キャッシュフローを改善させるには返済のシミュレーションが重要!

中小・零企業の多くでみられがちなのが、間違った財務や金融戦略を行うことにより、本当なら利用できたはずの資金調達の機会を逃していることです。

キャッシュフローの管理がしっかりできておらず、本業ではなく資金繰りにばかり時間を充てることにならないよう、将来的なシミュレーションを行うことは非常に大切であるといえるでしょう。

特に借り入れで資金を調達する場合、毎月の返済がその後の資金繰りに大きな影響を及ぼすことを理解しておく必要があります。

財務の策を何も講じず、経営危機や破綻といった状況に追い込まれないために、どのようなシミュレーションを行えばよいのかご説明します。

 

しっかり財務の知識を付けておくことも必要

資金調達の場面で、融資を受けようとしても審査で否決されたり、金融機関の担当者との話をする上で伝えたいことが伝わらなかったり、求められている書類の作成などができなかったりと、財務の知識がない状態で経営を行うとこのようなトラブルが発生しやすくなります。

財務に対して何の知識も持たず、対策も講じていない状態で経営を続けることは、経営危機や破綻というリスクを高めることになると理解しておくようにしましょう。

 

資金調達はどのような流れで行うのか

もし資金を調達する時には、必要な金額をどこから準備するのか検討しなければなりません。

そのためには、

  • 税込での総必要額の算出
  • 自己で準備できる資金額の決定
  • 資金調達額の決定

という3項目を決定し、

総必要額-自己資金額=資金調達額

を決めることになります。

 

どこから資金を借り入れるのか決める

資金を調達する方法が借り入れだとしたら、どこから融資を受けるのか選ぶことも必要です。

日本政策金融公庫、民間の銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合、ノンバンクなど、金融機関もいろいろあります。

どこを選択するかによって、借り入れできる限度額や設定される金利も変わるでしょう。毎月の返済方法や金額などを確認し、資金調達後はキャッシュフローにどのような影響が及ぶのかシュミレーションしていくことが必要です。

 

キャッシュフローに悪影響を及ぼさない返済計画の立て方

借り入れを行い資金調達する場合、その後、何年で償却するのか、毎月の返済額などをいくらで設定するのかによって、その後の資金繰りは大きく変わります。利用する金融機関が決まったら、返済年数や金利などの返済方法を確認しましょう。

一般的なのは元利均等返済方式ですが、初年度から返済する方法のか、それとも1年据え置きするのかなど方法もいろいろです。

 

場合によっては1年据え置きのほうがよいこともある

初年度から返済する場合には早く完済できますが、資金繰りが厳しい状態でいきなり返済負担が増えるのも考えものです。その場合、ある程度資金繰りが改善した後に返済を始められる1年据え置きという方法を選択することも視野に入れましょう。

1年据え置きの場合は、借入金総額の金利部分のみを1年間支払って、2年度から元金と金利を支払うことになります。

運営資金を蓄えることにも繋がりやすく、2年後以降のキャッシュフローが楽になるというメリットがあるので、安定して利益を出すことを考えるなら選択することも方法の1つといえます。

 

返済年数を決める場合の注意点

また、何年で返済するのかを決める場合、早く借金をなくしたいと思うあまり、短期で設定してしまうとキャッシュフローに影響します。

返済年数を短くすれば総支払額は少なくできますが、その分、毎月の返済負担を重くすることになります。無理なく返済できる年数を考えて決めることが重要です。

 

焦り過ぎは禁物!キャッシュフローを悪化させないシミュレーションを

資金を調達することが必要になったとき、とにかく早く手元に現金を!という思いが強くなる傾向があるため、その後の返済計画や資金繰りにどのような影響が及ぶのかまで考えられないという場合もあるでしょう。

しかし、一時的に資金を調達してその場はしのげたとしても、またすぐにキャッシュフローが悪化すれば何の意味もありません。

一時しのぎに終わらないためにも、しっかり返済のシミュレーションを行い、キャッシュフローが本当に改善できるのか確認しておくことも大切です。

資金繰りのポイント|売掛金が資金繰りにずれを生じさせる理由とは

日々、資金繰りが大変だと感じている経営者の方も少なくないようですが、何が大変なのかというと、掛け取引によって発生した売掛金と実際のお金の流れで生じる「ずれ」を把握しておく必要があることでしょう。

しかし、この「ずれ」を把握することを怠れば、手元の資金が不足することになり、支払いができずに資金がショートしてしまいます。

そこで、なぜ掛け取引で売掛金が発生することにより、資金繰りの際にずれが生じてしまうのか、注視しておきたいポイントをなどご説明します。

 

売掛金が発生する掛け取引とは

会社の資金繰りを行うとき、掛け取引によって発生した売掛金が資金繰りの収支にずれを起こすことを理解しておく必要があります。

企業間における取引では、商品やサービスを販売して引き渡し、または提供したタイミングでその代金を受け取るのではなく、後日請求書などを発送して入金してもらう掛け取引がほとんどです。

 

会計処理上の利益と資金繰り表の残高がずれる理由

売上として帳簿に計上するのは、商品やサービスを販売・提供したときなので、帳簿上は売上があがったことにより利益が出ている状態になるかもしれません。

しかし、利益はどんどんあがっているのに、手元の資金はなぜか少ない…と感じるのは、売掛金として計上された代金がまだ入金されていない状態となるからです。

手元の資金を管理するために、実際にお金が入金されたときと支払いで出金したときに記帳する資金繰り表を作成している企業も少なくないでしょう。

会計帳簿では利益が出ていても売上代金が入金されていなければ、表示されている利益と資金繰り表の残高はまったく違った金額になってしまいます。

たとえば、月末締めの翌月末支払などの条件で掛け取引を行った場合、その間で発生する仕入れや経費などの支払いで資金繰り表上の出金はどんどん増えます。しかし、肝心の売上代金はまだ入金されていないので、入金されるまで不足が生じることになるわけです。

 

会計処理の基本的ルールは発生主義

会計処理において、売上はいつ入金されるかは関係なく計上します。また、経費についてもいつ支払ったかは関係なく計上することが会計の基本的ルールです。

この基本的なルールを発生主義といいますが、売上として計上するタイミングは入金される時期に関係なく必要であるということです。

商品を渡したタイミング、目にみえないサービスを提供したタイミングなど、納品が完了したときに売上が計上されることになります。

売上が発生したときに計上されるため発生主義や実現主義といわれています。

 

資金繰りではずれを把握しておくことが重要

売上代金が入金されるタイミングと、支払いが生じるタイミングにはずれが発生することがほとんどですので、そのずれを事前に把握しておき、資金が不足しないように資金を調達することなどが資金繰りにおいて重要です。

資金繰り表から、入金されるタイミングと出金が発生するタイミングを予測し記しておくことも必要となりますので、最低でも3か月先くらいまでを目安に作成しておきましょう。

 

資金が不足するタイミングをおさえておくことがポイント

手元の資金が不足すると考えられるタイミングにおいては、入金されるお金を増やすか、出ていくお金を少なくすることが必要です。

入金されるお金を増やすには、まだ回収できていない売掛金を早めに入金してもらったり、売れ残った在庫などは処分して現金に換えたり、金融機関などから借り入れを行うことなどが必要です。

出て行くお金を抑えるのは、経費削減、人員削減、仕入先や借入先へ支払いを延長してもらうように交渉することなどが考えられます。

 

現実的に実行できる手段は限られている

しかし、削減できる経費は限られているでしょうし、仕入先や金融機関に対する支払いの先延ばしは信用低下に繋がってしまいます。さらに、これまで企業に貢献してくれた人員を削減することなども最終的な手段として考えておく必要があるでしょう。

残った在庫を処分しようにもすぐに売れるとは限りませんし、金融機関などからの借り入れも審査に通らなければ融資を受けることはできません。

そこで、効率的に資金を調達する方法として、売掛金の回収を早めることを検討しましょう。売掛先に交渉しなくても、ファクタリングを利用すれば、入金される期日前の売掛金を早期に現金化することができます。

 

まとめ

売掛金が資金繰りに影響を及ぼし、会計処理上の利益と資金繰り表の残高にずれを生じさせることになります。

このような場合、ファクタリングを活用することで売掛金を早期に回収することに繋げることが可能です。

取引先にも迷惑をかけず、また、資金繰りが悪化していることを知られることもありませんので、もし資金繰りに困った場合には検討してみることをおすすめします。

売掛金がキャッシュフロー悪化の「穴」にも改善の「鍵」にもなる理由

キャッシュフローを管理しているとき、回収できなかった売上分の経理処理に迷うことはありませんか?

実際に入金されなくても、契約した金額を売上として計上することになりますが、いくつかの基準を満たしたときに、売掛金は貸倒金として利益からマイナスできる処理が可能になります。

しかし、この売掛金の処理がキャッシュフローを悪化させる要因となる可能性があります。

売掛金を売上の計算に入れることは間違い?

売掛金とは、売買契約は成立していて、すでに商品やサービスは提供している状態の中、まだ入金がされていないけれど将来入金される予定のお金です。

そのため、実際には手元にないお金であることから、キャッシュフローを考える場合には売上の計算に入れません。

その月にどのくらい支払いができるのかを考えるとき、売上ベースで考えてしまうことがありますが、実際に売上金として手元に入金されたお金とが発生することを理解しておかなければ不足が生じます。

貸倒損失になった場合

売掛金は、取引先にお金を貸している状態にあるともいえるので、仮に売掛金100万円が貸倒損失になれば、売上高営業利益率が20%の会社の場合、新しく500万円の売上を計上しなければならなくなります。

そのため、回収できないからと、簡単に貸倒にすればよいと考えることだけは避けなければなりません。

手元のお金であるキャッシュフローの流れをスムーズにするためには、どの取引先に対していくら売掛金があるのかを把握し、実際の資金繰りでは収入として考えないことが必要になるといえます。

 

悪化したキャッシュフローを改善させるには?

すでに悪化したキャッシュフローを改善させるにはどうすればよいのでしょう。

儲けがすぐに手元に入るのは、現金取引の場合です。しかし、売掛金や買掛金などが一般的に使われる中で、儲けたらすぐお金があると思うのは危険です。

売上を増やし、原価を下げて粗利益を増やすこと、さらに販売管理費など活動原価を下げることにより、確実に利益を計上できるのでキャッシュフローは改善されます。ただし、計上した利益が確実に資金になり、企業もどることが条件です。

過剰な在庫(棚卸資産)や遊休固定資産を減らすことでもキャッシュフローは改善されますし、支払いを先延ばしにできる買掛金を増やしてもキャッシュフローは改善します。

ただし、経済状況を考えると、買掛金の支払いを延ばすことは信用不安を増大させる原因になるので、キャッシュフローが改善される状況を考慮の上、ときにはコストダウンする代わりに支払いを早めるなど、有利な条件で取引できるような交渉が必要です。

 

売掛金がキャッシュフロー改善の鍵に!

買掛金の支払いを先延ばしにすればキャッシュフローが改善されるとすれば、反対に売掛金は支払いを前倒ししたほうがよいということになります。

資金不足が生じている状況で、その不足を穴埋めするために銀行から借入れをするのか、それとも資産を売却して現金化するのか、方法はいろいろです。

売掛金の入金を先に行ってもらえるように、直接売掛先に交渉してもすぐに可能になるとはいい切れません。その状況で急いで資金調達しなければならないなら、すぐに売掛金を現金化できるファクタリングを検討してみるとよいでしょう。

ただし売掛金の現金化は業者選びが重要!

ただし、ファクタリングは多く存在するファクタリング会社のうち、最も信頼できると判断される会社に依頼することが重要になります。そのため、複数のファクタリング会社をしっかり比較し、検討することが大切です。

ただ、複数のファクタリング会社から、1社ごとに見積もりを取得して比較するのは大変な時間と手間がかかります。

そこで、とにかく資金調達に急ぐから売掛金を現金化する相談をしたいけれど、どこに依頼してよいかわからないというニーズに応える一括見積りサービスを活用しましょう。

メールフォームに簡単な項目を入力するだけで、経験の豊富な担当者がしっかり業者を選定し、見積もりまで行ってくれるので手間がかかりません。

 

円滑に事業を運営するために

企業が成長発展するためには、一定水準以上で利益を計上し、利益を再び投資しながら拡大していくことが大切です。

しかし、そのための資金がなければ、企業は成長どころか存続の危機にたたされます。有効な資金調達方法で、事業を円滑に行えるような方法を考えていきましょう。

資金繰りを悪化させない方法とは?キャッシュフロー計算書からわかること

毎月の試算表などで売上や利益を確認し、書面上は黒字の状態だとしても「売掛金」が回収できなければ「黒字倒産」してしまうこともあります。

帳簿上の利益を確認し、経営も順調だとすっかり安心していても、手元のキャッシュが不足して支払いに行き詰まってしまいます。結果として資金繰りが悪化し、事業を継続できなくなるといった最悪の事態に陥る可能性もあるのです。

そのため、貸借対照表や損益計算書の数字を確認するだけでなく、会社の資金繰りが悪化しないように「キャッシュフロー」を重視することも大切です。

キャッシュフロー計算書は資金繰り表として使える!

上場企業の場合など、決算書類は貸借対照表や損益計算書だけでなく、「キャッシュフロー計算書」が添付されています。これは、2000年3月期の決算から、作成が義務付けされているからです。

中小企業ではまだ作成・添付は義務付けられていませんが、キャッシュフロー計算書から会社の現金の動き(収支)を把握することができますので、「資金繰り表」として使うためにも作成しておくとよいでしょう。

キャッシュフロー計算書からわかること

実際、優良な企業であればキャッシュが増えていくため、売上や利益をみなくても貸借対照表の現金推移を確認すれば会社の経営状況が確認できるともいわれています。

それほどキャッシュフローの推移は経営において重要視されているといえますが、キャッシュフロー計算書を作成する目的は、キャッシュの増減の理由など流れを把握することです。

会社の資金繰りにおいて、キャッシュフロー計算書は欠かせない存在ともいえますが、より効率的に活用するためにも、区分ごとのキャッシュの増減を分析しましょう。

営業活動によるキャッシュフロー

事業活動で得たお金の流れを示すキャッシュフローですので、他の区分よりも重視したい部分です。

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるお金の流れを示すキャッシュフローで、営業活動によるキャッシュフローを何に投資しているか把握することができます。

余剰資金で株式や債券を購入し運用しているのか、設備や修繕など事業維持に対する投資なのか、また、新事業や商品開発など新たな事業開拓に向けた投資なのかなど、経営戦略により投資の対象は異なります。

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動でどのくらいお金が増減したのかを示すキャッシュフローなので、借入金や返済状況などを確認することができます。

売上が伸びているのに資金不足に陥る?

キャッシュフロー計算書を分析するためにも、売上先仕入先、それぞれの払い出しのタイミングをリスト化してみましょう。資金の回収と支払いのタイミングがずれる取引を洗い出していくことがポイントです。

注文を受けた後は売掛金として売上が発生し、商品や製品、サービスを納品・提供して、入金があるという流れが一般的です。売上や利益が計上されるタイミングと、現金を回収できるタイミングにズレが生じることが、資金繰り悪化する要因となります。

資金繰りを改善させるためには、受け取りは早めに、支払いは遅らせることが必要です。早く売掛金を回収できれば、受け取った現金を次の仕入れに使うこともできます。

売上が増えてくると事業が好調で喜ばしいと思うかもしれませんが、その一方で仕入れコストが増えて資金繰り悪化を招きやすい状況に陥ります。手元のキャッシュを少しでも増やし、仕入れの支払いに充てることができる状況を作ることが大切です。

資金繰りを悪化させないために重要なのは手元のキャッシュ!

資金繰りが悪化しないために、手元のキャッシュを増やす方法は色々です。銀行から運転資金を借入れたり、売掛金を早く支払ってもらえるように取引先に交渉したり、また、売掛金を早期に買い取ってもらい現金化するファクタリングなども方法として挙げられます。

大切なのは、キャッシュフローが悪化しないことであり、どの方法で資金調達することが事業を継続する上で最もよいのか、十分に検討して決めるようにしましょう。