下請けが抱える元請けからの売掛金回収問題を解決する方法とは?

下請けとして建設業を営むなら、元請けからの売掛金の存在が重要となります。立て替えた資材代金や工事代金などが元請けから入金されないと、その間に発生する様々な支払いに行き詰ることとなるため速やかな対応が必要です。

ただ、建設業界は元請けの下に下請け、さらに孫請けといったピラミッド型の請負い構造が構築されているため、元請けに強い姿勢で支払いを請求できないケースもみられます。

ではどのようにして、元請けから早期に売掛金を回収するようにすればよいのでしょう。

 

違法に売掛金を先延ばしにする元請けも存在する

元請けの建設業者に下請けが資材代金や工事代金の請求を行っても、違法に支払いを先延ばしにするケースもあるようです。

しかし、元請けからの売掛金が回収できなければ、下請けは様々な代金の支払いができなくなり倒産してしまう可能性も出てきます。

そこで、売掛金を請求しても無視されたり、期日を守ってもらえず支払いを延ばされたりする場合には、建設業界に強い弁護士債権回収を依頼するといったことも検討が必要となるでしょう。

 

依頼するなら建設業界に精通した弁護士へ

弁護士なら誰でもよいわけではなく、建設業は特殊な商習慣や法規制などが存在するため、建設業界に精通した弁護士に依頼したほうがスムーズです。

 

違法な業者なら行政への通報も視野に

そもそも元請けは建設業法を遵守しなければならず、工事を依頼する際には書面で契約を交わすことも規定されています。もし請負いの際に契約書が交わされていないなら違法な取引となりますし、契約内容を元請けが勝手に追加や変更することもできません。

すでに完成している工事の引き渡しが行われているのに、代金を下請けに支払われないことは建設業違反の可能性が高いため、行政に通報することも視野に入れた対応が必要となるでしょう。

 

最終的には訴訟が必要に

最終的には訴訟により、強制執行などの手続きが必要となる可能性があります。弁護士に依頼することで、売掛金を確実に回収できることが期待できますが、多額の弁護士報酬が必要になり、回収まで数か月単位の期間が必要になるかもしれません。

すぐに売掛金を回収しなければ支払いができず倒産してしまうという状況の中で、弁護士費用の負担や回収までの期間が追い打ちをかけることとなり、事業を継続できなくなる可能性も出てくるでしょう。

 

元請けとの関係が悪化する可能性も

訴訟を起こすことで元請けとの関係も悪化することが予想されますので、一社に依存した取引を行っている場合はいずれにしても仕事がなくなる可能性も出てきます。

ある程度資金面に余裕がある場合や、他にも頼れる元請けがあるという場合で、断固として入金を渋る元請けと戦う意思があるのなら、弁護士に依頼するという方法を選択しましょう。

 

訴訟は避けたい!その場合はファクタリングが有効

では立場的に元請けに売掛金の請求が難しいという場合にはどうすればよいでしょう。

この場合、売掛金をファクタリング会社に売却して現金化させるファクタリングという方法が考えられます。

 

手数料はかかっても弁護士報酬よりは格段に安い

ファクタリングの場合、ファクタリング会社に支払う手数料はかかりますが、弁護士に対する報酬よりは格段に安く、即日現金化できるケースもあるので急いで資金が必要という場合にも対応可能です。

 

財務状況に不安がある企業でも利用可能

融資ではないことで、担保や保証人も必要とせず、仮に赤字決算や税金滞納など財務状況に不安がある場合でも利用できます。

というのも、ファクタリングの申し込みを行った場合にも、借り入れ同様に審査が行われますが、重視されるのは売掛先の信用力です。

期日にしっかり売掛先から売掛金を回収できるかが重要になるので、利用する建設業者の財務状況はそれほど重視されません。

 

もしファクタリングで元請けから売掛金を回収するなら

元請けと争うことなく、穏便に売掛金を回収したいなら、ファクタリングという方法も選択肢の1つとして検討してみましょう。

ただし、保有する売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらえるかは別の話です。審査により、信用力が低い売掛先だと判断されれば、売掛金は買い取ってもらえない可能性もありますし、買い取ってもらえるとしても手数料が高めに設定される場合もありますので、その点は理解しておくことが必要です。

また、ファクタリング会社もたくさんありますので、複数社から相見積もりを取得し、どこに依頼するのか決めるようにしてください。

《2020.9更新》ファクタリングで必要とされる債権譲渡登記はオンラインで申請可能?

企業が保有する売掛金を売ることで資金を調達できるファクタリング。ファクタリング契約の際には、債権譲渡登記が必要なので別途費用がかかるという説明を受けることがあります。

その際にオンラインなどを使うのか?そもそもどのような流れで登記が申請されるのだろうか…と疑問を感じたことはないでしょうか。

登記の申請といえば、不動産の所有者を変更する登記や資金調達の場面で抵当権を設定、または解除といった登記が一般的です。

ファクタリング会社が買取る売掛金に対して登記を行うと耳にしても、馴染みがないため方法がよくわからないしリスクに感じる方もいるでしょう。

また、申請手続きは資金を貸付る銀行依頼の司法書士などに任せているので、特に自分が関わることもないという方も少なくありません。

そこで、ファクタリングにおいて必要とする債権譲渡登記のメリットやデメリットを踏まえ、どのような流れで登記が申請されるのかご説明します。

 

債権譲渡登記の方式の種類

ファクタリングは未回収の売掛債権を売却して資金調達する方法であるため、融資を受けるわけではないことから担保も必要なく、返済負担を負うこともありません。

ファクタリング会社によっては即日現金化が可能のなるなど、迅速性が高い資金調達方法ではありますが、利用する際には手数料が発生します。

その手数料を左右するのが債権譲渡登記ともいえます。

現在、債権譲渡登記の方式は3種類あり、それぞれ内容に違いがあります。

債権譲渡登記は他の登記手続きよりも申請数は多くない登記のうちの1つといえますが、ファクタリング利用において行われる登記は実際にどのような方法や流れで手続きが行われるのか確認しておきましょう。

 

書面方式

申請データを磁気記録媒体(CD-RやCD-RW)に格納したものと、登記申請書や委任状など添付書類を印刷したものを登記所に郵送もしくは持参して申請する方式です。

 

オンライン方式

登記・供託オンライン申請システムにより、申請に必要な書式すべてをオンラインで送信する方式です。

注意したいのは、会社の本店商号・代表者を証明する書面である資格証明書など別途、郵送や持参することはできないということです。

さらに、代理人の電子署名に加えて、申請人の電子署名も必要になります。

 

事前提供方式

事前に申請データを登記・供託オンライン申請システムを使ってオンラインにより送信し、登記申請書や添付書類は、登記所に郵送もしくは持参して申請する方式です。

書面申請で使用する磁気記録媒体のデータを、前もってオンラインで提出すると理解しておきましょう。

オンラインで送信して2週間以内に書類の提出がなければ自動的に提供したデータは削除されること、また、登録免許税を電子納付することはできない点に注意が必要です。

 

なぜ債権譲渡登記がファクタリングに必要か

そもそも債権譲渡登記制度とは、法人が行う金銭債権の譲渡について、債務者以外の第三者に対しての対抗要件に備えるために用いられる制度です。

本来であれば、原則確定日付のある証書で債務者に通知を行う、または債務者の承諾を得ることで第三者に対抗することは可能です。

しかし、2社間ファクタリングなど売掛先に通知を行う場合や承諾を得ない方法で取引が行われる場合には、この債権譲渡登記を用いることでファクタリング会社が第三者に対する対抗要件を得ることが可能となるため必要とされる場合があります。

 

証明書もオンラインで請求可能?

通常であれば債権譲渡登記を行ってもその事実を売掛先に知らせることはないので、ファクタリングを利用する会社も安心して審査を受けることができ、資金調達できるのは大きなメリットです。

なお平成23年4月1日より、オンラインにより交付請求をした債権譲渡登記の概要記録事項証明書は、全国の登記所窓口で交付が可能となっています。

ただオンライン交付請求で債権譲渡登記の証明書を請求し、登記所窓口で交付を受けるときには、本人確認書類として「法務大臣の定める書面」を窓口に提出することが必要とされています。

オンライン証明書の交付請求手続を行う場合、申請用総合ソフトを利用する場合と、かんたん証明書請求を利用する方法があります。

申請用総合ソフトを利用するなら、ネット接続されたパソコンに債権譲渡登記の申請人プログラムのインストールが必要です。登記・供託オンライン申請システムの申請用総合ソフトをインストールする手続きを忘れず行うようにしてください。

 

ファクタリング利用で不安を感じるなら

このように、債権譲渡登記を行うにはいくつか方法があり、その証明書を取得する方法も一般的には複雑であると留意しておきましょう。

ファクタリングで債権譲渡登記が必要となっても、わざわざ売掛先が自分の売掛金が譲渡されたのではないかと確認にいくとは考えにくいといえます。

ただし必ずしも売掛先に債権を売却した事実を知られないとも限りませんし、金融機関からの融資を希望している場合には銀行側が審査において確認するリスクは発生します。そうなると銀行融資の貸付審査には通らなくなってしまうという大きなデメリットを抱えることになりますので、できる限り債権譲渡登記は避けたい手続きでもあります。

何よりもファクタリングを利用する際には手数料が発生するため、債権譲渡登記が必要になればその分費用負担は大きくなってしまいます。さらに債権譲渡登記は法人のみが可能となっている制度のため、個人がファクタリングで資金調達する場合には利用できません。

このような場合も踏まえてファクタリングで資金調達する際には、債権譲渡登記を行わずに取引を行うなど柔軟対応を可能とするファクタリング会社を選択することをおすすめします。

違法な取引を行い、逮捕されている業者もあるほどなので、必ず口コミなどを参考に安心できる業者と契約を結ぶようにしてください。

中小企業でも与信管理は必須!どのように行えば効率的?

もし発生した売掛金が回収不能となったら、貸し倒れとなった売掛債権を抱えることとなり大きな損失が発生します。このような事態を防ぐため、中小企業でも取引先の与信管理を適切に行うことが必要です。

ただ、規模が大きくない中小企業では、与信管理部門を別途設置する余裕がなかったり、与信審査を行う担当者が不足していることもあるようです。

そこで、正しく与信管理を行うための注意点やリスクマネジメントの方法などについてご説明します。

 

与信とは何を意味する言葉か

商品や製品、サービスを取引先に販売・提供した場合、その場で現金としてその対価を受け取るのでなければ、代金を受け取る権利である売掛金を保有することになります。

すでに与信はこのタイミングで発生することになるわけですが、販売・提供による売掛金から、回収・取立による現金までの間に、信用を供与していることとなるため与信という言葉が使われます。

 

与信管理が重視される理由

利益や売上を最大化させることが目的としますが、目的を追求する過程で、売掛債権や与信金額の増大は避けて通ることができない部分です。

与信金額が増えると不良債権を抱えるリスクを高めることになるので、売掛債権が増えても損害は抑制すること与信管理として必要になります。

 

与信管理として行うこと

与信管理として行うことは、取引先の経営内容を評価した上で信用取引を行うか判断するための情報を入手・分析する信用調査、さらに信用供与における最大金額を算出して、取引を可能とする金額に限度を設定・運用することです。

 

与信管理に必要な情報を入手する方法

企業別の情報を入手する方法として、たとえば社内の営業担当者や経理担当者から情報を入手する内部調査以外にも、取引先となる相手企業から直接情報を入手する直接調査、さらに外部から情報を得る外部調査、外部機関などに調査依頼をかける依頼調査があります。

 

内部調査

営業部や経理部など、社内にすでに蓄積されている情報から調査を行う方法で、担当者個人がいろいろな情報を保有していないか面談しながら聞き出していくことも必要です。

 

直接調査

直接相手の企業を訪問して調査を行う場合もあれば、遠方などで訪問できない場合には電話やメールなどを利用して行われます。

直接訪問する場合には、ヒアリングのときなどに、事務所や工場の就労環境、在庫の程度、設備状況などを把握することができます。

 

外部調査

インターネットなどで相手企業のホームページを閲覧したり、企業データベースを検索したりする方法です。

相手企業の取引先(仕入先、販売先、近隣業者、事務所ビルのオーナー、取引銀行など)や同業者などから情報を入手することで、本当に公開されている情報が正しいのか確認することができます。

それに加え、商業登記簿や監督官庁の登録情報を閲覧するといった方法も行いましょう。

 

複数の部門で協力しながら徹底した与信管理を

中小企業などは従業員数そのものが少ないこともあり、与信管理部門などを設けて取り仕切りながら管理を行うことは難しいでしょう。

ただ、与信管理は単独で行うものではなく、いくつかの部門がそれぞれ役割を分担しながら行うほうが効率的です。

経営者がすべて担当しようとせず、承認を申請する担当者と承認をする責任者を分けるなど、担当を分散させて行うようにしてください。

 

定期的な見直しも忘れずに

与信管理とは、この企業と取引を行っても問題ないかという部分に加え、この企業とならいくらまで取引してもよいかという判断を行うことです。取引先ごとにそれらを設定し、定期的に見直しておくことも必要となります。

リスク回避のためには、売掛債権が発生する取引先だけでなく、仕入先、外注先、下請先、貸付先など、様々な取引先の信用に対して管理していくようにしましょう。

売掛金が回収不能に陥った時や陥らないための債権保全とは?

万一、取引先が倒産してしまい売掛代金は回収できなくなってしまいます。回収できなかた売掛金などの債権が貸し倒れとなれば、その後の会社経営に大きな影響を及ぼすこととなり、事業存続の危機に立たされるかもしれません。

連鎖倒産してしまうことを防ぐためにも、確実に債権を回収するための債権保全を検討しましょう。

 

債権保全の対策は平常時から

債権保全とは、売掛金などの債権の回収を確実に行いますが、売掛先の経営状況が悪化し、破綻などで債権が回収できなくなる前に平常時に行っておく方策のことです。

債権の回収をスムーズにするための工夫といえるので、債権の弁済を簡単に受けることができるような方策でなければ、債権が保全されたとはいえないでしょう。

債権の保全・回収の方策は、平常時、信用不安時、倒産時など、それぞれのタイミングにおける売掛先の営業状況の段階により異なります。

この3つの段階での対応策を準備検討することが、債権回収を実現させることに繋がるといえるでしょう。

もし売掛先が倒産したときに慌てて債権回収に乗り出したとしても間に合わない可能性が高くなります。普段から倒産したときを想定し、債権回収の保全対策をとるようにしてください。

 

債権の保全・回収の方策の種類とその内容

その内容として、業況把握や、与信モニタリング、担保権設定、基本契約の締結などが挙げられます。

 

与信管理で事前の危機回避を

債権保全は、実際に危機が発生したときだけでなく、売掛先と取引を開始する前に与信調査を行っておくことも必要です。

また、取引を開始した後でも、定期的に売掛先が良好な経営状況にあるのか把握しておくことで、突然の倒産による債権回収不能という状態に陥ることを避けることができます。

 

担保の取得

担保の設定以外にも、遅延金利の設定支払いを手形化させると言う対策も、方法の1つです。

 

基本契約の締結

債権の回収までを見通した上で、基本契約書を作成しておくことも必要です。

大切な文言が何か1つ抜けていただけなのに、大きな損失を抱えることになることもめずらしくありません。

事前に紛争になることを基本契約書で予防することで、無駄な費用や労力を抑えることに繋がるでしょう。

もし代金の回収に問題が生じた後でも、売掛先と交渉や協議を行い、債務を承認してもらった上で分割弁済による合意を得る方法もあります。

その際には、明確に効果が出る内容を記した、合意書示談書を作成しておくことが必要です。

公正証書にしておくと、裁判を行わなくてもすぐに強制執行手続きを取ることもでき、裁判所での和解もスムーズです。

 

債権回収は初期の方針が重要

債権を回収しようとするとき、初期の方針をしっかり検討することが大切です。弁護士に委任さえすれば全額回収が可能になるというわけではありません。

もし売掛先に資産がなにもない場合や、そもそも資産状況を把握できていなければ、回収できずに終わる可能性も出てきます。

そこで、むやみに債権の回収に費用と労力を費やすことはせず、どこまで回収を行うのか見極めることが大切です。

 

売掛先が倒産しても諦めないこと

普段から長く取引がある売掛先が万一倒産してしまうと、売掛金が回収できなくて事業が継続できなくなってしまう可能性があります。最悪の場合、連鎖倒産という結果に至らないためにも、債権保全と回収の意味と重要性をしっかり理解しておきましょう。

売掛代金を未回収のまま保有していても不良債権として残るだけです。売掛金の中に不良債権化した債権が残ったままでは、銀行融資の場面でも不利になってしまいます。

普段から万一に備えるためにも、債権保全のために何ができるかを検討し、まずは売掛先に対する与信管理などで事前対策を講じておくようにしましょう。

売掛債権は債権譲渡と担保融資のどちらで資金調達したほうがよいか

買い物をして商品を受け取ると、その代金はその場で支払うでしょう。しかし、企業間の取引ではその限りではなく、商品を納品したときには代金を受け取らず、後日請求書を発送して1~2か月先に代金を支払ってもらう掛け取引が一般的です。

ここで発生するのが売掛金という売掛債権ですが、代金が入金されるまで期間が長いとその間の支払いができなくなってしまうかもしれません。そこで、売掛金などを債権譲渡し、資金を調達する方法が近年中小企業などで多く活用されています。

また、債権譲渡という形以外にも、担保に差し入れいて融資を受ける方法もありますが、どちらの方法で資金を調達したほうがよいのでしょう

 

売掛債権を債権譲渡するのはファクタリング

掛け取引において、基本的にその支払いサイトは納入先である売掛先に合わせることが多くみられます。

もし、月末締め翌々月末払いという支払いサイトであれば、商品を月の初めに納入すると3か月近く入金されない期間が発生してしまいます。

しかし、その間には材料や製品などを仕入れた代金などの支払いが発生することになるため、運転資金が不足する可能性も考えられるでしょう。

このような、商品やサービスを顧客に対して販売したけれどまだ支払いがなされていない売掛債権は、増えすぎれば資金繰りに悪影響を及ぼします。

そこで、債権譲渡という形で売掛債権を売却し、入金の期日を早めるファクタリングが注目されはじめているのです。

借金を増やさないから返済負担も負わない

売上があがれば利益も増えていきますが、それはあくまでも会計処理上での話です。売上がいくらあがっても、売掛金を回収して現金化させなければ、企業は資金不足に陥り最悪の場合倒産してしまいます。

事業が好調で波に乗っていれば、注文も増えていくでしょうが、そのためには新たな材料や製品の仕入れが必要となり、その代金を支払うことができる状況であることが重要となります。

もし、手元の資金が不足していれば、運転資金を調達することが必要となりますが、借金を増やしてもその後の返済資金に苦労してしまうかもしれません。

しかし、もともと入金される予定だった売掛金を早めに現金化するファクタリングなら、借金を増やすこともなく、資金繰りを改善させることが可能です。

 

売掛債権を担保に融資を受けるのはABL(売掛金担保融資)

売掛金を担保として金融機関から融資を受けることをABL(売掛金担保融資)といいます。

注意しておきたいのは、ABLは償還請求権があるという点です。もし担保に差し入れていた売掛債権が回収不能状態に陥れば、その責任を負わなければなりません。

対するファクタリングの場合は、償還請求権のないノンリコースによる利用を提供している優良なファクタリング会社も存在します。

申し込みを行ったときに実施される審査においても、ABLは融資を利用する会社の信用力が重視されるのに対し、ファクタリングでは売掛先企業の信用力を重視するため、審査のハードルも大きく異なるといえるでしょう。

 

ノンリコースのファクタリングでリスクを負うのは誰か

償還請求権のないノンリコースによるファクタリング契約の場合、その損失はファクタリング会社が負うことになります。

利用する側としては貸し倒れリスクを負うことがないので、万一という場合でも安心して利用できることが大きなメリットです。

ただその分、手数料は高めに設定されているケースもあります。ファクタリングにおける手数料は、ファクタリング会社によって取り決めが異なるため、複数社から相見積もりを取得して比較した上で検討することが望ましいといえます。

 

ファクタリングを利用するなら複数社から相見積もりを!

ファクタリングは売掛金を債権譲渡という形でファクタリング会社に売却し、早期に現金化することで資金を調達する手法です。

その際、ファクタリング会社に対して手数料が発生しますが、この手数料は、売掛先企業の信用力や、契約方法、売掛債権の金額、登記の有無など、償還請求権以外にも様々な項目で手数料は変わってきます

信頼できるファクタリング会社を見つけるためにも、いろいろなファクタリング会社から見積もりを取得してみることをおすすめします。

資金の調達に手形や売掛金などの売掛債権を利用する方法とは

取引先から受け取った手形を現金化する方法に手形割引がありますが、資金繰りに困った企業などが手早く現金として資金を調達できる手法として利用されています。

似た手法に売掛金を現金化するファクタリングがありますが、方法は似ていても手形割引とファクタリングはまったく違った資金調達の方法です。

そこで、それぞれの資金調達の仕組みや特徴についてご説明します。

 

手形や売掛金など売掛債権を使った資金調達はすでに当たり前の状態

取引先からの支払いに手形を受け取ったとしても、手形に記載された期日にならなければ現金として入金されることはありません。

また、月末分にその月に納品した分をまとめて請求し、後日その代金が入金されるという場合も売掛金として計上され、こちらも入金される期日までは現金を得ることはできない状態となります。

そのため、どちらも期日までの期間が長く設定されていると、その間の資金繰りが悪化してしまうことが懸念されます。

そこで、手形を期日前に現金に換える方法として、手形割引やファクタリングを利用する中小企業が少なくありません。

 

手形を現金化する「手形割引」

まだ期日を迎えていない手形を、銀行や手形割引専門業者などに買い取ってもらい、現金に換金する方法が手形割引です。

手形を買い取ってもらう際には期日までの日数分の手数料や利息が発生しますので、現金として受け取ることができる金額は、これらの費用が割り引かれた後の額です。

手形を担保として現金を貸してもらうことになるため、手形の売買ではなく融資とみなされる取引です。

手形を現金化するためには、手形の買い取りを金融機関や手形割引業者に依頼します。依頼を受けた銀行などは、もともと手形を発行した振出人に支払い能力があるか調査を行いますが、もし振出人に支払い能力がないと判断されてしまうと、手形割引は利用できない可能性もでてきます。

また、割り引いた手形が期日を迎えたとき、振出人の当座預金の残高不足などで不渡りとなった場合には、現金化した代金を銀行に返還しなければなりません。

「手形貸付」と異なる点

手形割引は手形を期日前に現金化することですが、手形貸付は自社の手形を担保として、金融機関やノンバンクなどからお金を借りることです。信用取引の1つであり、ある程度、信用力が高いとみなされる企業が利用できます。

この場合も、手形に記載された金額から金利分が差し引かれ、現金として資金を調達することとなりますが、迅速に融資を受けることができる点はメリットです。

ただし、返済期間は短期的なものとなり、どれほど長くても1年以内で返済しなければなりません。支払期日に一括で支払うのか、それとも分割で返済するのかなど選べるのはメリットですが、赤字経営では利用できないことがほとんどです。

 

売掛金を売却して現金化する「ファクタリング」

手形ではなく、売掛金をファクタリング会社に売却して現金化する方法をファクタリングといいます。

同じ売掛債権でも保有する売掛金が売却の対象ですが、利用するにはファクタリング会社に対して手数料を支払う必要があるため、現金として受け取ることができるのは手数料が差し引かれた残りの金額です。

ただ、手形割引や手形貸付と大きく違うのは融資ではないという部分は手形割引と大きく異なる点といえます。さらに、万一、売掛金を現金化した後に売掛先が倒産したとしても、その弁済負担についてファクタリングを利用した会社が負うことはありません

ただし注意したいのは、ファクタリング会社が徴収する手数料やファクタリング業を営む上での登録制度など、法的な整備が不十分であることです。中にはファクタリング会社を装い法外な手数料を請求する悪徳業者も潜んでいることから、優良な会社を見極めることが重要となります。

 

手形や売掛金は中小企業にとって資金調達の有効な活用アイテム

銀行の融資などで資金を調達しようと思っても、審査が厳しく借り入れができないという場合も少なくないでしょう。このような場合、手形や売掛金などの売掛債権を資金の調達方法として有効活用することを検討してみることをおすすめします。

ただし、それぞれメリットもあればデメリットもありますので、自社にとってどの方法が最も適しているかしっかりと判断した上で活用するようにしましょう。

ファクタリングの審査で準備が必要となる書類とは?

ファクタリングに関わらず、金銭がやり取りされる場合や取引を契約する場面では審査が行われることが多くあります。

資金を調達する方法にもいろいろあり、銀行やノンバンクから融資を受けるときにも審査は行われますし、売掛債権を売却するファクタリングでも審査は必要です。

金融機関からの融資は利用したことがあるので、ある程度は審査に必要とされる書類は知っているという方もいるでしょう。しかし、ファクタリングをまだ利用したことがない場合、審査において何の書類が必要なのかわからないという場合もあるかもしれません。

そこで、ファクタリングを利用する際、審査を行ってもらうために何を必要書類として求められることになるのかご説明します。

 

ファクタリング利用までの流れ

ファクタリングを利用するにあたり、審査に必要な書類をご説明する前に、まずはどのような流れでファクタリングにより資金が調達されるのか、その流れを確認しておきましょう。

①ファクタリングの相談と申し込み

ファクタリング会社に連絡して、電話メールなどで問い合わせを行います。このとき、どのファクタリング会社に依頼すればよいかわからない場合には、複数社から相見積もりを取ることも検討してみましょう。

②ファクタリングの必要書類を揃える

決算書や売掛債権に関する資料を揃え、ファクタリング会社に必要書類を提出します。

③審査と売掛先企業の調査

ファクタリング会社では、提出された書類の情報などをもとに、調査や審査が行われます。

⑤ファクタリング契約の締結と入金

審査が無事終われば、ファクタリング契約を結び、売掛債権額より手数料分が差し引かれた状態で入金されるという流れです。

 

ファクタリングで求められる必要書類

ファクタリング取引において、必要書類として求められるものは利用するファクタリング会社により異なる場合があります。

ただ、一般的にはそれほど差がありませんので、揃えておくとよい書類も含めると次のとおりです。

事業を説明できる資料

自社について説明を行うために、会社概要やパンフレット、ホームページの印刷画面などを準備しておくとよいでしょう。

商業登記簿謄本、印鑑証明書

契約書に署名押印する際に必要です。他にも住民票や身分証明書などを求められることもあります。

決算書

2~3期分決算書を提出することが基本となりますが、前回の決算月より3~6か月以上経っている場合には、その年度の試算表などを求められる場合もあるようです。

銀行口座の通帳の写しなど

決算書が赤字の場合、提出して大丈夫だろうかと不安になる方もいるようですが、ファクタリングの審査で重視されるのは売掛金が定期的に発生しているのか期日どおりに入金されているのか、売掛先は信用力が高い企業かなどかです。

資金繰り表

ファクタリング後に資金繰りの回復余地があるのか、支払能力なども確認されます。債務超過は多少であれば問題視されないですが、1か月後の支払いまで事業を継続できるのか確認されることになるでしょう。

売掛金証明書類

最も重視される書類といえます。主に、次の書類を求められることとなるでしょう。

 

・売掛先企業との基本契約書

売掛先企業と締結した取引基本契約の契約書の写しなどが必要です。なお、契約書がない場合でも対応してくれる柔軟なファクタリング会社もあります。

 

・発注書、納品書、請求書など

商品やサービスの発注書請求書から、金額や入金日の確認を行います。

 

ファクタリングで資金調達するならファクタリング会社選びが重要!

他にもファクタリング会社や取引の内容によって求められる書類は増減しますので、一般的にこれらを揃えておくとよいと理解しておきましょう。

ファクタリングで実施される審査は、借り入れを行うときよりも比較的緩やかでハードルが低い傾向がみられます。

利用を申し込んだ会社の経営状況より、売却する売掛先の信用力が重視される傾向があるため、しっかりとした企業の売掛金を保有しているのなら、ファクタリングでの資金調達を検討してみるとよいでしょう。

ただ、かかる手数料などはファクタリング会社により設定が異なるため、複数社に相見積もりを取得し、比較・検討した上でどこに依頼するか決めることをおすすめします。

売掛債権の譲渡を禁止する特約について民法が改正に?その内容とは

2017年5月、実に120年ぶりに民法(債権法)が大幅改正され、2020年から施行されることとなりました。この民法改正により、商取引や支払いにおいて様々な影響が出ることが予想されますが、その中で債権譲渡禁止特約に関しての変更については注目です。

 

現在の民法上の債権譲渡についての扱い

現在の法律においても、債権者が債権を譲渡することは可能であることは明記されていますが、契約の中で債権譲渡禁止特約が設定されている場合には、譲渡や担保に提供しても無効という扱いになります。

売掛債権を譲渡して現金化するファクタリングで資金調達したくても、契約上、売掛債権の譲渡禁止特約が組み込まれていれば、利用できなくなってしまいます。

もちろん、特約が付帯されていても、相手の承諾を得れば売掛債権を譲渡することは可能です。しかし、大企業の下請として働いている中小企業が、元請である大企業に債権を譲渡する事実を伝えることは、資金繰りが悪化していることをわざわざ知らせることとも考えられるため、できれば知られずに売掛債権を売却したいと考えることが多いようです。

そこで、民法改正により、この債権譲渡禁止特約に関してどのような変更がなされたのか、今後、ファクタリングの利用は今よりも円滑になるのかなどご説明します。

 

なぜ売掛債権の譲渡を禁止する特約が設けられるのか

そもそも、どうして債権譲渡禁止特約が取引契約の中に組み込まれることになったかという部分から確認していきましょう。

まず、大企業が部材などを購入する場合には、中小企業からというケースが多くみられます。しかし、大企業にとって相手は中小企業。このご時世、いつ何が起こるかわかりませんし、経済体力が弱い中小であれば倒産する可能性も否定できません。

そのような様々なリスクを、できるだけ事前に回避しようという考えの下、債権譲渡禁止特約を組み入れることが行われるようになったといえます。

仮に売掛債権の売却相手が反社会勢力だったら…

もし中小企業が経営不振状態に陥り、売掛債権を売却して現金化しようと考えたとします。しかし、その売却相手が反社会的勢力などで、ある日突然、自らが債権者であることを反社会勢力に主張されることになったら、企業としてはコンプライアンス上、大きなトラブルを抱えることとなります。

そこで、債権譲渡禁止特約を組み入れておき、承諾なしに売却や担保に差し入れることができないようにしているのです。

 

民法改正で債権譲渡禁止特約はどのように変わるのか

今回の民法(債権法)の改正により、一定条件が揃えば債権譲渡禁止の合意があったとしても、債権譲渡自体は有効であると認められることになりました。

契約上、債権譲渡禁止特約が付帯されていても、法律上、譲渡は可能とされるため、実際には譲渡禁止特約ではなく、譲渡制限に変更されることになります。

債務者が譲受人に対抗できる要件に注意

ただし、債権の譲受人が、債権の譲渡が禁止されている事実を知っている場合には、債務者は譲渡人に弁済することで譲受人に対抗することができます。

ファクタリングの場合、ファクタリング会社(譲受人)が債権譲渡を禁止されていることを知っている場合や、知らなかったとしても知っていたと判断できるような場合、売掛先(債務者)に抗弁権が認められることになります。

抗弁権とは、相手の請求を特定条件が成就するまで、一時的に拒否して延期できる権利です。結果として売掛先は、ファクタリングの利用会社(譲渡人)に通常通り売掛代金を支払えば、ファクタリング会社に対抗することができることになってしまいます。

 

債権譲渡禁止特約の変更が影響するのは3社間ファクタリング

企業間取引は、そのとき一回きりということはそれほど多くなく、一度契約すれば継続することが一般的です。

そのような状況下で、たとえば3社間ファクタリングを利用し、今回だけは別の口座に売掛代金を送金してもらえるように頼んだとしても、依頼を受けた企業としては事務手続きの手間がかかる上に、処理のミスにつながる可能性を懸念するはずです。

もしかしたら、そういった面倒なことを依頼してくる企業とは、もう取引したくないと思われてしまうかもしれません。

そのため、中小企業がファクタリングを利用するときには、売掛先企業に債権譲渡の事実を通知されない2社間ファクタリングを希望する傾向が高くなります。

なお、2社間ファクタリングの場合には、売掛先に対して通知が行われませんので、今回の民法改正の影響は及びにくいと考えられるででしょう。

銀行融資で問題視されるのは売掛金に隠された不良債権?

銀行から融資を受けるとき、決算書の売掛金の数字についてしつこいくらい質問された経験はないでしょうか。

もし売掛金について熱心に質問されることがあったら、不良債権ではないかと疑われている可能性もあります。

そこで、銀行が決算書の売掛金から何を知りたいと考えているのか、不良債権ではないかと疑われてしまう理由についてご紹介します。

 

債務超過で融資は難しい

銀行に融資の申し込みを行うと、審査過程において提出された決算書の数字を確認します。決算書をさまざまな角度からみていくことになりますが、その内の1つに債務超過の状態でないかも確認されます。

債務超過とは、資産の総額よりも負債の総額のほうが大きくなっている状態のことで、今資産をすべて売ったとしても、負債を返済しきれず残ってしまう状態を示します。

資産をすべて売却しても借金が残ってしまう会社に融資を行った場合、いずれ返済が滞り大きな損失を銀行が抱えてしまう可能性があると判断され、融資が行われなくなる可能性が高いでしょう。

 

「資産-負債=プラス」なら問題ないのか

では、決算書の資産から負債を差し引き、プラスが出れば債務超過ではないから安心できる会社だと判断されるかといえばそう甘くはありません。

ではその決算書の数字は、本当の数字なのかということです。銀行から融資を受けるために、どうすれば審査を通過できるのか、銀行が安心する数字に調整されているかもしれないと考えます。

倒産危機にある会社に融資を行うことは本末転倒なので、リスクを享受するためにもその決算書の数字に怪しい部分はないのか確認する作業が行われるといえるでしょう。

 

その売掛金の数字は全額価値のあるものなのか

売掛金は売掛債権であり、将来入金される予定金額を示すため、決算書では資産として記載されることになります。

そこで、売掛金として記載されている数値は、本当にすべて価値のある数字なのかを知りたくてしつこく質問を続けてくる可能性もあるのです。

仮に債務超過か見極める際、決算書の数字に修正する必要があると判断できる部分は修正した上で判断します。

しかし、それはあくまでも銀行の検証による結果なので、売掛金の数字に怪しまれる部分があったとしても、それに対する説明ができる事情があったとしたら誤解されたまま債務超過と判断されることになってしまいます。

勝手に疑いをかけられ、誤解をされないように、誤解を解く説明ができるようにしておくことが大切なのです。

 

売掛金に不良債権が含まれていないか判断する方法とは?

売掛金の中で、回収できない不良債権も含まれていないかという点については、どのように判断されるのでしょう。

銀行から売掛金の支払いサイトについてたずねられることがあるかもしれません。支払いサイトとは、売上の請求日から売掛代金が入金されるまでの間のことです。

たとえば、もし支払いサイトが毎月末締めの翌月末払いになっていれば、当月の売上分は次月末には回収されることになります。

そこで、

  • 年商÷12(か月)=月商
  • 売掛金残高÷月商=売掛金のサイト

というおおよその計算式で、本当に伝えられた支払いサイトが正しいのか見極めを行います。

もし数字が合わない場合は、その中に回収が滞っている売掛金など、いずれ不良債権になるものが含まれているのではないかと判断されてしまうかもしれないのです。

ただ、銀行員が計算に使用する月商は平均月商となるため、季節などで売上が膨らむケースもあるかもしれません。たとえば決算直前に大口で売上があがった場合などは、その事実をしっかり伝えることが大切です。

 

審査でいらぬ疑いをかけられないために

銀行融資の審査において、資産である売掛金の中に不良債権が混ざっているのではないかという余計な疑いを掛けられないためにも、自信を持って決算書を提出できるようにしておくことが望ましいといえます。

売掛債権とは|資金繰りが順調か判断する指標を知っておくこと!

売掛債権とは、商品やサービスを販売・提供しているのに、まだ代金を受け取ることができていない分を請求できる権利です。

商品やサービスを提供された側は、その代金を支払う義務を負い、債務を背負っている状態にあるといえます。

この売掛債権は、資金繰りが順調かを判断する指標として用いられていますが、どのように使うのかご紹介します。

 

「売掛債権」の特徴

「売掛債権」は「売上債権」と呼ばれることもあり、代金を受け取ることができる権利なので、「資産」とみなされます。資産ですので、売掛債権を担保に銀行などから借入れを行うことも可能です。

勘定科目としては、「資産の部」の「流動資産」に区分されることになり、手形を保有していれば「受取手形」保有していなければ「売掛金」を使うことになります。

売掛債権は行使できる期限の定めがあるので、期限までに代金を支払うように請求を行わなければ権利の行使はできなくなる場合もあります。

時効については、契約形態や役務の提供など、債権の種類により変わりますので注意しましょう。ただ、時効が近くなってきた場合に、支払い誓約書などに対する署名・捺印を要求し、支払うことの承認を得られれば時効を中断することも可能です。

 

経営の効率性をしめす「売掛(売上)債権回転率」

保有する売掛債権の回収がどのくらい効率的に実践できているかを示す比率です。経営の効率性を分析するために用いられる指標の1つであり、

「売上高÷売掛債権売上=売掛債権回転率」

で、計算することができます。

比率が低いほど回収までに時間がかかることを示すため、手元に現金として入金されず、債権として資金が拘束される期間が長いことを意味します。

現金販売であれば比率は高くなりやすいですが、売掛債権がどのくらいの速さで換金されたかを確認できる指標なので、比率が高ければ高いほど資金繰りは順調に進んでいると判断できます。

売掛債権回転率で判断できること

売掛債権回転率を活用すれば、期間中の売上高が売掛債権残高の何倍かを判断することもできます。

毎月の締切日に、売掛合計額を月末に決済するという場合においては、売掛期間は30日となります。この場合、1年で12回転することになりますが、回転率が悪ければ、表面上は黒字でも、回収が難しい売掛金分もその中に含まれていると考えられます。

そこで、事前にどのような方法を用いれば確実に代金を回収できるのか、販売条件などについても確認が大切です。

 

売掛債権を早期に換金する方法

このようなことから、売掛債権はできるだけ早く換金できることが、資金繰り改善には必要と判断できますが、売掛先に交渉しても支払いサイトを短期にしてもらえるとも限りません。

その場合、保有している売掛債権を第三者の「ファクタリング会社」に売却し、現金化できる「ファクタリング」という方法を検討してみるとよいでしょう。

売掛債権には、何か月後に支払うといった決まりがなく、一般的には双方企業の交渉によって決まります。しかし、売掛先となる企業の力関係が強いことが多いので、仮に大手企業が売掛先の場合、大手企業の都合で売掛金の支払期日が決まってしまうでしょう。

しかし、それでは中小企業側の業務に支障が生じるケースもありますので、「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」では、親事業者は下請代金の支払期日は給付の受領後60日以内に定めることとされています。

そのため、支払いサイトはどんなに遅くても、月末締め翌々月末払いという60日以内で設定されていることが多いはずです。

しかし、60日という期間は、短いようで長く、中小企業はその間の支払いに充てる資金が不足することも少なくありません。このような場合にも、ファクタリングを利用することで売掛債権を早期に現金化でき、資金を調達することができるようになります。

 

依頼するファクタリング会社選びに活用したいサイトとは?

売掛債権で事業が行き詰ってしまわないために、ファクタリングを利用したくてもどのファクタリング会社に依頼すればわからないかもしれません。

そのような場合、簡単な入力で問い合わせをすると、自社に適したファクタリング会社とマッチングしてくれる見積もりサイトの利用してみてはいかがでしょう。

実際に見積もりを依頼したことで、保有する売掛債権を対象とするファクタリング会社をスムーズにみつけることができ、現金化まで迅速に対応してもらえたという方もいます。

急いで資金が必要なときや、売掛債権の支払いサイトが長いことで資金繰りが悪化することを防ぎたいというときには、まずは相談してみることをおすすめします。