

インターネットを通じ、不特定多数に資金の提供を呼びかけ、賛同者から資金を集める方法です。

日本では2011年に本格的にサービスが開始され、中小企業の市場開拓や新規事業などに利用されている資金調達の方法とされています。

不確実性の高い新規事業は、リスクを負いながら自己資金を投入し、実績を作って借り入れを利用するしかなかったですが、クラウドファンディングを利用することで資金集めが可能となります。

また、資金の提供は賛同者から同意を得られるかどうかによるため、世の中に受け入れてもらえるかを知るきっかけにできるでしょう。

 

資金の調達先が求める見返りや抱えるリスクは把握しておくこと

注意したいのは資金の調達先に対する見返りはどうなるかです。

たとえば銀行なら、企業に対して行った融資に対するリスクの見返りは、定められた利息により回収します。そのため、借りた資金以上の支払いをすることは避けることができず、返済計画が適切でないと資金繰りを悪化させる原因になる可能性が出てきます。

ベンチャーキャピタルは株式投資を行う形となり、上場した場合には大きな利益を得ることができます。ただ、上場しなければ大きな利益は得ることができないため、求める以上に経営に口を出される可能性がありますし、経営権を揺るがされる可能性もあることを理解しておく必要があるでしょう。

エンジェル投資家も同様に、アドバイスを得ることができるのはメリットですが、必要以上に経営に口を挟まれてしまうことが苦手という方にはむきません。

クラウドファンディングにいたっては、経営に口を出されることはなくても、インターネット上で自社のアイデアなどを告知し、賛同を求める形となります。それは、他社や競合にそのアイデアや情報を盗用される可能性があるということです。

それぞれ抱えるリスクは異なりますので、しっかり内容を理解した上でどの方法で資金を調達するか選ぶようにしましょう。

 

まとめ

事業を営む上で資金を調達する方法にはいろいろな種類がありますが、どの方法を選択するかは必要とする資金の用途や状況によって異なります。

また、保有する売掛金を売却して資金化するファクタリングという方法などもありますので、出資や融資という方法に抵抗がある場合には、先に入金される予定の代金を前倒しさせるファクタリングを活用することを検討してみるとよいでしょう。

ファクタリングは資金繰りを改善させることや、貸し倒れリスクを回避させることにも繋がる資金調達の方法として、近年中小企業などで多く利用されています。

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